パリ、夜は眠らない。

パリの密着24時間ものみたいなものを想像していたら、NYハーレムの黒人やラテン系のゲイたちによる「ボール」というファンションショー的コンテストのドキュメンタリー。

↓の解説に書いてあるが、「パリ」というのは彼らのコミュニティのことらしい。

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上の解説に頼ってしまうが、「ボール」は様々なカテゴリーがわけられており、たとえば女学生だとか、エグゼクティブだとかお題に即して演じられる。そのパフォーマンスの巧みさに本当に惹きつけられる。

性的マイノリティということから生まれ落ちた家族とは縁遠い人たちも多いが、それぞれいろんな名前の疑似家族「ハウス」というものに属しており、「ハウス」を束ねている人物は「マザー」と慕われている。ハウスごとの反目なんかも描かれていたり、見事なショー場面を作るための各人の日常も描かれていてとても面白い。

前述の解説の中でもその後の登場人物のことが書かれているが、映画の中で使われている元気なディスコミュージック*1とあいまって、一つ時代の空気とその終焉も感じる。

劇場チラシには、マドンナがこの映画に影響を受け、「Vogue」というヒット曲を生み出したことが載っているが、「Vogue」のプロモーションビデオをみていると、周りのダンサーのパフォーマンスはこの映画から飛び出してきたかのよう。

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ロココ風ののプロモーションビデオもマドンナの様子が「パリ、夜は眠らない。」のショー的な雰囲気で面白い。

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また「Vogue」の歌詞の中では、ローレン・バコールキャサリン・ヘップバーン、ベティ・ディビスなどへのリスペクトも歌われていてとても嬉しくなった。そういう歌だったんだ。。

*1:シェリル・リンの「Got to be real」(曲自体は70年代後半のものではあるが)など野心的でぴったり