黄色いリボン、ハマのドン

「黄色いリボン」を朝家で観たあと、十三 シアターセブンで「ハマのドン」を。

「黄色いリボン」は

退役まで数日の騎兵隊大尉をジョン・ウェインが演じたジョン・フォードの西部劇。ふや町映画タウンのおすすめなので観てみる。

騎兵隊なんて今の生活からえらくかけ離れた物語なんだが、まさに組織の中の中間管理職としての、これは問題がおきそうだと思われる上からの命令への対応、下の気持ちの汲み上げ、規則と感情の折り合いなど時代や居場所を越えて共感を覚える。

定年カウントダウンの男の心境、ひとは称号があるうちだけ敬礼する、というようなことばも、少なからずあると感じていて胸に迫る。

主人公のペシミスティックな思いで終わらせたりはしないところが良い作品なんだけどとにかく主人公の、命令系統の中間におりながら彼なりの対応の仕方、責任の取り方をしていくのに魅力を感じる。

子どもの頃から割合好きだった主題歌、観てからはもっと心に響く。

 

「ハマのドン」は横浜のIR構想に反対した港湾労働者のボスのドキュメンタリー。

hama-don.jp

こちらも、主人公ハマのドンこと藤木幸夫氏が人間的魅力で人の心を掴みまとめていくさまが「黄色いリボン」と重なる。ポピュリズムもあかんやろうけれど、理念ばかりで人の心をつかめないでいる政党にもほんとジリジリしてしまっているので、古くからの自民党員である彼の信念を持って動く姿に清々しさを感じたし、相手の懐柔策に乗らないやり方に舌を巻いた。凄腕である。はじめはカジノ誘致で税収にいい影響という行政側の考えに賛成していた彼だが、カジノの被害の現状をきいて方向転換、アメリカ在住のカジノプランナーが彼の話をテレビでみて、横浜にはカジノを誘致してほしくないという気持ちでプランナー側のやり口を来日してレクチャーしてくれたり、今までは自民党員である藤木氏とは一緒に闘うことなどなかったと思われる、署名活動を成功させた市民運動の面々と手を組んだり、イデオロギーが先ではなく、現実目の前のことをどうしていきたいかということで一致し力を出し合っていく人々の様子に心をうたれる。

きっと編集もうまいのだろうな。全く退屈せず感動してしまう。