裁判長のお弁当

日本映画専門チャンネルで放映された東海テレビのドキュメンタリー傑作選にて。2007年の作品。

平成ジレンマというタイトルの東海テレビのドキュメンタリーについてアナウンスしているブログから

ナレーション:宮本信子 プロデューサー:阿武野勝彦 ディレクター:齊藤潤一

ギャラクシー賞 大賞、日本放送文化大賞 入選

弁当が二つ。ある裁判長の注目すべき日常。愛妻弁当を毎日昼と夜、執務室で二回食べる生活サイクル。日曜も祝日も夜十時まで仕事を続けている。名古屋地裁の天野裁判長は、毎年400件の新規事件と100件の裁判を同時進行しなくてはならないのだ。日本で初めて、現役の裁判長に長期密着し、裁判所の内部そして裁判官の肉声を世に出したドキュメンタリーである。

裁判官の考え方が一般市民の考えとかけ離れているといわれることがあるが、つきあっている相手が被告になる可能性も考えてつきあいの幅は広げないようにしているという。
よく学生時代のつきあいが一番といわれるが、確かに一旦社会に出てしまったらその社会のルールが第一義になってしまうよな。
また人数が増やされず扱っている件数が大変多く、以前は裁判官は現場を自分の眼で見に行ったりもしていたが、現在では検察官の書いたものをベースに、それを法に照らしてどうかという判断になるとのこと。(裁判官によって新事実が発見されるような時代劇的な展開は期待薄との話)
時の政権の意に添わない判決を出した裁判官が通常の出世ルートからすっかり外れてしまっている話も紹介されていた。やはりそうなのだ・・その方は辞職勧告にもかかわらず、淡々と自分の道を歩んでおられたが、その中で気持ちを保つことの大変さ、いかばかりであろうか。。身近に感じ、考えさせられる話であった。