2025-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「エル・スール」と「ミツバチのささやき」

エル・スール (字幕版) オメロ・アントヌッティ Amazon 「エル・スール」(1983)は、「ミツバチのささやき」(1973)と共に評判のいいヴィクトル・エリセ監督作品だが上品すぎて退屈なのでは?となぜかいわれのない緊張感を持っていて鑑賞が遅れ…

「韓国映画から見る、激動の韓国近現代史」と「はちどり」

韓国映画から見る、激動の韓国近現代史: 歴史のダイナミズム、その光と影 作者:崔盛旭 書肆侃侃房 Amazon この本、最近観ている韓国映画の時代背景が、時系列的にどこに当たるかなどがわかって嬉しい。 そこに紹介されていて以前から評判をきいていた「はち…

ケナは韓国が嫌いで

animoproduce.co.jp まずは嫌韓論論者が飛びつきそうなこの邦題に驚く。懸命に生きていても報われないから国外に出たいという真意がわかると何年か前の「日本死ね」というつぶやきに重なるなと思った。 随所にはさまれる本音の主人公による学歴へのこだわり…

明日なき十代

61年 ジョン・フランケンハイマー監督 「ローカル・ヒーロー」(86)という作品のバート・ランカスターの枯れっぷり滲む愛嬌が良すぎて続けざまに主演作のこちらを。 こちらの彼はまだ枯れてない。。燃え盛っていた。 「ウエストサイド物語」(1961)みたい…

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法

フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(字幕版) ウィレム・デフォー Amazon すっかりショーン・ベイカー監督漬け・・ こちらはパステルに彩られた夢のようなリゾート地フロリダの片隅の場末モーテルが舞台。しょっぱなから子どもらのワルぶりに、最近孫と同居し…

レッド・ロケット

レッド・ロケット (字幕版) サイモン・レックス Amazon 購読している「無人島シネマ」さんの「アノーラ」の項*1にショーン・ベイカー監督ならこちらが個人的な好みと書かれていて鑑賞。 そういえば公開当時気になっていた作品だった。 ポルノスターが食い詰…

老いを読む、老いを書く

老いを読む 老いを書く (講談社現代新書) 作者:酒井順子 講談社 Amazon 「老い」を取り扱った「老い本」について酒井順子氏がたのしくひそかな毒を混ぜながら解説している。 「老い」に対するおそれから例えば「恍惚の人」や「楢山節考」がヒットしたり。 60…

アノーラ

ANORA アノーラ マイキー・マディソン Amazon VIPルームに通せばなんでもありのストリップバーで働くアノーラ。彼女がロシア語が多少わかるということでロシア系の御曹司に気に入られ、みるみる玉の輿。さて。。という物語 「プリティ・ウーマン」みたいな結…

その手に触れるまで

その手に触れるまで(字幕版) イディル・ベン・アディ Amazon ダルデンヌ兄弟 2019年 イスラム教の導師と称する男に染まってしまい幼い時に字を教えてくれた恩人の教師を背教者てあると教唆され殺そうとする13歳の少年の物語。タイトルの「その手に触れ…

チネチッタで会いましょう

チネチッタで会いましょう ナンニ・モレッティ Amazon 2024年 ナンニ・モレッティ監督 ネットに公開されている観た人の評価点がそんなに高くなくあまり期待しないで観たけれど、ナンニ・モレッティ自身が映画監督に扮し悩みを描くこの作品、お若いときか…

「午前4時にパリの夜は明ける」と「北の橋」

午前4時にパリの夜は明ける Blu-ray [Blu-ray] シャルロット・ゲンズブール Amazon シャルロット・ゲンズブールが80年代のうちひしがれた中年女性を演じる「午前4時パリの夜は明ける」。 私の好きなラジオの世界が出てくる物語。 「午前4時~」の中でジャッ…

四つの恋の物語(1965)

四つの恋の物語 吉永小百合 Amazon 西河克己監督 1965年 同タイトルの1947年版*1はオムニバスだったがこちらは四姉妹もの。 目を引いたのは和泉雅子の活発なかわいらしさ。役柄にぴったりのおしゃれもはまっている。ひと頃の婦人画報社から出ていたティ…