「喜びも悲しみも幾歳月」「名もなく貧しく美しく」

高峰秀子✕苦労する夫婦もの、ということでタイトルの二つの映画を混同していた自分。はっきりさせるために両方を鑑賞。

 

まず「喜びも悲しみも幾歳月」

テーマソングが有名な作品

佐田啓二演じる灯台守のところに見合い結婚で高峰秀子が嫁いでくるところから始まり、二人が全国各地の灯台に転勤になって赴任するのに沿って家族にも日本のあり方にも変化が生まれるさまを描いている。

良いと思ったのは

各地の風景 特に北海道の雪景色と瀬戸内海の男木島

戦時下の灯台を迷彩で覆った姿

田村高廣の愛嬌

嫁いできた日から子どもの結婚の日までの長い年月をナチュラルに演じた高峰秀子

 

最後のまとめ方は良かったと思うが、後半駆け足になっているところがあり、映画のテンションに自分が追いつかない。あれ以上長くなっても良くないが。息子に関するところはもう少し丁寧に描いたほうがいいのではないかな。

 

次に「名もなく貧しく美しく

聾唖の夫婦の物語。私は断然こっちの方が楽しめた。まじめ一辺倒でなくユーモラスなシーンや辛辣で面白いセリフなども飛び交い観ていてしんどくない。

主演の高峰秀子小林桂樹はもちろん母親役の原泉、珍しく世の中でうまくやってる組になってる藤原釜足、仕立ての仕事を回す、普段よりはアク少なめの多々良純など名優の名演技揃い。

夫婦の子ども役の鋭敏さ利発さがまたいい。

続編「父と子」も俄然みたくなったが、続編の方は「衝撃的」と書いてあるブログをちら見し、ちょいと緊張。この正篇も十分衝撃的なところはあったけれど。