女と男の危機

コリーヌ・セロー監督の映画をいくつかみてきたが、根は悪くないが気のつかないエリート男性が出てきて、自分の至らなさに気付かされるというパターンが多い。最近つくられた「サン・ジャックへの道」や「女はみんな生きている」*1では、その表現がすごく上手になって、みている人を納得させるに至っているし、おもしろみが増していると思うのだけど、この映画ではいいたいことを相手にうまく説明するまでの円熟が多少足りなく、いろいろな家庭の姿を急いで描きすぎて、オーバーフローしているようなところがある感じ。でも、人間の世のちまちまさ加減と山などの自然との対比などは「サン・ジャックへの道」に通じる神々しさがあったし、なにより主人公の男性を演じたヴァンサン・ランドンにかわいらしい魅力があって牽引力になっている。

女と男の危機 [VHS]

女と男の危機 [VHS]

  • 発売日: 1994/07/21
  • メディア: VHS