日常の戦ひ

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石川達三新聞小説毎日新聞←どおりで、主人公佐分利信の弟役藤田進氏が毎日新聞の人になっている。)の映画化。1944年8月3日封切。配給、女性のモンペ姿などが日常的であり、「この世界の片隅に*1のリアルタイムバージョンとも感じられる。隣組の組長選びや、寄り合いなども細かく描かれているが、今年度町内の役をしている自分には親近感。普段の自分は町内の集まりとかもうすぐだなと考えるだけで憂鬱になるタイプなのに、町内の役になってしまうと、この映画の個人主義のおっさん絵描きみたいなのを、やることやってからへらず口たたけ、みたいな視点でみてしまう。時代が悪くなってしまったらひとたまりもなく変な方向に進みそうなおそろしさ。

藤田進氏が絵にかいたようなバンカラで、いつもフケだらけ、男の子にお人形を買ってくるようなざっくりした人物なんだが、つくづくその人の欠点ともみえる部分が結局最終的に心に残るいとおしい部分でもあるんだなあというのを、実は自分の身近な人間でも感じているところ。

志村喬が謡のようなものを披露するシーンあり。志村さんは声を披露できる役者として定評あるのだろうな。

 製作は藤本真澄プロデューサー。「日本のいちばん長い日」*2や「軍閥*3などの激動の昭和史シリーズのプロデューサーとして記憶していたが、この時代から仕事されていたんだ・・