キネマ洋装店のたかぎさんのイベント*1にて過去にたかぎさん企画で神保町シアターで上映された「女優とモード 美の競演」のちらしをいただき、そこにこの映画が紹介されていたので興味をもってみてみた。
タイトルがあまりに昔のメロドラマみたいで警戒してみてみたのだけど、この川頭義郎監督という方は木下恵介の愛弟子で、ビデオジャケットの解説に「前作『子供の眼』ではゴールデングローブ賞に輝き、師ゆずりの抒情味にあふれた演出を随所に見せ、庶民の哀歓をきめ細かく描き出している」と書かれているように、くだらないメロドラマでなく、最後の最後これが描きたかったんだな!と思わすすばらしいシーンがあり、おおそこか!とにっこりさせられる。(それについてはキネマ洋装店のたかぎさんも書いておられる。こちら参照。)ラストのそのシーンにでてくる、天狗(こちらのブログによると赤い法師とこどもたちによばれていたらしい)が節分の鬼のように沿道をにぎわす浜松の祭り、とても印象的だ。

この映画を観終わったあと、川本三郎さんたちの「日本映画 隠れた名作」*2
をまたぱらぱらとみていたら、川本さんもこの映画のことをほめておられる。川頭監督は川津祐介氏のお兄さんとのこと。そして、二人のお父上は木下監督の「破れ太鼓」でバンツマさんが演じた人物のモデルとのこと。若尾文子さんの父親役(お金の迷惑をかけがちで結構親戚から疎んじられている旅役者)が雰囲気があり、気になっていたが明石潮という俳優さんらしい。

涙 [VHS]

涙 [VHS]

  • 発売日: 1991/09/22
  • メディア: VHS