お役者文七捕物暦 蜘蛛の巣屋敷

横溝正史原作 昭和34年 沢島忠監督 東映京都作品 
錦之助中村時蔵(三代目)演じる播磨屋歌六という名大役者の息子で、出奔してしまった文七という役。
その兄しうかを演じた中村芝雀さんという方がとても美しく・・調べたら、四代目の中村時蔵。次男が二代目中村錦之助ということで、最近「ワンピース」や「NARUTO」の歌舞伎の話題でみかける中村隼人氏のおじいさんということのようだ。そしてご長男は当代(七代目)の仇っぽい中村時蔵氏!四代目とても早逝されたよう。(62年に34歳で亡くなられたらしい。)
三代目時蔵の演じる「女暫」の舞台、かなり長尺でたのしめるようになっている。女暫の出てくる姿、鉢巻も蝶の触覚めいていると思ったら「あげは蝶」との言葉も出てくる。時蔵さんたちの播磨屋定紋があげは蝶ということにかけた楽しい演出なんだろうな。
大岡越前ともからめてあり、千恵蔵が大岡役。
横溝正史作品、映像化されたものでしか接したことがないけれど、犯罪を派手にショー化する要素が強いと感じる。これもそこまでしたら足がつく(それが主人公たちの作戦)におめおめ乗る犯罪集団。このつくりは歌舞伎的世界と相性はよいように思われる。

お役者文七捕物暦 蜘蛛の巣屋敷 [VHS]

お役者文七捕物暦 蜘蛛の巣屋敷 [VHS]