未DVD化ビデオ

光年のかなた

1980年 アラン・タネ―ル監督作品 幻想的なビデオパッケージをtwitterでみかけ、あらすじをみたら、少し前にみた「2000年のジョナス【ジョナスは2000年に25歳になる】」*1 でコミューンの中で生まれる赤ん坊ジョナスと同じ名前の青年が主人公で、そ…

...you...GETTING STRAIGHT

こちらもtwitterで評判をきいてみてみたが、とてもよかった。 学生運動盛んなころの物語。エリオット・グールド演じる主人公ハリーの、一時は革命闘士でもあったけれど、今は将来学校の先生になって若い芽を伸ばしたいという気持ちを持っており、そのために…

ラグタイム

ふや町映画タウンやwindshipさんのおすすめ*1でみてみたが、本当によかった。第一次世界大戦前のNYにうごめく人々を同時に描いてそれがうまい具合に関連しあって堪能できる作品。話のつなぎ方もうまいし、イヴリン・ネスビット*2という実在した人物を演じた…

ウルガ

ニキータ・ミハルコフ監督、その昔みた「黒い瞳」も、偶然みた「愛の奴隷」*1でも、ほんわりとした語り口の中でカチっと光るものがあって、いいなあと思っている監督。この映画も、モンゴルの大草原から話がスタートし、自分とかけ離れてすぎているか?とい…

青い凧

この映画のことを話題にしている、淀川さんとおすぎさんの「おしゃべりな映画館 3」を読んでみたら、淀川さんは一緒に話題にされている「さらばわが愛、覇王別姫」*1にくらべて、この映画の話法の地味さがちょっと・・という感じで、おすぎさんは、誠実に丁…

妻の心

「サンデー毎日」7/2号の「『名画座女子』が選ぶ日本映画知られざる名作極私的ベスト10」という記事があり、DVD化されているもの中心の記事だったので、ベスト10には入れておられないけれど、筆者ののむみちさんがこの「妻の心」のことを大好きと書か…

天狗党

国の重要文化財にもなった敦賀の旧大和田銀行*1の建物を使った敦賀市立博物館に行った時、攘夷の旗印のもと京に上洛しようとして果たせず、敦賀で捕らえられ処刑された水戸の天狗党の展示をみた。敦賀まで行軍したこともその展示をみるまで知らなかったのだ…

リタと大学教授

「マイ・フェア・レディ」の形をかえたものというような評をちらっとみながら、マイケル・ケイン目当てで鑑賞。それまでの暮らしではアカデミックなこととは無縁のリタという美容師が、知ることへの欲求から大学教授マイケル・ケインと出会い、アカデミック…

ヤング・アット・ハート

プロローグの、老父を中心に家族で音楽をたのしんでいるシーン、そのあと、バリモア家のエセル・バリモア*1が現実主義者でちょっとひねくれたことをいってみたりする、でも心根はしっかりした伯母役として登場するあたりまではとてもよいし、もちろんフラン…

エノケンの法界坊

横尾忠則氏と淀川長治氏の対談集*1で、おもしろいとほめてあってみてみた。横尾さんがとても大好きな映画らしい。歌舞伎で「法界坊」のお話を知っているとすんなりはいっていける(多分作られた昭和13年当時みていたひとは楽勝)だろうけれど、前知識ないと…

襤褸の旗

eiga.com足尾銅山事件と田中正造は歴史でさらっと習ったのみの知識。先日三國さんの「にっぽん泥棒物語」*1を見て、引き続き熱い三國さんをみたくなってレンタル。 撮影監督宮島義勇氏。去年「裸の太陽」*2という国鉄の機関士の映画をみたとき、宮島氏の撮影…

化粧雪

石田民三監督、成瀬巳喜男原作。 山田五十鈴が零落した寄席の娘で、そのそばでなにくれとなく働いている番頭さんのような存在、善さん役が藤原釜足、その妻を清川虹子。 ビデオに同梱された山根貞男さんの解説によると、冒頭、その小屋の真ん前の電器屋のラ…

小島の春

先日BSプレミアムの「杉村春子への手紙」という番組の中で森光子氏が、この作品の中での杉村さんの演技の話をしておられた。それとあとから気が付いたのだが、高峰秀子氏も著書の中でこの映画での杉村さんの演技を臨場感豊かにほめておられた。 はじめこの中…

白い風船

今年日本公開されている「人生タクシー」のジャファール・パナヒ監督。アッバス・キアロスタミ監督のお弟子さん。この作品もキアロスタミの脚本だ。お正月準備に忙しいテヘランの大晦日(太陰暦なのでこちらとは季節が違う)。どうやらイランではお正月のお…

帰郷

佐分利信氏がえらくかっこいい。一番最初に佐分利信氏をみたのがテレビドラマの「阿修羅のごとく」だったし、そのあとみるのも「お茶漬の味」だとか、先日観た「花は偽らず」*1だとか、かっこいいという分類ではなくて、落ち着いた、と評したいようなものが…

