男ありて

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先日父が亡くなり、大学映画部というつながりの中でおつきあいさせていただいていた方々がお参りくださった。それまでにお会いしたのは数えるほどなのに、映画の話を直接会ってお話しできるという機会は、細かいニュアンスもお互いによくわかって本当に楽しい良い時間でそこで出て来た映画を早く観たくて仕方なくなっている。

志村喬氏が好き」という私の発言を受けてすすめて下さったのがこの映画。志村さんは、スパローズというプロ野球球団の監督で家庭なんか二の次三の次のどうしようもない野球バカ。古いタイプの体育会系。今の時代だと批判を浴びそうだし、この時代でも岡田茉莉子演じる娘や小学生の息子に距離を置かれている。でも一生懸命で、不器用で自分の中では「タクシー・ドライバー」のトラヴィスに社会性と野球の能力を持たせてちょっとマシにしたような人物にみえた。それしか考えられないのだから仕方がない・・愛情がないわけではないのだけど、それをうまく表現するのはへたくそで。。ちょっと前にETV特集で観た身代全部呑んでしまって家族に苦労をかけた志ん生さんの姿とも重なったり・・(↓大変面白い番組。)

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彼の妻を演じた夏川静江さんがとても良かった。よくよく夫のことをわかっている。

娘からみたらなんて夫、という感じかもしれないけれど、妻にしてみたら不幸な気持ちではなかったのではないかな・・娘役の岡田茉莉子さんがきりっとした娘さんだけど決してイカつくなくてとてもチャーミング。

三船敏郎氏が、副監督役。志村喬氏とのつきあいなどきいていたので、とても信頼して演じている感じが画面から伝わってきて気持ちが良い。

志村さんが野球をする姿もあり、サッカーなんかとは全然違う野球特有の世界観も楽しめた。

途中出てくる映画「花嫁の父」も暗示的であった。(テレビ放映時少しだけ観て面白いなと思っていたので、早くちゃんと観る所存。)