2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

悲情城市

タイトルや、戦争中の日本のことが出て来るとの事で身構えていたけれど、大丈夫、私の大好きな侯孝賢らしい作品だった。 侯孝賢は「珈琲時光」を作られたり小津安二郎監督への敬愛を公にされているけれど、確かに小津安二郎の映画からなにかを吸収し、表現を…

百一夜

俳優、監督、プロデューサーとして生涯を映画に捧げてきたムッシュ・シネマの記憶を刺激するために千夜一夜物語みたいに女の子が映画の話をするというストーリー。アカデミー賞授賞式とかで色々な映画に捧げる映像みたいなのが作られることがあるがあれの映…

さよならソルシエ 1、2

ゴッホ兄弟がテーマ。先日パリ時代のゴッホの展覧会にいってこられた方の感想やら、ウディ・アレンの「ミッドナイト・イン・パリ」*1で観た雰囲気が後押しになって楽しめた。常々、ゴッホの弟テオのことは気になっていたので興味も大変もてた。 よしながふみ…

めぐり逢ったが運のつき

ジャン・ロシュフォールがエレガントでクールで教養もある殺し屋ヴィクトル・メナールに扮するフレンチコメディ。「淀川長治のシネマトーク」*1という本に紹介されていてみてみた。 先日内田けんじ監督の「鍵泥棒のメソッド」*2をみて、香川照之がちょうどこ…

寄席の脚光

フェデリコ・フェリーニ監督第一作とのことだけど、もうすでにしてすばらしいフェリーニ調。場末の芸人たち、苦労させられるジュリエット・マシーナ、悲哀はあるけれど悲惨ではないドラマ・・楽しめた!芸人一座のそれぞれも味があって良い!一座の中にあひ…

おかあさんの扉 3

3歳になってなんだかとってもおもしろい。あーちゃんの言葉を楽しめたりするからかな・・わけのわからんおはなしを作ったりするの娘も三歳前にしていたなとなつかしい。あれ、専門用語での定義づけないのかな? またおかあさんがまっとうなおかあさんとして…

町でうわさの天狗の子 12

完結。ちょっとエヴァンゲリオンみたいな感じも。高校生のつきあいの、ほんとはちょっと距離があるけれどそこはお互い目をつぶって親しそうにしたり・・みたいな感じもよく出ている気がする。町でうわさの天狗の子 12 (フラワーコミックスアルファ)作者: 岩…

かくかくしかじか 3

東村さん入魂のビルディングスロマン。基本今までの作品のように読者を気持ちよく笑わせながら伝えるものを伝えるという感じだけど、それを描く原動力となった痛みの色彩がアクセントとなって強くこちらに訴えかける。 また東村さんの作品でいつも感じるのだ…

ちはやふる 23

このコミックのいいところは、美男美女の悩みがちゃんとわかるように描いてあるところ。冷笑的な言葉で若者を凍えさせてしまう罪を描いているところ。ちはやふる(23) (BE LOVE KC)作者: 末次由紀出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/12/13メディア: コミッ…

猫が背筋を伸ばすとき

杉作さんのハードボイルドな愛情。路地の小さきものへの視点がすごく細やかで、北野武の魂と似たものを感じる。猫が背筋を伸ばすとき作者: 杉作出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2014/01/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る

狐の呉れた赤ん坊

バンツマさん演じる大井川の川越人足、寅を囲むまわりの人間、質屋さんだとか飲み屋さんだとか、仲間だとかがそれぞれ持ち味、見せ場があって良い群像劇だった。 寅のあだ名から話の合間合間に写る張り子の寅と御銚子、お相撲さんの人形などがまさにこの映画…

片桐くん家に猫がいる 7

今一番ゆったりした気分になるコミック。主人公の片桐くんの淡々とした平常運転っぷりが気に入って。猫へのあったかい視点もとってもいい。片桐くん家に猫がいる 7 (Bunch Comics Extra)作者: 吉川景都出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/12/09メディア: …

きのう何食べた? 8

ちょうどこの季節に読むのにふさわしい素材 年末〜バレンタイン〜スナップえんどうの出回る春だしの素やホットケーキミックスなど簡略化できるところは簡略化し、日々とにかく何品かだしていく、そのことに集注しているのがい。この巻では京都旅行の話題も出…

ねこはい

伸坊さんの猫のイラストに、猫はこういうシチュエーションだったらこんな風にひねるのでは・・という句が載っている。伸坊さんのイラスト味があって品があって良い。ねこはい作者: 南伸坊出版社/メーカー: 青林工藝舎発売日: 2013/07/25メディア: コミックこ…

ジンジャーとフレッド

遅ればせながらようやっとフェリーニの有名なこの作品を。父がBS放送から録画したものが家にあったがために、つい後回しに。 映画がはじまるなり、すーっと画面の向こう側に連れて行かれ、聖と俗、美と醜がとなりあわせで、物悲しさをたたえながらもそれに…

雨ぞ降る

「愛の調べ」*1というクララ・シューマンをキャサリン・ヘップバーンが演じた映画をみてこのクラレンス・ブラウンという監督のかっちりとした映画の作り方が好きになった。その後みた「燻ゆる情炎」*2というのも、昼メロにもありそうな起伏に富んだストーリ…

もっと地雷を踏む勇気

1/14のNHKクローズアップ現代「あふれる“ポエム”?! 〜不透明な社会を覆うやさしいコトバ〜」という特集に出ていた著者の小田嶋さんの、日頃私が居心地悪く思っていたおためごかしの言葉についての意見がとてもおもしろく、著書を読んでみることにした。 今…

凸凹フランケンシュタインの巻

「アボットとコステロ」って名前はよくきくけれど、ちゃんとみたことがなくて、ドラキュラ、フランケンシュタインの怪物、狼男と騒ぎを巻き起こすこの映画をみてみた。なんかとってもかわいらしい話だった。ベラ・ルゴシのドラキュラ、思っていたより肉厚だ…

キャット・ピープル

猫族の末裔で興奮すると豹に変身してしまうのではないかと悩んでいる女の人が主人公なんだけど、表情ややることがとってもネコっぽくて猫を飼っている自分には「猫はこういうことするなあ」とそれを押さえつけようとする周りの人のことを疎ましく思いながら…

歌舞伎 家と血と藝

歌舞伎の世界のこみいった血縁関係や〇〇屋という屋号の由来、その沿革など前から詳しく説明を読みたいと思っていたことを同世代(1960年生まれ)の人らしくわかりやすく説明してくれている。藝についても踏み込んだ率直な批評を含んでいて読んでいて刺…