勝手な手触りはその昔みた「イワン雷帝」のよう。重厚な歴史ものなんだけど、ひとつひとつのエピソードが羊皮紙に書いた事柄、あるいは幻燈でみているようなイメージ。発端は1798年。ロシアとプロイセンとオーストリアに分割されていたポーランド。自由…

スペードの女王

タイトルだけはきいたことがあるこの作品、プーシキンの小説の映画化とのこと。きっちり作られたゴシックホラーのような風合い。ジャケットには「重厚なコスチュームとセットデザインはオリバー・メッセルが担当」とある。たしかにそれあってこそであった。…

花は偽らず

拾い物だった「京化粧」*1から大庭秀雄監督の映画を最近ちょこちょこ見ている。これまたなんとも切なくて、でもつらい感じはなくてとても好きになった。大庭秀雄監督は「君の名は」が有名なのだけど、そちらは今だ後回しにしてしまっていてだいたいのストー…

蠅取り紙

重厚なイメージのワイダ監督なのだけど、この作品(69年)は、大きなサングラスと襟の大きめの花柄シャツ+ジーンズにカジュアルな毛皮をはおった70年代前後のファッションを強く感じる女学生とゴーゴーバーのようなところで出会ったり、ワイダもこういう時…

麻酔なし

1978年 アンジェイ・ワイダ監督作品。 海外を飛び回っているデキるレポーターがいきなり妻から離婚を切り出され、陰謀めいた感じで仕事も減らされ、裁判で偽りの証言をされ・・というお話なんだけど、ビデオジャケットの解説によるとワイダ監督の政治的メッ…

ローズヒルの女

twitterですすめてもらってみてみた。スイスの田舎に写真だけを手掛かりに嫁いできた黒人女性ジュリー。相手の男性が古い写真を使っていたりしたことからどうしても結婚生活にはいることができない。どこか都会の香りのする彼女は町をさまよい、まるっきりボ…

残菊物語(1963)

「残菊物語」というと溝口健二版の評価が高いけれど、実は溝口版をみた時、まだ歌舞伎とか自分がみていない時分で味わい方も中途半端だったように思う。今回多少は歌舞伎をみるようになった目でみるととてもおもしろかった。 猿之助(現猿翁)が、尾上菊之助…

捕われた心

佳作の多いワイントローブ・ブリティッシュ・ライブラリーのシリーズの一本。バジル・ディアデンという監督もこの映画の事もまるで知らず、このシリーズのものであるからという理由で借りてみたが裏切られなかった。冒頭の「イーリング・スタジオ」の文字に…

京化粧

なんとも京都らしい映画だった。佐田啓二扮する京都のお座敷でのルールというのがわかっていない、まっすぐすぎる東京の男が山本富士子扮する芸妓さんを好きになって空回りするお話だけど、京都の人たちのやわらかい言葉の奥底の現実主義の有様がリアルでお…

恋や恋なすな恋

内田吐夢監督が歌舞伎のストーリーをもとに作った「花の吉原百人斬り」がよかったので、引き続き人形浄瑠璃の「芦屋道満大内鑑」及び清元の古典「保名狂乱」を素材に作ったこの作品をみてみた。(脚本も「花の吉原〜」と同じく依田義賢。) かねてからちゃん…

尼僧の恋

会いたい人と一緒にいたり、自分の人生を自分で選べない、人の置かれた環境と人の思いの相克の物語。家庭の事情で7歳から修道院に入れられ、外の世界を知らなかった若き見習い修道女にとって、はやり病の蔓延をきっかけに一時帰宅して外の輝かしき世界に触…

キネマ洋装店のたかぎさんのイベント*1にて過去にたかぎさん企画で神保町シアターで上映された「女優とモード 美の競演」のちらしをいただき、そこにこの映画が紹介されていたので興味をもってみてみた。 タイトルがあまりに昔のメロドラマみたいで警戒して…

法医学教室の午後

wikipediaの「法医学教室の長い一日」の項によると、これは1985年6月12日に水曜ロードショー時代に放映されたものらしい。 今、BSで再放送中の「それぞれの秋」で、小倉一郎氏が大好きになってしまい、また大森一樹監督のものも「オレンジロード急行」*1をみ…

妖刀物語 花の吉原百人斬り

文楽の好きな友人から文楽と日本映画がお好きな方のブログを教えて頂き、拝見していたらこの映画をほめてらっしゃって。。ふや町で借りてきた。古典歌舞伎の名作「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえひさめ)」の話をもとに依田義賢脚本、内田吐夢監督で作…

白樺の林

1970年 アンジェイ・ワイダ監督。ポーランド版「ゆれる」*1とでもいおうか、兄弟の間の相手を忌々しく思う感情と振り子のようにそれを悔いる気持ちの揺れを描く。美しい白樺の林と兄の子供。yahoo movie *1:http://d.hatena.ne.jp/ponyman/20080202/12019484…