ドキュメンタリー

ジャン・ポール・ゴルチエのファッション狂騒曲

gaultier-movie.jp ゴルチエの人生がテーマの舞台レビューの製作過程を追いながらゴルチエを構成するアイテムを覗いていく趣向の作品 奇抜でケレン味あふれ、異形に惹かれる彼そのものを表すコスチューム。孤独な少年時代から女優へのあこがれ、同性パートナ…

祭りばやしが聞こえる

youtu.be 力の抜けすぎた寅次郎のシリーズをみてしまった直後九州のテキ屋さんたちに密着したこの番組を観て、なんたる差となってしまった。終始退屈させないし、その上詩情。木村栄文さんの名前は聞いたことがあったが、はじめての体験。 もちろん口調は渥…

かづゑ的

www.beingkazue.com 長島のハンセン病療養所で老境を迎えるかづゑさん夫妻 読書と書くことに支えられた知的でユーモアのあるかづゑさんの言葉で映画が支えられ、全く構えずに鑑賞できる。 なくなってしまった指先をことごとしく取り上げるのでなく、そこまで…

スープとイデオロギー

soupandideology.jp ヤン・ヨンヒ監督 2021年の作品 「ディア・ピョンヤン」*1「愛しきソナ」*2では北朝鮮に渡った兄の家族とそれを日本から支えるヤン監督のご両親のことが中心だったが、一作目「ディア・ピョンヤン」が問題になりヤン監督自身北朝鮮渡…

愛しきソナ

starsands.com 先日観た「ディア・ピョンヤン」*1(2005)から6年後、2011年のヤン・ヨンヒ監督作品 「ディア・ピョンヤン」、北朝鮮の暮らしが映し出され、北朝鮮の体制についていけない気持ちはにじんでいたものの、とりたて扇動的とはみえなかったのだが…

ディア・ピョンヤン

Dear Pyongyang - ディア・ピョンヤン [DVD] ドキュメンタリー映画 Amazon 大阪で生まれ育った在日コリアン2世のヤン・ヨンヒ監督。父は朝鮮総連の幹部、三人の兄は北朝鮮帰国政策で北朝鮮へ。 そんな監督の家族を軸にしたドキュメンタリー。 日本から生活の…

台湾、街かどの人形劇

台湾、街かどの人形劇(字幕版) チェン・シーホァン Amazon 侯孝賢監督作の常連俳優で、布袋戲という人形劇の大家李天祿(リー・ティエンルー)を父に持つチェン・シーホァンを描いたドキュメンタリー。 チェン・シーホァン自身も台湾の人間国宝であるし、素…

黄色いリボン、ハマのドン

「黄色いリボン」を朝家で観たあと、十三 シアターセブンで「ハマのドン」を。 「黄色いリボン」は 黄色いリボン(字幕版) ジョン・ウェイン Amazon 退役まで数日の騎兵隊大尉をジョン・ウェインが演じたジョン・フォードの西部劇。ふや町映画タウンのおす…

セルロイド・クローゼット

セルロイド・クローゼット [DVD] ウーピー・ゴールドバーグ Amazon 先日ウィリアム・ワイラー監督の「この三人」*1とリメイク「噂の二人」を観比べて、原作にある同性愛の要素が前者では形を変えざるを得なくなっていたのを確認。ちゃんと描きたくてもう一度…

パリ、夜は眠らない。

パリの密着24時間ものみたいなものを想像していたら、NYハーレムの黒人やラテン系のゲイたちによる「ボール」というファンションショー的コンテストのドキュメンタリー。 ↓の解説に書いてあるが、「パリ」というのは彼らのコミュニティのことらしい。 www.…

ヒューストン・アンソロジー

1988年 娘アンジェリカを使った「女と男の名誉」を観、このドキュメンタリーを。 証言者も豪華(画像2枚目)見所沢山。多種多様な作品(日本でも!)を撮っておられ、「天地創造」等の出演シーンもああそうかと。 アンジェリカなどファミリーの話も良い。 幼…

アイランズ/島々

1993年 北方領土の日露共同ドキュメンタリー。文部省選定。 日本側はドキュメンタリー映画でよく名前をおみかけする大津幸四郎さんの撮影。 ロシア側はセミョーン・アラノヴィッチ監督の詩情素晴らしかった。 ふや町映画タウンにセミョーン・アラノヴィッチ…

みいけ 炭鉱の声が聞こえる

熊谷博子監督 大津幸四郎撮影 www.hirokokumagai.com 大牟田市が負の遺産と思われるような証言もちゃんとしたスタッフによってきちっと記録する事業を行ったということに感銘 大牟田市石炭産業科学館のHPをみると、今現在あちらで公開しているのはジャンル別…

書かれた顔

eiga.com この作品を前回観たのは2004年頃。舞踊家 大野一雄さんの姿を観るため。そして、大野さんの朽ちかけた薔薇のような美しさを味わったのだった。 今回は坂東彌十郎さん経由の鑑賞。現在大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で北条時政役で注目を集めてい…

なぜ君は総理大臣になれないのか

なぜ君は総理大臣になれないのか 発売日: 2020/12/16 メディア: Prime Video www.nazekimi.com 大島渚監督の息子大島新監督が、前原誠司議員の最側近であった小川淳也議員を撮ったドキュメンタリー。 小川議員が監督の奥さんの同級生ということからたまたま…

