ライムライト、アンノウン・チャップリン

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 みたのは、VHS版。(朝日ビデオ文庫)

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こちらのパッケージの方がずっといい。淀川長治さんの解説冊子つき。装丁和田誠

小学生のとき、「街の灯」、「キッド」、「黄金狂時代」などを喜んでみていたのだけど、「ライムライト」の、いつもと違ったチャップリンの姿についていけないものを感じ、そこでチャップリンは卒業、それ以来遠ざかってしまっていた。今回見て、やはり「ライムライト」のもの哀しさは小学生の私には無理だったなと再認識。淀川さんの解説によると、「ライムライト」を撮った時、チャップリンはハリウッドを追われかけており、チャップリンの心の中の煩悶(「私がどのように楽しい映画を作りづけたかも、もう忘れたのか」という思い)そのままが脚本になり、映画になっているということだ。

今回みてみたのは、先日からバスター・キートンに目覚めたからなのだけど、キートンの出番は少ないけれどとてもかっこいい。相変わらずの乾きっぷりがなかなか良かった。そして、益田喜頓さんはこの雰囲気受け継いでいる!と体感した。(この映画のキートン坊屋三郎さんにも似ているが・・) 「ライムライト」は、チャップリン演じる往年のスター、ネビルが名前を隠して演じた時と名前をだして演じた時の観客の反応の差がくっきりとわかったりするところが描かれており、「芸」に本当に受けているのでなく名前だけに受けているんだ、「芸」の力ではもうだめなんだよ、とも読み取れるけれど、別の方向でいえば、自分の好きなスターが、監督が、舞台にたつ、新しい作品を発表する、それだけでもうれしいものだよ、というものの見方もできる。「ライムライト」の中のネビルの姿は、哀しいだけではないように思う。

 

 「ライムライト」と同時にこちらのドキュメンタリーも。

チャップリン・その素顔と未公開映像 [DVD]

チャップリン・その素顔と未公開映像 [DVD]

 

 

(↑みたのはVHSで出ている3巻セット)

「ライムライト」ではあの有名な主題歌がすばらしいと思ったのだけど、チャップリンの作曲。やはり彼が作曲した「街の灯」の音楽も素晴らしかった。

おかしかったのは、「街の灯」のあの可憐な少女と途中トラブルがあり、彼女が一度は降ろされ再契約で撮りなおしたということ。チャップリンの完璧主義の気持ちを無視するような大雑把なところがあったらしく。。でもそんな彼女ゆえの・・って思えるような魅力のある作品だ。