2016-01-01から1年間の記事一覧

七つ星 志のぶの宝石匣3

二ノ宮さんのメイン登場人物の上品さがいい。そして描きこまれている感じが。(音大のことにしろ、宝石のことにしろ、門外漢なのでどの程度正確なのかは知らないけれど読ませる力がある。)七つ屋志のぶの宝石匣(3) (KC KISS)作者: 二ノ宮知子出版社/メーカ…

群衆

世相批判のつぶやきめいたもので一躍有名になってしまう人物(実は記者が適当に作ったものだけど、後付けでゲイリー・クーパーの書いたものとしてなりすましをさせる)から描く、群衆心理の形成のこわさを描いたものだけど、なんとなくこのまま現代に置き換…

どこまでもいこう

「害虫」*1がよかったのでさらに塩田明彦監督作品を。素晴らしい!なんてデリケートな映画を撮れる人だろう。小学5年男子の社会。ぐだぐだした口頭の説明なくてみていたら全部感じ取れる。その含羞。なんともいえないこの空気。心の中に登場人物たちが今も生…

トラスト・ミー

この作品との出会いはtwitter。元のログがなくなってしまっているのだが、確か「この作品を好きな人にあの作品をオススメしてみる」というようなハッシュタグがあって、自分の好きな作品がいくつかあったので、未見のもみるようにしてみた。その中にあった先…

吾輩の部屋である 3

考えすぎでおもしろい。仲間意識持つなあ・・なんかほっとする。吾輩の部屋である 3 (ゲッサン少年サンデーコミックス)作者: 田岡りき出版社/メーカー: 小学館発売日: 2016/12/12メディア: コミックこの商品を含むブログ (2件) を見る

ずうねこ 2

ほっとするようなこのタッチ、動物園について結構鋭いところを突いていたりもするのに、この筆致でふんわりと楽しく読める。 著者のねこまきさん、「しばおっちゃん」でおじさんにも光をあてていたけれど、これもおばさんを愛情深く描いていてなかなかいい。…

義太夫を聴こう

書評で紹介された時、女義太夫の方の表紙で、勝手に普段文楽で接しているものとは違うかななどと思っていたのだけど実際に手に取って読み始めてみたら、普段文楽で接している義太夫や三味線の理解が深まるものだった。ソフト版という体裁も読みやすくてあり…

サイクリスト

イランのモフセン・マフマルバフ監督作品。アフガン難民の男が妻の入院費用を稼ぐために見世物として一週間自転車に乗ったら多額の賞金を出すという話を持ち掛けられチャレンジする話。裏には賭けなんかも設定されいて、妨害もはいったり・・ほんと、なんと…

オレンジロード急行

とても愛すべき作品だった。嵐寛寿郎と岡田嘉子の老カップルがカージャックで南紀を目指す。電波ジャックの若者たちと世界がクロスして・・という物語だけど、78年のこの作品、アメリカンニューシネマをうまく咀嚼して陽性に描き、80年代前夜の気楽な雰…

座頭市とスターたち 浅丘ルリ子 原田美枝子

テレビ座頭市シリーズ。浅丘ルリ子が美しい離れごぜを演じた出演した「心中あいや節」。雪の情景がとても美しいと思ったら撮影に森田富士郎さんというクレジットが。調べたら有名なカメラマンらしい。 原田美枝子の演じた「不思議な旅」は、原田美枝子の変化…

命美わし

笠智衆の次男役が佐田啓二。ちょうどこの前にみた「波の盆」*1のでは笠さんの息子役を佐田さんの実子、中井貴一がつとめ、そして、なんか姿も役回りも似ている(ある意味親父譲りのまじめさで突き進む子供。でもベクトルの向きが違うため親父に理解されなか…

波の盆

昭和58年11月15日にNTV系で放映されたテレビスペシャル。倉本聰脚本、実相寺昭雄監督。昭和58年度文化庁芸術祭大賞を受賞。 笠智衆さん演じるのはハワイの日系一世。日系のハワイ家庭にとって真珠湾攻撃というのは複雑だったろうなと今更ながら思わ…

人間座第62回公演 幽霊はここにいる

安部公房の作品を岡本昌也さんという学生演劇のホープが演出とのこと。 パンフレットの言葉にある岡本さんの言葉に「58年前に書かれた戯曲であり、当時の言葉遣いや価値観はぼくにとって受け入れ難いもので、この戯曲を扱うにはどうしても子供だけど、『話…

害虫

10代の宮崎あおいと蒼井優。宮崎あおいの何をしでかしてもなんとなく共感するような気持ちにこっちがなってしまう美少女力が凄い。蒼井優は宮崎あおい演じるサチ子と同じクラスの、サチ子の面倒をなにくれとなくみている女の子夏子役で、夏子の側から見たら…

マンガでわかる猫の気持ち

ねこまきさんによる猫のあるある漫画の横に哺乳動物学者今泉忠明氏監修の富田園子さんというライターさんの文章が載せられている構成になっている本。 まずはねこまきさんの漫画に心がなごみ、そして猫好きさんでも意外と初耳な事項も載っていてためになる。…

