三宅唱監督 2025年
面白かった。二つのつげ義春の作品をもとに作ってある。ちゃんとつげ義春の世界を消化して自分の映画にしてある感じでとても好もしい。
前半の海の物語は韓国人の女性脚本家(名前が「李」とこれまたつげ義春の登場人物のよう)によって翻案されたつげ義春の映画化作品、それが大学のような場所で上映され、質疑応答みたいなのが行われるところから、李の実生活が前に出てきて、その後は彼女が旅に出る後半になる。
後半の東北の宿の話が断然面白いが、人との邂逅、そしてそのことによって遠いところに行ってしまうのでは?というハラハラ感が前半からの影響で後半に及ぼされており、重層的。
およそ即物的だが、なにかわけのありそうな宿の主人(堤真一 うまい)とのニヤニヤしてしまうような作品論のシーンで出てきた「ユーモアのあるなかでの哀しみ」(意訳)が漂う良い作品だった。そして、脚本家が考えていた通りのいいシーンの映画として最後はできあがっている面白いつくりの作品だ。
つげ義春原作の映画「ゲンセンカン主人」*1に出ていた佐野史郎の出演も嬉しい。「李さん一家」もオムニバスの一話になっていたな。





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