博多どんたく

博多八丁兵衛という九州博多の奇人を阪東妻三郎が演じている。昭和23年丸根賛太郎監督作品。
総じて笑いのテンポなどは今と少し違っていたけれど、それがのんびりした空気を出してはいる。
八丁兵衛については八丁兵衛の営んでいた西濱屋のサイトに詳しく載っている。(こちら
この映画の中では、ヨーロッパの専制君主ものので権力者をその目の前で風刺して権力者の広さを試す命がけの道化のような振る舞いをしていた。

福岡が武士の街、博多は町人の街で那珂川によって二分されているということは「ブラタモリ」できいたことがあり、タモリはお堅い福岡側の人間であることをどこか恥じながら語っているニュアンスがあったけれど、この映画での分断ぶりをみて、なるほど、タモリは福岡から出てきたということが芸風の持ち味でもあるなあと思った。

那珂川にかかる橋は一本、町人が福岡にこの橋を渡って入れるのは唯一どんたくの日のみだということで、この映画のクライマックスが博多どんたくに据えられる。ここは大勢の人を使ったダイナミックで迫力のある表現。
浦辺粂子さんが、武家に預けられている薄幸の娘の味方をする役回りで、役柄の演じ方はとてもいいのだけど、博多の言葉が少し違っているように感じた。