かくて神風は吹く

ビデオジャケット解説によると、敗戦色濃くなった昭和19年春に公開された特撮映画とのことで、情報局国民映画で、陸軍省海軍省、軍事保護院の後援とのこと。

タイトルからしてまごうことなき国策映画だが、扱っているのは元寇のほうで、博多湾上の海戦を、大日本映画(後の大映)が東宝特殊技術課の応援を得て、描いているそうだ。台風の迫力、先日9月の台風を体験した身にリアルに感じられた。

国策映画ということでキャストも豪華になっているらしい。バンツマ、千恵蔵、右太衛門、アラカンの四大スター勢揃いとのことだが、隣同士の武士でふとしたことから確執が起きるバンツマさんとアラカンさんの様子が核になっている。バンツマさんは破天荒に目立っているし、アラカンさんは頑固な敵役と見せかけて。。という、文楽や歌舞伎の「もどり」のような配置でそのマイナスからの跳躍がアラカンファンの私にはとてもかっこよくみえて!後年のゆっくりした姿を基準に考えたらびっくりするようなきびきびした指揮。そして流れは違うがこの感じ、「網走番外地*1のときも覚えたカタルシス