天狗党


国の重要文化財にもなった敦賀の旧大和田銀行*1の建物を使った敦賀市立博物館に行った時、攘夷の旗印のもと京に上洛しようとして果たせず、敦賀で捕らえられ処刑された水戸の天狗党の展示をみた。敦賀まで行軍したこともその展示をみるまで知らなかったのだけど、その展示で天狗党を身近なものに感じ、ちょうどふや町映画タウンに山本薩夫監督によるこの映画があったのでみてみた。

仲代達矢演じる仙太郎という百姓が、役人と結託したやくざものにいたぶられ、通りがかった水戸天狗党加藤剛と3代目中村翫右衛門演じる甚伍左親分に助けられるという出来事からスタートし、加藤剛が挙兵した際にいろんな縁がまわりまわって、剣の腕を磨いた仲代氏も協力する・・ところが、理想論者の加藤剛の思うようには事は運ばず・・というような話。
いよいよ捕縛されるとき、組織のため冷徹な決断をしてしまう神山繁氏演じる水木庄左衛門。みていて辛いシーンなのだが、組織という体のものには事の大小はあるにせよどこにでも起こり得る事柄としてうつった。

ビデオジャケットが渋かったもので白黒の、しかもかたい映画かと思いきや、とても見やすいつくりのカラー作品。ジャケットには「階級闘争のきびしさを描いた娯楽作」と書かれている。仲代氏演じる仙太郎の気持ちに添ってみることができ、ラストのもっていきようもよかった。

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*1:大和田伸也、獏氏のご先祖、大和田荘七氏の創立した銀行