テレビの嘘を見破る

テレビの嘘を見破る (新潮新書) 作者:今野 勉 発売日: 2004/10/01 メディア: 新書 テレビのドキュメンタリー番組の作り方、状況をわかってもらうために再現的に撮ることのどこまでが許容範囲かということをドキュメンタリー番組を巡って起きた事件を追いなが…

新聞記者、i-新聞記者ドキュメント

新聞記者 発売日: 2019/10/23 メディア: Prime Video i-新聞記者ドキュメント- 発売日: 2020/06/19 メディア: Prime Video 両方観た方からは「i−新聞記者ドキュメント」の方を推す声をきいていたが、自分も二本続けて観てみて、「i -〜」の方をすすめるな。…

顔たち、ところどころ

顔たち、ところどころ(字幕版) 発売日: 2019/07/05 メディア: Prime Video 大好きなアニエス・ヴァルダが、ずいぶん年の離れた若い写真家JRと旅をし、行先で出会った人たちの顔写真をとり、話をきき、大きく焼いた写真を張り出すことでその人たちの人生と邂…

ドキュメンタリー映像集成 文化・記録映画でよむ現代日本 第1期 7 子どもたちと民主主義-シリーズ2

webcatplus.nii.ac.jp 先日ETV特集*1で羽仁進の「教室の子どもたち」の、脚本なしで子どもにカメラに慣れてもらう手法でのドキュメンタリー撮影についてとりあげられていて、興味深くみていたのだけど、今回その現物をみることができた。 それとは対照的に脚…

ドキュメント日本幻夜祭・1971 三里塚、ベンポスタ子ども共和国

行きつけのビデオ店、ふや町映画タウンの在庫リストから気になって見てみた。いずれも青池憲司監督。 「ドキュメント日本幻野祭」 日本幻野祭三里塚1971 [VHS] アーティスト:オムニバス 発売日: 1999/09/20 メディア: VHS ビデオについていた解説によると 19…

さよならテレビ

sayonara-tv.jp 京都シネマにて監督とプロデューサーの舞台挨拶付上映。 退屈しないつくり。一番気になったのは失敗ばかりを映される契約社員の新人記者渡邊氏。すごい切り取り。多分渡邊氏だって人当たりのあたたかさで取材対象の心を開かせたりということ…

津軽のカマリ

tsugaru-kamari.com 高橋竹山氏、「竹山ひとり旅」*1で知り、また青森の酸ヶ湯温泉などでも紹介をみたりしていたが、女性の二代目に代替わりされていたことはこの映画で知った。 この映画は、初代の元気なころの映像とお弟子さんの回想、二代目竹山へ竹山の…

ジャン・コクトー、知られざる男の自画像 サント・ソスピール荘

ジャン・コクトー、知られざる男の自画像 [DVD] 出版社/メーカー: ブロードウェイ 発売日: 2003/03/22 メディア: DVD この商品を含むブログを見る 「知られざる男の自画像」の方は、コクトーのインタビューや「オルフェの遺言」などの映画などをとりまぜたコ…

私の記録映画人生

私の記録映画人生 (岩波現代文庫) 作者: 羽田澄子 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2014/03/15 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 羽田澄子さんの自伝。自由学園を出られた後、岩波に入られ、羽仁進氏の助手になり岩波写真文庫からスタートされ…

ライムライト、アンノウン・チャップリン

DVD>ライムライト () 出版社/メーカー: サイドエーネットワーク 発売日: 2006/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る みたのは、VHS版。(朝日ビデオ文庫) こちらのパッケージの方がずっといい。淀川長治さんの解説冊子つき。装丁和田誠) 小学生…

バスター・キートン

「ローマで起こった奇妙な出来事」*1に出てきた晩年のバスター・キートンをみて、キートンに興味を持ち、キートンの「探偵学入門」、「将軍」、3巻からなるドキュメンタリーを観る。 キートンの探偵学入門 [VHS] 出版社/メーカー: ビデオメーカー 発売日: 1…

港町

minatomachi-film.com想田監督の映画、「選挙」*1で出会い、「演劇1、2」*2を経て、「選挙2」*3、「牡蠣工場」*4と追いかけてきた。牛窓の港町で普通に暮らしている人々を撮ったこの作品は「選挙」のシリーズや「演劇」のシリーズのようなインパクトはな…

お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました

michiro-oiaw.jp 映画館でこの恐ろし気な、母親という立場の人間からしたら揺さぶられるようなポスターを目にして一旦全体・・などと思っていたのだけど、その後、これは私の好きな人たちもリスペクトしている遠藤ミチロウさんという人の映画で、彼はザ・ス…

書くことの重さ~作家 佐藤泰志

www.u-picc.com このドキュメンタリー、一度日本映画専門チャンネルで途中からみてひきこまれるものがあり、再放送で最初からみた。確かに昨今佐藤さん原作の作品がたくさん映画化されていてしかも評判がいい。不勉強ゆえ私は佐藤さんの本を読んだことがなか…

ヴィジョンズ・オブ・ライト

eiga.com 無声映画時代から80年代半ばくらいまでの撮影監督の仕事の歴史を作品と撮影監督へのインタビューをまじえてまとめたもの。 「狼たちの午後」「アニー・ホール」「グッドフェローズ」「暗殺の森」など好きな作品はちょっと引用されているだけでも…