吾輩の部屋である 1,2

確か新聞か雑誌に紹介されていて気になっていたところ、先日京都・浄土寺の本屋さんホホホ座に行ったら置いてあって、一巻目試し買い。なんか生活のあれやこれやをぶつぶつつぶやいている大学院生の話で、そのつぶやく気持ちがものすごくわかって、(全般に…

ちはやふる 33

新、よくいった! そして何よりうれしいのは分析のプロ、肉まん君に光があたっているところ。ちはやふる(33) (BE LOVE KC)作者: 末次由紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/10/13メディア: コミックこの商品を含むブログ (9件) を見る

闇金ウシジマくん part2 およびドラマシリーズ

映画「闇金ウシジマくんPart2」DVD 豪華版出版社/メーカー: SDP発売日: 2014/10/24メディア: DVDこの商品を含むブログ (2件) を見る先日来、日本映画チャンネルでウシジマくん漬けで、映画、ドラマ両方のpart1,2を見終わった。いっぺんにみると余計話がご…

座頭市とスターたち 伊丹十三 吉永小百合

1974年から79年にかけて放送されたテレビ時代劇シリーズ「座頭市物語」「新・座頭市」全100作の中から20作品を厳選したビデオシリーズ。この巻収録の伊丹十三出演のものは76年11月29日放映 田中徳三監督の「見えない涙に虹を見た」 吉永小百合の…

リフ・ラフ

「RIFF-RAFF」とは労働者階級のことらしい。刑務所から出所したばかりで、建設現場で働くことになる青年をロバート・カーライルが演じている。刑務所帰りといったって強面とかではなく、繊細ですぐそこにいるような共感できる質感。労働環境の悪さはかなりな…

マペットの夢見るハリウッド

マペット映画の第一作。「クリスマス・キャロル」*1、「宝石泥棒をつかまえろ」*2とマペットの映画をみてきて、その表現力に夢中になりこれもみてみたのだけど、ハリウッド映画をしっかり見ている人の方が絶対楽しめる内容になっている。ハリウッドスターの…

太陽の少年

「鬼が来た!」のチアン・ウェン監督の第一作目。 文化大革命さなかの北京。統制された世界かと思いきや、毛沢東の大きな看板などの前で掛け声に合わせて行動、などということは強制されつつも、大人たちが地方にいかされ、少年たちが意外なほど自由に振る舞…

原節子の真実

原節子や小津監督の話は伝説のようにそれなりに流布されていると思うけれど、この本はそこにあえてものすごい取材力でもって挑んだ渾身の作品だった。同じ著者による映画「夜の蝶」のモデル上羽秀さんの伝記「おそめ」*1も、対象への近づき方が読者を満足さ…

きのう何食べた? 12

子育てで仕事から5年くらい離れていた主婦の事務員さんの描き方いいなあ。ぽやーんとしているけれど、かなめかなめ押さえていて、そのことがちゃんとわかっている職場環境。鶏肉とかぶの塩炒めやってみようかな・・ (ごま油→鶏肉炒める→かぶの葉 鶏ガラスー…

3月のライオン 12

NHKでアニメがはじまった。原作を読んでいる人の評判がいい。私もみてみたら、原作の持っている丁寧なところをちゃんと掬いあげている美しい渾身のアニメだった。最初からはじまっていくので、そうだった、はじめは桐山君こんな感じで今はここからしたらずい…

俳優 笠智衆 わたしと松竹大船撮影所

松竹の大船撮影所を建て替え工事するときに、笠さんがまだお若い時代に蒲田から大船に移動した撮影所の思い出、お仕事のことを語られるドキュメンタリー。笠さんの自伝*1を映像で確認できるような側面もある。古きよき建物が取り壊される、そのこと笠さんの…

故郷 

日本映画チャンネル山田太一劇場ですっかり老年期の笠智衆さんづけになって昔録画していたこちらもみてみる。 瀬戸内海で小舟で生計をたてている家族が、たちゆかなくなり、都市の労働者になろうという映画。一部ドキュメンタリータッチもとりいれてある。実…

きせかえユカちゃん 1〜3

最初は「お、やっぱり『りぼん』掲載やな」というような大人しさだったのが、どんどん東村節が炸裂・・巻を追うごとに遠慮がなくなっておもしろくなっている。 東村さんの作品によく出てくる映画やドラマの主人公になりきりパターンとかも登場するし、おしゃ…

山田太一劇場

TV

日本映画チャンネルでの山田太一劇場に夢中になっている。今月は笠智衆さんのシリーズでほんと毎週楽しみにしている。録画しておいたのを昨日見た「今朝の秋」。今朝の秋 [DVD]出版社/メーカー: NHKエンタープライズ発売日: 2013/01/15メディア: DVDこの商品…

注文の多い料理店

図書館でなんとも惹かれる図柄に即借りに。木版画大好き。 絵の島田睦子さんは構想より10年、彫り直しをくりかえした後の出版とのこと。注文の多い料理店 (日本の童話名作選)作者: 宮沢賢治出版社/メーカー: 偕成社発売日: 1984/06メディア: 大型本購入: 1…