大いなる驀進

 

東京から長崎までの長距離列車特急さくらに乗り合わせる人々の風景を「オリエント急行殺人事件」風に描写していくもの。

鉄道マン三國連太郎の生涯を大河的に描いた関川秀雄監督の前作「大いなる旅路」*1に比べるとグランドホテル形式で軽いタッチで話は進むが新婚旅行や代議士の見送りなどあの時代らしさが溢れていて楽しめる。

前作に続き三國連太郎が鉄道マンとして出てくるが、ボーイという車掌の下で働く立場の中村嘉葎雄を温かく見守る上司役で脇に。前作を少し思い出すけど全く同じ人物の設定ではないように思われた。

花沢徳衛がにやりとさせられるようなエピソードを演じ小粋な味。

ラスト長崎駅に到着する直前の車窓風景、長崎在住だった母方の祖父母のもとに年に一回さくらで帰省していた自分には胸にぐっとくる。懐かしい映像が残っていて嬉しい。