日本映画傑作全集

日常の戦ひ

all cinema 石川達三の新聞小説(毎日新聞←どおりで、主人公佐分利信の弟役藤田進氏が毎日新聞の人になっている。)の映画化。1944年8月3日封切。配給、女性のモンペ姿などが日常的であり、「この世界の片隅に」*1のリアルタイムバージョンとも感じら…

泣蟲小僧

movies.yahoo.co.jp 昭和13年に作られた、転がり込んできた母の交際相手とそりがあわず、母親の三人の妹のところに預けまわされる啓吉という少年の物語。啓吉は十二歳であるが、ちょうど「誰も知らない」の柳楽君の設定くらいの年齢だな・・母への思いと裏…

君も出世ができる

君も出世ができる [DVD] 出版社/メーカー: 東宝 発売日: 2008/07/25 メディア: DVD クリック: 8回 この商品を含むブログ (9件) を見る みたのは、日本映画傑作全集VHSにて。 VHSに封入の「山根貞男のお楽しみゼミナール」によると、日本初の本格ミュージカル…

春の饗宴

山本嘉治郎監督のミュージカル映画。ほっそりしている時代の轟夕起子と、笠置シヅ子の歌の場面が多い。笠置シヅ子はジャズの歌い手。音楽は服部良一。少し前テレビで笠置シヅ子の特集をしていたとき、ピンチの時、服部良一に励まされた話が出てきたなあ。*1 …

南の島に雪が降る

濱田研吾さんの「脇役本」(ちくま文庫)で知って、観てみたかった、加東大介氏のニューギニアでの芝居体験の実録エッセイが原作の映画。渥美清氏、三木のり平氏などが出てこられるとスポットライトがあたったようにすごく面白い。さすが。 途中「浅草の灯」の…

馬喰一代

馬喰一代 FYK-172-ON [DVD]ゆ 出版社/メーカー: 角川映画 大映現代劇 オフィスワイケー 発売日: 2012/04/04 メディア: DVD クリック: 7回 この商品を含むブログを見る 日本映画傑作全集vhsで鑑賞。 三船敏郎演じる北見の馬喰片山米太郎と金貸し小坂六太郎を…

阿波の踊り子(剣雲 鳴門しぶき)

昭和16年 マキノ正博監督作品。 仇討ちを阿波おどりにまぎれて行うはなしだけど、確かにトランス状態の群衆、そして人によっては仮面など、なにが起こってもおかしくない状況が、なにか陽気さの影にあって、参考になった映画はあるらしいが*1、よい目のつけ…

かくて神風は吹く

ビデオジャケット解説によると、敗戦色濃くなった昭和19年春に公開された特撮映画とのことで、情報局国民映画で、陸軍省、海軍省、軍事保護院の後援とのこと。 タイトルからしてまごうことなき国策映画だが、扱っているのは元寇のほうで、博多湾上の海戦を、…

新佐渡情話

www.nikkatsu.com ビデオジャケットには 「寿々木米松の名調子に乗って描く最もポピュラーな浪曲映画の決定版」とある。 昭和10年の映画でとてもクラシックなんだけど、寿々木米松の浪曲が本当にかっこよくすんなりくる。(新のついてない「佐渡情話」の方…

たそがれ酒場

先日「東京映画地図」という本を購入した。 東京映画地図 (キネマ旬報ムック) 作者: 宮崎祐治 出版社/メーカー: キネマ旬報社 発売日: 2016/07/28 メディア: ムック この商品を含むブログを見る 映画をみるとロケ地はどこだといつも気になる自分にぴったりの…

鳥人

先日から大注目の丸根賛太郎監督作品。 またまた愛すべき作品であった。 大空を鳥のように飛びたいと研究に研究を重ね、狂人呼ばわりされ実在の人物、鳥人 浮田幸吉をアラカンさんが演じている。丸根監督ははじめはあいつなんだ?ってところからはじまる男の…

エンタツ・アチャコの新婚お化け屋敷

宮沢章夫さんのカルチャー論を録画していたものをみていたら、「書を捨てよ、町に出よう」から糸井重里の「本読む馬鹿が、私は好きよ」へ移行する、肉体中心から頭脳への時代の流れという中で、チャップリンなどが源流のからだの動きによる笑いとは違うタモ…

殴られたお殿様

Movie Walker丸根賛太郎監督ほんとにいい!好きだ。 食い詰めた旅役者の二人が、給料代わりに渡された金持ちの爺様風の衣装(水戸黄門風)を着用して宿屋に泊まっては夜中に逃げ出すという旅を続けていたが、ある城下で夕立金左衛門という男と出会う。ひょん…

小判鮫

映画comwikipediaの衣笠監督のところにはこの作品についてこのように載っているが、*1 1946年(昭和21年)、明治開化期の鉄道建設を巡る利権争いを、東宝オールスターで描いた喜劇映画『或る夜の殿様』が戦後第1作となり、翌1947年(昭和22年)に島村抱月と…

博多どんたく

博多八丁兵衛という九州博多の奇人を阪東妻三郎が演じている。昭和23年丸根賛太郎監督作品。 総じて笑いのテンポなどは今と少し違っていたけれど、それがのんびりした空気を出してはいる。 八丁兵衛については八丁兵衛の営んでいた西濱屋のサイトに詳しく載…

