2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

阿片戦争

なんか宝塚歌劇みたい。日本人が英国人も中国人も演じている。 ミュージカル部分の、セット(大きな時計など)の手作り的かわいらしさは印象的。 前年の同じマキノ監督の「家光と彦佐」と、大掛かりなセット&時代物の中の歌と踊りみたいなテイストが似てい…

ラスプーチンが来た

初山田風太郎。読みにくいのかと思ったらそうでもない。奇想天外であるというのはきいていたのだけど、ラストええっというような展開。同時代の人をうまく動かして、一大絵巻を作っている感じ。解説にも、子供時代の谷崎潤一郎のことが書いてあったが、夏目…

夜霧の恋人たち

アントワーヌ、ほんと優男なり。なんかどえらく仕事がいい加減で、ミスター・ビーンみたい?って思う時も。恋が第一って感じ。彼女未満な時のガールフレンドの家族との関係とか部屋の感じとか、わりとずばっと女関係の話をともだちとするところなどに異文化…

アウトレイジビヨンド

ああおもしろかった!の一言。透徹した目をさらに養ったたけし演じる大友。すっかりいろんなことがわかっていながらそこでする行動がこっちを興奮させる。ライムスター宇多丸さんのラジオでこの作品の話をしていたときいっていたお笑いの世界とのシンクロ、…

柔らかい肌/二十歳の恋 アントワーヌとコレット

先日やっとこさトリュフォーのアントワーヌものに目覚めた私。*1第二作「アントワーヌとコレット」が「柔らかい肌」と一緒のビデオにはいってるもので同時にみたが、両作品とも今更いうのもおこがましいがうまい!堪能した。ヌーヴェルヴァーグの恋愛ものと…

大人は判ってくれない

有名すぎて、しかもどっちかいうとくそまじめ系の大人になってしまった自分は「判ってくれない」といわれる側なんだろうな、とか思い込んでなかなかみられなかった作品。 たまたまwowowでちらっとみた「逃げ去る恋」がおもしろくて、それがトリュフォーのア…

ジャコモ・フォスカリ 1

素晴らしい!「テルマエ・ロマエ」の題材への愛、調査力に陰影をつけた感じ。自分も興味のある60年代の日本、安倍公房や三島由紀夫と思われるような人々・・若尾文子や増村監督風の人も?(そのままではないけれど。。)、そして自分は詳しくないけれどち…

テルマエ・ロマエ 5

あとがきをみているともうすぐ終わりそうな・・確かにはじめは読み切りものだったのが、話がどこかに落ち着かなきゃならないようになっているものな・・ヤマザキさんが描きたかったこの巻の山場は大いに楽しめた。テルマエ・ロマエV (ビームコミックス)作者:…

猫の品格

品格本ブームの時に、るえかさんは、「品格なんて『こういう時はこう振る舞う』って計算した時点でアウトだよ、ケッ」って思っていたに違いなく、でもそれをそのまま指摘するそれこそ品格のなさみたいな芸のない書き方したくなくてたくさん飼ってきた猫をだ…

在日

在日 [DVD]出版社/メーカー: マクザム発売日: 2005/11/25メディア: DVD クリック: 14回この商品を含むブログ (3件) を見るみたのは前後編2巻になっているVHS版 前編は歴史、後編は在日一世、二世、三世の6人の生活を描いている。私は後編の方が入りやすかっ…

王将一代

以前48年に作られた同じ伊藤大輔監督の「王将」をみた*1が、これはその後の物語も含んでいて、パンチがきいている。阪田三吉というのは(って映画は創作はいっているのだけど)知れば知るほど魅力があるなあ。美内すずえが「ガラスの仮面」の北島マヤの着想…

バイ貝

すごくおもしろかった。町田さんいいねえ!一時みられたような極端すぎてなげやりとも感じられる表現はなくなって、どの文章もどの文章もなんとも均整のとれたおかしさに満ちている。バイ貝作者: 町田康出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2012/03/21メディア: …

脂肪という名の服を着て

ぐいぐいひっぱっていくストーリーなんだけど、主人公が同僚から受ける悪意とか一応味方してくれる人の不気味さとか歪んだ彼氏とか彼氏以外はそうなるに至った説明があんまりなくておっかなくて・・一気に読んだもののあまりに容赦なくて読後感キツし。脂肪…

