2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

女系家族

市川崑の「ぼんち」*1が好きな人は監督は違えどもきっとこの映画も好きになると思う。山崎豊子の船場もの×宮川一夫のシャープで斬新なカメラさばき、そして、大映の女優さんたちが美しくもはげしく火花を散らし、どろどろしたストーリー展開のおもしろさを備…

エディット・ピアフ 愛の讃歌、エディット・ピアフ ドキュメンタリー

wowowで映画になった「エディット・ピアフ 愛の讃歌」と2006年フランスで作られたピアフのドキュメンタリーを放映していた。映画を先にみたのだけど、映画の方はピアフのエキセントリックな一面が強調され、スターの哀しみみたいなものを感じたりしたのだけど…

豚キムチにジンクスはあるのか

絲山さんそれなりにちゃんと料理されている。小説だけ書いておけばいいのさ、という感じでなく地に足付いた生活者なんだな。でもそれが重苦しくなるほどではなくちょうどいい加減だ。ひとつのテーマについて書くために何度も同じ食材で料理され飽きるほどい…

ゴールデンスランバー

windshipさんにすすめられ、初伊坂幸太郎。でてくる事件自体の大きな枠組みもおもしろいし、タイトルの「ゴールデンスランバー」というビートルズの楽曲にからませたエピソードもべたべたしていないのに、目頭が熱くなる。最後ひいてあった伏線がどんどんお…

マルチェロ・マストロヤンニ 甘い追憶

オンタイムで自分がマストロヤンニを知った80年代以降の話は少なかった。興味をもったのはフェレーリ監督の「白人女に手を出すな!」。(こちら参照。)バッファロー・ビルっていう素材も、アルトマンの「ビッグ・アメリカン」ですごく興味の対象になった…

さよならみどりちゃん

ダメダメな男女のくされ縁もの、みたいにきいていたのだけど、冷めた目で「だめだなぁ。。」なんて決して思えなかった。基本断れない人、みたいな感じでいく主人公の気持ちがよくわかる。表面上はいろいろあるけれど、主人公の心の中は明瞭で映画全体は淡々…

ファイブ・イージー・ピーセス

主人公のボビーは「何に対しても積極性がなく、いい加減な毎日を送っている。」なんて解説に書いてあるのだけど、私が男だったらこんな感じの亜流になりかねない。いつまでもここではないところを求めて、今自分がある現状にはどっかえらそうで。。どこにもち…

昼顔

勝手にモノクロのシリアスな映画か?と思い込んでいたのだけど、メロドラマっぽいところは全然なく乾いていてにやり、みたいな触感。60年代のパリの風景、モードとかもきれい。楽しめた。sumiちゃんがボードで ブニュエルの「昼顔」、いいでしょう? この…

女と男の危機

コリーヌ・セロー監督の映画をいくつかみてきたが、根は悪くないが気のつかないエリート男性が出てきて、自分の至らなさに気付かされるというパターンが多い。最近つくられた「サン・ジャックへの道」や「女はみんな生きている」*1では、その表現がすごく上…

修羅

解説によると、ウラ忠臣蔵ともいうべき鶴屋南北の狂言とそれを改作した青年座の台本をもとに松本俊夫が脚本を書いたらしいが、ちょんまげは結っているが気持の上では現代劇的な近しさがあり、すごく入り込める。時代劇ゆえにスタイリッシュでモダンな感じが…

8 1/2

周りの人がすごくすすめてくれるこの映画、以前友人sumiちゃんが「主人公の頭の中がぐるぐる回っている、それを描いたもの」と教えてくれていたので、それなりについていけた。すごくかっこいい構図がいっぱいあったし、決して古びていない。今そのまま引用…

キャリアこぎつねきんのもり

キャリアウーマンが、子育てを余儀なくされる話なのだけど、作者の石井まゆみさんは、親戚のこどもさんをみながらこどもの姿を描かれたようなことが書かれていたので、子供がいるわけではない感じがするのに、子供のことをよく観察しておられなかなかリアル…

アメリカの夜

映画ってこういう風にできあがっていくのか!という感じ。とにかく現場は予定外の出来事続きでそれを臨機応変にさばいていくスタッフやキャストの頼もしいこと。映画を先にすすませるためにいろんなことをやってのける。知らない者同士が集まってひとつのも…

ヘアスプレー

ジョン・ウォーターズ版も好きだったけれど、これはお客さんを選ぶお店で上演していたものをきちんとペイする間口の広い作品にした感がある。いびつさとかがなくなっていて、多くの人が抵抗なく楽しめる作品になっていると思う。それぞれの唄い踊るシーンが…

