解説によると、ウラ忠臣蔵ともいうべき鶴屋南北の狂言とそれを改作した青年座の台本をもとに松本俊夫が脚本を書いたらしいが、ちょんまげは結っているが気持の上では現代劇的な近しさがあり、すごく入り込める。時代劇ゆえにスタイリッシュでモダンな感じがとてもする。ピンとはりつめた空気、古典っぽい気品はあるが、決して難解ではないせりふ回し・・すごい舞台をナマでみた後のような興奮がみたあといつまでも続く。
2022/4/9追記
主人公中村嘉葎雄さんののんきで陽気な東映時代劇をいくつか*1観てからこの映画を観直すと、その対比も面白い。
こんな表情をみていると、中村獅童氏、錦之助に似ているという声をきいたことがあるが、もうひとりの叔父嘉葎雄氏ともとても似ていると思う。
唐十郎が髷物姿で。唐十郎、こけおどし的なイメージを持っていたがなかなかストーリーに忠実なお芝居。画面もスタイリッシュ。
「忠臣蔵」ものも初回に観た時よりはいくつか観て、仇討めでたしめでたしではなくて、「忠臣」として生きなければいけない苦悩や皮肉という面も感じるようになってきたもので、さらに深く味わえた。