60'S

男の顔は履歴書

あの頃映画 松竹DVDコレクション 男の顔は履歴書 安藤昇 Amazon これが噂の安藤昇か! 診療所の町医者として日々を送る彼のところに担ぎこまれた戦争中からの因縁浅からぬ朝鮮籍の男(中谷一郎)。彼との歴史は、戦争中、戦後すぐ、そして現在と自制が入り乱れ…

「ラストナイト・イン・ソーホー」、「ベイビー・ブローカー」

近年の映画を二本。 「ラストナイト・イン・ソーホー」 ラストナイト・イン・ソーホー (字幕版) トーマシン・マッケンジー Amazon 60年代スウィンギング・ロンドンの頃のファッションが出てくるということで観てみたが、現代とあの時代を交錯させる感じは楽…

バージニア・ウルフなんかこわくない

バージニア・ウルフなんかこわくない [Blu-ray] エリザベス・テーラー Amazon エリザベス・テイラーとリチャード・バートン演じる中年夫婦の、長年の共同生活からの憤懣。だんだんクレッシェンドをかけるようにはっきり語られ混沌としていくのだが観ていてい…

銀河

銀河 ポール・フランクール Amazon ふや町映画タウンのおすすめ☆☆☆(かなりおすすめ) サン・ティアゴという大巡礼地を目指す初老と若者の巡礼者二人の時空を超えたロードムービー。ルイス・ブニュエル監督。 以前観てかなり好きだったコリーヌ・セローの「サ…

「血塗られた墓標」、「処刑男爵」

マリオ・バーヴァ監督作品を二本。 まずは、ふや町映画タウンのおすすめに挙がっていた「血塗られた墓標」。 ゴーゴリ原作のイタリアンゴシックホラー。1960年作。 血ぬられた墓標 [Blu-ray] バーバラ・スティール Amazon 火あぶりになった魔女の復讐譚から…

積木の箱

積木の箱 [DVD] 若尾文子 Amazon 「女の小箱より 『夫が見た』」*1がすごくよかったもので増村監督をもう一作。 三浦綾子原作だけど、多分原作は風味が違うと思う。映画は露悪的で主人公男子の思春期のこじらせ具合が凄い。こじらせもするよというような話だ…

女の小箱より 「夫が見た」

女の小箱より「夫が見た」 [DVD] 若尾文子 Amazon 久しぶりに観た増村保造監督作品。増村作品、どきついなとかやりすぎだなとか思うこともあったが、これは一気に惹き込まれた。話は今どきないような欲望に忠実な話だが、構図も凝ってて美しく、堪能。株の買…

処女の泉、鮮血の美学

ベルイマンの「処女の泉」(60)とそれに影響されたというウェス・クレイブンの「鮮血の美学」(72)を鑑賞。 まずはベルイマン。 処女の泉 【2K修復版】 DVD [DVD] マックス・フォン・シドー Amazon 観ていてサラ・ムーンの「赤ずきん」*1の物語を観たときの…

人斬り

人斬り Blu-ray 勝新太郎 Amazon この映画での勝新太郎演じる人斬り以蔵は、他でみるような怜悧な感じでなく犬っころのよう。仲代演じる武市半平太につき従い、挙句にあたかも太宰治が「駆け込み訴え」で描いた愛憎劇のような境地に。 時々勝新太郎について…

地獄変

1969年豊田四郎監督。 あるとき(「伊豆の踊り子」*1「あこがれ」などを観たあたりか?)から内藤洋子さんの可憐さがとても大好きになりこれもその一環でレンタル。 地獄変 [VHS] 東宝 Amazon 原作は中高時代に何かの教材で読んだ記憶があったのだが映画…

がめつい奴

CSで放映されなんとなく録画していた「がめつい奴」(1960)。監督が最近立て続けに観ている千葉泰樹と知り観てみる。 movies.yahoo.co.jp 釜ヶ崎の自称「ホテル」が舞台。(黒澤明の「どん底」*1のような住環境。)生き馬の目を抜く人々の暮しっぷり。…

青い山脈(1963)

www.nikkatsu.com 1949年版*1を少し前に観たので観比べ。前回杉葉子が演じていた女学生を今回は吉永小百合。前作杉葉子の挑むようなところがなく、健康的。そして、もめごとの原因もヒロインの不可抗力という設定にしてあるので、49年版の、「新しいも…

兵隊やくざ

兵隊やくざ 勝新太郎 Amazon 1965年 増村保造監督。 軍隊ものかーと躊躇する心を見透かしたような戦争や軍隊なんてまっぴらという冒頭の田村高廣のことば。あれでまずひきつけられる。 こんなことあるか?と思うような調子の良い展開もあれど、調子良いとこ…

欲望

欲望(字幕版) バネッサ・レッドグレーブ Amazon 「さらば青春の光」*1に出てきた60年代ロンドンスタイル、もっと観たくなり検索したらこの映画がヒットした。いつか観ようと思っていたがアントニオーニ監督、難解なのかなと後回しになっていた。カメラマン…

さらば青春の光

マイケル・ケイン主演の「アルフィー」*1など60年代のイギリスファッションに惹かれるものがあり「60s UK STYLE」という本を購入。 60s UK STYLE 作者:竹内絢香 徳間書店 Amazon 「モッズ」スタイル映画の代表作として紹介されていた「さらば青春の光」をや…