彼女と彼たち〜なぜ、いけないの〜

「女はみんな生きている」*1や「サン・ジャックの道」*2での女性やマイノリティに注ぐ視線、そして楽しい表現方法にすっかり心奪われコリーヌ・セローのファンになった私。この映画は彼女の長編第一作めということで、少し生硬なものも感じたり、77年とい…

久里洋二作品集

カートゥーンネットワークで9月に放映したもの。子供のころに嗅いだとんがったにおい。乾いたエロ。フォークソングが似あうのにブラックな笑い。以下カートゥーンネットワークHPより 。1960年に制作され、当時の切手をコラージュした作品として知られる『切…

Beautiful Sunday

これもまた*1中島哲也監督作品公開にあわせてテレビで放映されていたものをみたのだけど、花開く少し前感というか、いろんな人の日曜日についての描写は十分あるが、それがどっかに落とし込まれるカタルシス感がちょっと少ないという感じ。日曜日は特別の日…

細雪

「細雪」は、市川崑版と山本富士子が雪子をした版*1とみてきたのだけど、この、はじめて映画化された分なかなか好きだった。大好きな四女妙子を高峰秀子が演じており、彼女にかなりポイントが置かれて描かれていたし、いつまでも見合いが決着しない雪子の中…

trico+のコーヒー祭

trico+でコーヒー祭というものが開催され、猪田彰郎さんが珈琲をいれにこられていたと掲示板でかいたところwindshipさんのコメント trico+は昨日うかがったのですが、ぽんさんいらっしゃるかな?と思いながらの珈琲&洋梨のタルトでした。いつも、さっさと失…

シムソンズ

「キサラギ」*1の佐藤祐市監督ということでみてみた。カーリング女子チームの誕生と成長をコミカルなタッチで・・とか書いたらもうそれで中身が想像できそうでもあるんだけど、女子高生たちのミーハーっぽいけれどまっすぐな感じがすごくよくでていて、女子高…

ロミュアルドとジュリエット

「女はみんな生きている」*1で好きになったコリーヌ・セロー監督作品。 5人の子持ちの黒人の掃除婦のジュリエットと青年実業家ロミュアルドの出会いの話なんだけど、時々デリカシーのない映画で見受けられるお金持ちと出会ってチャンス!みたいな話では決し…

プラネット・テラー in グラインドハウス

ロドリゲス監督らしいグロい場面もたくさんあり、爽快さではタランティーノ監督作品のグラインドハウスの方に軍配があがるけれど、劇画みたいな絵のかっこよさ、ダレない展開などはとても楽しめる。プラネット・テラー プレミアム・エディション [DVD]出版社…

デス・プルーフ in グラインドハウス

70年代のB級映画風につくったというこの作品、あの時代が好きというのも手伝って、期待以上におもしろく、すごく楽しめた。女の子たちのありさま(シドニー・ポワチエの娘めちゃくちゃ魅力的!)、あとさきみない過剰な感じ、乱暴にカットしたかのような編…

阪堺電車

メリーゴーランド京都店で行われる小さな古本市の話題から。。そこにも出店されるとらんぷ堂さんの話題になり。。 windshipさんが掲示板で とらんぷ堂、目録のジャンルごとに並べられた本の装丁を見ていくだけで楽しいし、お店の本好きさが伝わってくるペー…

アーツ&クラフツ展

近代美術館のアーツ&クラフツ展へ。なかなか楽しめるものだった。ウィリアム・モリス関連のものはミュージアムショップでも大変人気があったけれど、わたしはもうちょっと線が太い感じのものが好きで、民芸運動がヨーロッパにうつってからの作品がいいなと…

誘拐犯

「ユージョアル・サスペクツ*1」の脚本家が監督したそうで、富めるものとその日暮らしのもの、あぶらののりきった年代と老練兵、それぞれの立場の登場人物が内包する誤算をきっちり描き巧みに展開させていく手腕がさすがの感じ。原題は「The Way of the Gun」と…

陸軍中野学校

堅いタイトルから想像がつかないような観ることを楽しめるスパイものだった。大真面目なのに極端だったり素っ頓狂だったりするシーンがでてきて、増村保造ってこういうところあるんだよな、とニタニタもするんだけど、それが全体をそこなうほどにはなってい…

ジーザス・クライスト・スーパースター

70年代のロックオペラらしい音づかいや衣装・・とてもいい!この映画ではユダにかなり焦点が置かれていると思うのだけど、頭で考えてしまう現代人代表みたいな感じかな・・(つまりユダの理屈がすごくわかるということ。)ジーザス・クライスト・スーパース…

あやつられ文楽鑑賞

文楽観劇のド素人であったしをんさんが、いかにして文楽にはまっていったかの記録、と最初に書かれているものの、よく古典芸能の場面で、立派な芸が披露されているにもかかわらず体力気力がついていかなくなってしまう自分は途中で挫折しやしないか心配しな…