三谷幸喜のありふれた生活10 それでも地球は回ってる

新聞連載時にかかっているお芝居の話とかはどうしてもどこかいいところを見つけてほめる、みたいな方向になるから、このエッセイの中で好きなのは昔の映画&演劇関係の話(すごく詳しいし愛情たっぷり)がでてくるところとペットの話。(けれど、この本読ん…

まあだだよ

黒澤明監督のものとしたらモノクロ時代の勢いからは無縁な感じではあるけれど、「ノラや」を読んで内田百けんに関心を持っていて、戦前の教育に思いを馳せている自分には見どころがあった。「ノラや」にも出てきた小学生にノラを探してくれと頼むポスターの…

ファンタスティックMr.Fox

ん?泥棒キツネの話?と最初はとっつきにくかったのだけど、(ウェス・アンダーソンの映画をみるとき、あったかいものを欲していながらもクールにしている世界に入るのにいつも時間がかかる。映像のクールさはすばらしいと思いつつもその整い過ぎている感じ…

海月姫 10

出てくる人それぞれが自分の持ち場でがんばる、「七人の侍」形式。ほんとこの形式好きで。「マンハッタンラブストーリー」みたいに、登場人物がそれぞれ愛おしくてみんな幸せになってほしくなる。おもしろくかわいいだけの夢物語でなく、「売れるものをつく…

マダムGの館 黒猫篇

「黒蜥蜴」を意識したようなマダムが、「美の壺」みたいに、自分がなんだか気になっているものばかりとりあげて説明してくれる形になっていて、気の合う友達としゃべっているような気分で「そうそう!これもいいね!」と読み進む。たとえば芸艸堂が作ってい…

大奥 8

田沼意次、日本史の中では賄賂政治の横行、みたいな感じで覚えた気がするのだけど、ここでは、若き日の意次が、気配りよく相手の喜ぶものを贈って段取りがい。。という感じに描かれていて、なるほど人を見る目というのはどこに光をあてるかだよなと思う。 吉…

主に泣いてます 8

すごいテンションの本妻ゆっこさんであるが、画廊の人との会話はリアルに大人な感じで落ち着いていて・・要所要所は正気という感じだからこの作品はおもしろいのだと思う。主に泣いてます(8) (モーニング KC)作者: 東村アキコ出版社/メーカー: 講談社発売日:…

ゴーストライター

ユアン・マクレガーの、役によって全然違う表情をみるのは感服するし大好きだし、筋を追っていくのはおもしろかったけれど、ラストまでみてそれをおもしろがるための謎だったような感じもしないでもなく「一体なんのためにこの主人公が?」みたいな気にもち…

以前の日記から広がって…

昨日8月にwowowで録画した番組をみていたら最後に全国のミニシアターを紹介するコーナーが始まって・・ 以前windshipさんが掲示板で教えてくださった岡山のシネマ・クレールというところの話だった。サラリーマンだった館主の方が自力で建てた劇場の話はwins…

ジュニア・ボナー

「大脱走」でスティーブ・マックィーンをみたとき、なんか「男!」って感じで会話なさそう・・みたいな風に感じてしまい、どっちかいえばチャールズ・ブロンソンの方が味があっていいや、なんて思っていたのだけど、この作品では素直に映画の文脈にのってい…

みさおとふくまる

みさおおばあちゃんの表情も猫との暮らしっぷり、季節感もすごくすてきな写真集。なんて仲良くてほのぼのした感じなんだろう。思い出すだけで顔がほころんでしまう。みさおとふくまる作者: 伊原美代子出版社/メーカー: リトル・モア発売日: 2011/10/22メディ…

ノラや

もう表紙の写真がかわいらしくて。主人の話きいていながらもふらっとどっか出て行ってしまいそうな猫の風情。みたら町田康氏の撮影らしい。さすが。 そして、言葉づかいのすばらしさ。ユーモラスで品があって偏屈、という雰囲気がぷんぷん漂っていて、その内…

刑事ジョン・ブック 目撃者

公開当時かなりはやっていて今頃?という感じだけど、これまた杉浦さやかさんの本とふや町映画タウンのおすすめに載っていたので借りてみた。変にねじくれてなくまっすぐなストーリーがとてもよかった。アーミッシュのことはちょっと前にあった事件の時はじ…