暴力脱獄

ピーター・バラカンのFM番組を聴いていたら伊集院光のゲストの回で「暴力脱獄」の話が出ていた。伊集院光が観たことのない映画をゲストに紹介してもらい、観る前、観た後にトークをする番組があったそうでそこでバラカン氏が紹介したのがこの作品だったとの…

「男の愛」、「若き日の次郎長 東海の顔役」

男の愛 たびだちの詩 作者:町田 康 左右社 Amazon 町田康の次郎長伝「男の愛 たびだちの詩」を読む。次郎長の養子であった禅僧・天田愚庵による名作『東海遊侠伝』をベースに現代によみがえらせた作品。 町田康の本を読んだあと、次郎長が侠客になるところと…

「悪名縄張荒らし」、「悪名」

NHKのBSプレミアムで再放送している田辺聖子がモデルのドラマ「芋たこなんきん」をすごくゆっくりゆっくり観ているのだけど、國村準氏演じるパートナー、カモカのおっちゃんの父を演じる小島慶四郎さんのとぼけた味が気になり、小島さん出演作の「悪名・縄張…

人生劇場 飛車角

人生劇場 飛車角 鶴田浩二 Amazon 「人生劇場」、こちらも名前はきいていたが未体験ゾーンの映画である。色々な監督のバージョンがあるらしいが、東映明朗時代劇で馴染んでいる沢島忠監督版(1963年)のこちらをまず観てみる。 いきなり村田英雄の「やあ…

酔っぱらい天国

酔っぱらい天国 津川雅彦 Amazon 渋谷実監督 1962年。 陽気なタイトル、笠智衆や三井弘次、伴淳三郎がべろんべろんになって威勢だけ良い冒頭でうっかり最後まで楽しむつもりでいたら。。。ああこれは渋谷実監督作品だったな、それだけでは済まされなかっ…

あなただけ今晩は

あなただけ今晩は ビリー・ワイルダー監督 [Blu-ray] ジャック・レモン Amazon 三谷幸喜氏のビリー・ワイルダーやジャック・レモンへのリスペクトがわかる作品ときいての鑑賞。 舞台はパリ。ジャック・レモンが途中から英国紳士に化けたりするのだが、そのと…

牡丹燈籠(1968)

牡丹燈籠 [DVD] 本郷功次郎 Amazon 山本薩夫監督の「牡丹燈籠」は社会派監督らしい趣きだと友人が言っていたのに興味を持ち鑑賞。確かに主人公である旗本の三男坊新三郎が教育の機会均等を目指して裏長屋で寺子屋のようなものを開いて子どもの面倒をみてい…

けものみち

けものみち [DVD] 池内淳子 Amazon 政界フィクサーに女を提供しそこにたかる人々の様子などが松本清張タッチで容赦なく描かれ楽しめる。フィクサー自体が表舞台でなく、裏側で物事を操る存在と思われるが、さらにそこを動かすべく駒をすすめる伊藤雄之助。自…

ろくでなし

ろくでなし 津川雅彦 Amazon 吉田喜重第一回監督作品。 確かtwitterで話題が出ていて借りたものの、ジャケットをみた途端、虚無を抱えた若者の鬱屈、暴走・・みたいな自分が苦手な系列の映画か、と身構えた。 確かに新しい映画作りを意識したあえての棒読み…

宮本武蔵(内田吐夢監督 錦之助版)前半

有名なのに今一つわかっていない宮本武蔵、この際ちゃんと知ろうとレンタル。メジャーな錦之助ー内田吐夢監督バージョンから鑑賞。この作品前五作なんだけど、一年に一回公開していたらしい。 一作目 宮本武蔵 宮本武蔵 [DVD] 中村錦之助 Amazon 錦之助演じ…

香華

木下惠介生誕100年「香華〈前篇/後篇〉」 [DVD] 岡田茉莉子 Amazon 80年代有吉佐和子さんの急死とその直前のTV番組「笑っていいとも!」出演について世間で珍奇のような視線で語られていることに対して橋本治さんが抗議を書いておられる*1のに触発されて何…

天知茂さんを追って

60年代前半生まれの自分にとってはじめてみた天知茂さんは、2時間ドラマの明智探偵役という感じで、なんだか決まりすぎている・・という印象だった。 旧作邦画を観るにつけ、「東海道四谷怪談」*1の伊右衛門や「憲兵銃殺」*2でクールガイのイメージをまず…

雪之丞変化

雪之丞変化 [DVD] 長谷川一夫 Amazon 名前だけは以前から知っていたこの作品、長谷川一夫は林長二郎時代にも撮っているし、大川橋蔵や美空ひばりも演じている。今回観たのは市川崑監督作品。長谷川一夫300本記念映画。 主人公が二役の舞台をからめた仇討ちも…

宇宙怪獣ドゴラ、ノーライフキング

久しぶりに再見した伊丹監督の「タンポポ」で中村伸郎さんの飄々とした姿がとても印象に残り(80年代に観た時も好きなシーンだったけれど、小津作品での中村さんを観てからだとなお一層楽しく)中村さんの活躍している作品を二本観た。 一本目は「宇宙怪獣…

女の花道、風流深川唄

美空ひばり氏のことは生前ちょっと苦手で、興味のある映画でも「ひばりさん主演か・・」と後回しにしがちだった自分なんだけど、みたらみたでよくできていて楽しめる。ちょっとずつ脱感作方式で観ていこう。 今回観たのはいずれも川口松太郎氏原作×美空ひば…