歌舞伎

国宝 下巻 花道編

国宝 (下) 花道篇 (朝日文庫) 作者:吉田 修一 朝日新聞出版 Amazon 有吉佐和子や宮尾登美子、山崎豊子みたいなモデルありの昭和の作品を読んでいるような面白さ。残酷さのエッセンスがちりばめられ、先に先にと夢中で話を読み進めたくなる。 主人公の十代か…

国宝 上巻

国宝上青春篇 (朝日文庫) 作者:吉田 修一 朝日新聞出版 Amazon 歌舞伎界を舞台に描く「ガラスの仮面」*1的新聞小説。面白い。時は昭和の半ば、もはや戦後ではない日本。長崎の侠客の息子が関西歌舞伎の大名跡の部屋子となり一つの到達点に恵まれるもののみま…

自由学校

eiga.com 2003年にみていた*1のだけど、歌舞伎観劇のシーンで6世中村歌右衛門が出ているときき、みてみた。歌右衛門さん、自分が歌舞伎をみるようになったときはもう逝去されていて、基本的には中野翠さんのコラムや、歌舞伎の本*2で、その凄さを想像す…

藤十郎の恋

movies.yahoo.co.jp 先日、文楽初春公演*1のイヤホンガイドで「傾城反魂香」は話術が得意な初代坂田藤十郎にしゃべることが不得手な役をさせる妙味という話がでてきて、坂田藤十郎のお話をみてみようという気になった。 江戸からの芝居に押され気味になって…

八月南座超歌舞伎

chokabuki.jp 93歳の伝統芸能好きの父が生協でこの超歌舞伎のチケットを売っているのをみて誘ってきた。初音ミクが何であるかも知らずに。中村獅童と初音ミクのコラボ歌舞伎。うっすらと知っているのかと思いきや、初音ミクが登場するなり、「映像か・・」と…

花芯の刺青 熟れた壷

熟れた壺 花芯の刺青[ビデオ] 作者: 谷ナオミ 出版社/メーカー: 日活 発売日: 1995/09/01 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る twitterでこの作品の紹介が引用されていて「歌舞伎」や「江戸千代紙人形」の言葉が気になり借りてみる。…

切られの与三

WOWOWオンライン コクーン歌舞伎をwowowで放映していたもの。 今回は七之助が女形でなく与三郎。ほんとに美しい姿と良い声。今回は兄、勘九郎が大河ドラマの準備で出られないということで大層がんばっている。でも、わたしは七之助の女形が大好きで、やはり…

大江戸五人男

昭和26年伊藤大輔監督。「松竹三十周年記念映画とのことで、阪東妻三郎、市川右太衛門、高峰三枝子、山田五十鈴をはじめとして、映画、演劇、歌劇各界のスターを総動員」とビデオジャケットにあるが、豪華な面々。話も、「播州皿屋敷」と「幡随院長兵衛」…

お役者文七捕物暦 蜘蛛の巣屋敷

横溝正史原作 昭和34年 沢島忠監督 東映京都作品 錦之助が中村時蔵(三代目)演じる播磨屋歌六という名大役者の息子で、出奔してしまった文七という役。 その兄しうかを演じた中村芝雀さんという方がとても美しく・・調べたら、四代目の中村時蔵。次男が二代…

怪異談 生きてゐる小平次

こんなに歌舞伎風にまとめてある映画とは知らなかった。 コトバンクによると、もともと十三世守田勘彌や六世尾上菊五郎によって演じられた演目だそうけど、芝居の役者(緞帳芝居←本格的なものではないの意味らしい)小幡小平次と囃子方の太九郎の二人の男に…

明治一代女

タイトルはきいたことがあったが、こういう話だったんだ・・ 川口松太郎原作 1955年伊藤大輔監督作品 映画comの解説を一部使わせてもらうと 木暮実千代演じる柳橋芸者の叶屋お梅は三代目仙之助の名を継いで一本立ちになろうとして上京して来た若手歌舞伎役者…

残菊物語(1939)

大庭監督の「残菊物語」*1をみて、もともとの溝口監督のバージョンを再見したくなった。 大庭監督の、昭和38年に作られたバージョンはとてもわかりやすく、大庭監督のをみてすぐに溝口監督のを再見すると私には以前みたときより理解が進んだ感じがする。溝…

残菊物語(1963)

「残菊物語」というと溝口健二版の評価が高いけれど、実は溝口版をみた時、まだ歌舞伎とか自分がみていない時分で味わい方も中途半端だったように思う。今回多少は歌舞伎をみるようになった目でみるととてもおもしろかった。 猿之助(現猿翁)が、尾上菊之助…

絵島生島

六代将軍家宣の末期から八代将軍吉宗に至る時代を背景に、当時起きた江島生島事件を描いたもの。劇中劇として「助六」「廓文章」「鞘当」が出てくるのも豪華で楽しめるし、二代目尾上松緑が演じる二代目市川團十郎が活きが良くてよい感じ。七代将軍の生母月…

妖刀物語 花の吉原百人斬り

文楽の好きな友人から文楽と日本映画がお好きな方のブログを教えて頂き、拝見していたらこの映画をほめてらっしゃって。。ふや町で借りてきた。古典歌舞伎の名作「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえひさめ)」の話をもとに依田義賢脚本、内田吐夢監督で作…

中村勘九郎 中村七之助 錦秋特別公演 2016

ロームシアター京都にて。まず歌舞伎塾、立役、女方のできるまで。楽屋にしつらえた中で着替え、顔をつくるところを実演してくれる。そして、用意のできたところで正札附根元草摺。(曾我五郎と舞鶴という女方のやりとり。)姿も晴れやかでとてもきれい。中…

平成二十八年度 松竹大歌舞伎 獨道中五十三驛

地元京都造形大学春秋座にて 筋書きの市川猿翁さんの巻頭挨拶にもあるように究極の娯楽作品。途中の口上や、弥次喜多の配置の仕方など観客が迷子にならない工夫が一杯あった。 「東海道中膝栗毛」に着想を得た鶴屋南北が仇討を主軸に「岡崎の猫」や「お半長…

通し狂言 寿三升景清

南座にて。もうなんていうかレビューの世界というか、終始その造形をわくわくして楽しめた。海老蔵さんがイアホンガイドのインタビューで、歌舞伎というのははじめははじめで見た目の美しさで入っていけるし、年数を経ればまたさらに深い楽しみができる、な…

コクーン歌舞伎 天日坊

wowow舞台中継にて。(詳細こちら) 歌舞伎界の人と小劇場系の人がまざって演じているのだけど、歌舞伎の人のケレン味あふれるお芝居がやっぱりぐっとくる。歌舞伎特有のためてにらみをきかすのやら(中村獅童)流し目(中村七之助)やら・・声のはりやら・…