江戸の春 遠山桜

若き日の遠山の金さんを描いたもの。 以下、ビデオに同梱の山根貞男さんの文章を読んでのまとめ。 北川冬彦という詩人で映画評論家が、「キネマ旬報」でこの映画のことを「『百萬両の壺』*1その他で、この作の面白いところは用いつくされている」と断じ「(…

人生は六十一から

1941年斎藤寅次郎監督作品 ビデオ同梱の山根貞男さんの解説によると、当時の映画評はあまり評判がよくないらしい。山根さんもテンポはそんなによくないし、ギャグも弱いとしながらも、「が、妙なおかしさがある。話がどんどんズレていく迫力というか、画面展…

金語楼の大番頭

昭和14年岡田敬監督作品。 湖のそばの古風な旅館の大番頭の金語楼。金語楼のしゃべりを味わう映画。 画家の偽物が現れ・・というシークエンスがあるが、横山大観をもじった横川小観という名前。大衆文化評論家 指田文夫さんのブログにこの偽物嵯峨善平さんと…

水戸黄門漫遊記

エンタツ、アチャコが旅の宿で隣に寝てた柳家金語楼演じる講釈師を巻き込んで、一緒に行動しているうちに水戸黄門ご一行と間違えられる筋だが、柳家金語楼の巻き込まれ方、いやいややらされているのにノリはじめる感がとても愉快。同梱の解説(会社で作った…

をり鶴七変化

お家騒動に二役をからませてあって、先日観た「桃太郎侍」*1の系譜を思い浮かべたが、ビデオにはさまれた「山根貞男のお楽しみゼミナール」という冊子によると、 お家騒動、女形の役者、二役と見てゆくと、「雪之丞変化」(三五)から「小判鮫」(四八)「蛇…

故郷

これも「権左と助十」*1と同じく伊丹万作作品。夏川静江演じる喜多子は、信州の実家の大いなる犠牲のもとに東京の女子大を卒業、実家に戻るが、身についてしまった都会風が邪魔をし、実家の生活になじめない・・実家は実家で釈然としない思いになる・・この…

権左と助十

こちらも「修善寺物語」と同じ岡本綺堂原作。大岡政談を下敷きにした駕籠かき二人がタイトルになった物語。歌舞伎になったり*1、何度も映画化されている*2らしい。まずは店賃回収に苦労する大家さんの話から店子の面々の様子が知れる。ユーモラスでテンポの…

女優

松井須磨子を山田五十鈴が演じたもの。衣笠貞之助監督。ビデオに同梱された「山根貞男のお楽しみゼミナール」の文章によると、溝口監督の「女優須磨子の恋」も同じ1947年の少し前に公開されていて競作として話題になったらしい。山田五十鈴演じる松井須磨子…

秀子の応援団長

昭和15年度作品。近所のこどものお父さんが兵隊に行っているというセリフがある一方、ジャズがかかり、自由な感じで野球をしている様子に、この頃はまだこういう感じだったのか・・と思う。沢村貞子さんがざあます夫人をすっかりなりきって演じておられる…

白鷺(昭和16年)

こちらのブログに詳しく書いてあるのだけど、本来上映時間126分の作品を島津監督の弟子、豊田四郎監督が99分に縮めた再編集版を製作したようで、演出島津保次郎と並んで、再集豊田四郎との書かれている。小村雪岱の美術考証が楽しみでこの映画をみてみた。確…

ひき逃げ

高峰秀子の演技力。どこから見ても子供を喪って思い詰めている母。 有閑マダム風の司葉子との対比もおもしろい。 高峰秀子の弟役の黒沢年男氏、こういう活躍をしていたんだ。 ドロドロしたサスペンス風でどうなるんだとひきつけられる。突拍子もない連想だが…

獅子の座

昭和28年伊藤大輔監督作品。ビデオパッケージより 宝生流十五代宗家宝生弥五郎に江戸開府以来第六回目という勧進能が聴許され、その日は将軍家慶も上覧することとなった。演目の“石橋”では太夫の弥五郎が長男石之助と一緒に親子連獅子を舞わねばならず、その…

檜舞台

昭和21年作品。戦争が終わって間もない頃の劇団。その描写がリアル。 「瞼の母」を父親に置き換えたような・・と思ってみていたら、「瞼の父」と書いておられる方がいらっしゃった。(こちら) 長谷川一夫の鏡獅子が見事。日ごろ、ふや町映画タウンの大森さ…

お国と五平

yahoo 映画 昭和27年成瀬巳喜男監督作品。成瀬巳喜男監督の全作品が載っている「映畫読本 成瀬巳喜男」での扱いはあまりよくないが、わたしにはみるなり、さすが成瀬監督、端々まで神経の通ったなんと素晴らしい作品、という気持ちになった。 森雅之が、尺…

鏡山競艶録

all cinema 1938年寿々喜多呂九平監督 しょっぱな日の丸と「国民精神総動員」の文字にものすごく時代を感じる。「この世界の片隅に」*1の時代だなあ。「鏡山旧錦絵」という歌舞伎作品(通称「鏡山」)を映画化したものということ。 そして「鏡山旧錦絵」は、…