2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

グラマ島の誘惑

川島雄三のカルトムービーってことで、がちゃがちゃしているのは覚悟の上でみはじめる。前衛的で挑戦的。森繁久弥が宮様、フランキー堺がその弟というなんか大胆な設定だけど、割合それ風にみえる。フランキー堺が上品な感じで。原住民的な役の三橋達也、全…

大地の子守歌

とてもよかった。映像もシャープだし、とにかく原田美枝子の圧倒的な生命力、存在感がもう最高! 最初の方に出てくる田中絹代も良い!かねがねふや町映画タウンの大森さんもおっしゃってるのだけど、田中絹代は枯れてからの方がずっといい!大地の子守歌 [VH…

ねこねこ日本史

猫が日本史の登場人物になったらこんなことをしでかしますよ、っておはなし。日本史の解説部分(滝乃みわこさんという方の文章)はしっかりしているけれど、これは同じ作者の「猫ピッチャー」*1よりさらに猫好きの限定の色彩が強いなあ。ねこねこ日本史 (コ…

東京タラレバ娘 1

東村さんの作品、登場人物へのというダメだし部分と夢を与える部分(いわゆるアメとムチ)みたいな構造がおもしろいけれど、とりあえず1巻はムチ部分が今までの作品より強い感じ。夢の部分が大きくなっている「海月姫」の新刊に比べるとおもしろいにはおも…

歌舞伎のびっくり満喫図鑑

客席からぼんやりみていたらわからないような細かいところにその役者さんにちなんだ紋様があったり、歌舞伎の小道具とそして大道具の工夫について書いてある本。写真も多くとても楽しい。 この本を読んでいたから「小栗栖の長兵衛」をみたとき*1もかわいい桃…

遠野物語

異界の事柄と思われるようなことと、日常と思っていることが地続きにある。本当はこの世の中どこもそうなんだけど、そうだとみえないようにしてある気もする。 寺山修二の「田園に死す」*1もふと頭に浮かんだけれど、作り方はまっすぐで、黒澤明の「夢」の狐…

京都芸術劇場春秋座 松竹大歌舞伎

義経千本桜 四ノ切 口上(猿之助 中車 襲名) 小栗栖の長兵衛プログラムの順番だと先に小栗栖で口上、義経千本桜だったのだけど、なぜか義経から。たぶん大道具の段取りのためでは?とのことだったけれど、ほんとは義経千本桜が最後の方がいいと思う。大いに…

廓文章 吉田屋

2012年浅草公会堂 花形歌舞伎文楽の演目でもこのタイトルをみたことがあるが、ほんとにかわいらしいお話で、浄瑠璃にあわせての部分も多く、人形さんが演じてるのもよさそうだなあと思いながら見る。 主人公のやさ男伊左衛門は愛之助さん。普段はかっちりし…

猫ピッチャー 2

えらく省略された線でものすごく猫ってこうだよなーというのが伝わるし、野球とのからめ方が野球ほとんど知らない人間にもとってもおもしろい!猫ピッチャー2作者: そにしけんじ出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2014/09/09メディア: コミックこの商品…

お嬢さん社長

どこかでロケ地のことが書いてあったような気がしたのだけど、どこだったのか・・必死で調べていたらこちらのブログで隅田川の東武の鉄橋のことが・・こちらのブログ、なにか自分が気になっていることがいろいろ書かれている模様・・これからじっくり拝見さ…

恋三味線

アラカンさんの関西ことばがきけるということでみてみたのだけど、そちらの方より、伝統芸能もの、歌舞伎の舞台の三味線の方の物語として楽しめた。 GHQの命令でチャンバラものが作れない時代の作品なもので、アラカンさん演じる杵屋庄太郎が舞台にたてなく…

平成中村座NY公演 怪談乳房榎

wowowの紹介ページ 歌舞伎美人の紹介ページ ちょっときいたことのあるような東京の地名がたくさん出てくるけれど、紹介してらっしゃる方のブログがあった。(こちら)勘九郎さんの早替り。七之助さんの声の良さ。

愛のお荷物

少子化対策が叫ばれている今みるとどういうことかと思うのだけど、人口問題から来る産児制限の話。昭和30年。 いろんな人の生活が絡み合って・・という運びで、和製「ハンナとその姉妹」*1って感じ。もう少し表面的だけど。三橋達也の長唄シーンがあるけれ…

神明恵和合取組「め組の喧嘩」

先日wowowで再放送していて最後の方のお楽しみの部分をみて、なかなかよかったもので、以前録画していたのをはじめから観る。ラストの仕込みのところを知っていたにもかかわらず、その瞬間涙が出た。前に平成中村座の夏祭浪花鑑のNY公演*1を観た時も、ラスト…

大奥 11

徳川冶済という人、この作品を読むまで全く知らなかったのだけど、帯にあるようにまさに怪物・・なんか一見ぼやーんとした絵で余計に近親憎悪的な気分に・・大奥 11 (ジェッツコミックス)作者: よしながふみ出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2014/08/28メディ…

3人がいっぱい 1

小説新潮昭和48年1月号から昭和51年6月号に連載していたもの。前半は3人選んで、和田誠さんが質問して絵の横にその答えを書いている形式。途中からは写真のように和田さんは絵担当で、その時々の書き手が同時代の3人を「一見弱そう」とか「キザな三人」と…

映画 中村勘三郎

まずカタチから入れ、という指導は小津映画の作り方とも相通じるような・・舞台稽古の時の指導、ダメだしされるまでは普通にみえる演技が、勘三郎さんがやってみせたら、断然そっちの方がよくみえるのがすごい! 耳鳴りで休業された後復活されそれから少しし…

日曜美術館で芹沢けい介特集〜和菓子平安殿

番組情報はここ(9/21に再放送あり)中田英寿が伝統工芸を伝える仕事をしていて、芹沢けい介デザインも好きというような話題もあり驚きながら見る。今まであまり民藝とかに関心のなかった20代の娘にも芹沢さんの作品が魅力的にみえたらしい。 静岡の芹沢さ…

歌舞伎のかわいい衣裳図鑑

文楽をよくみにいく友人は双眼鏡で衣裳のすみずみをみていたけれど、これは歌舞伎だけどなるほど衣裳や小道具というのはこんなに隅々まで工夫されているんだと読んでいて楽しくなる本。 今風に楽しくかわいらしく構成されており、楽しい。 コラムでのこぼれ…

恵文社COTTAGE

恵文社COTTAGEに、銀閣寺のアンティークと古本のお店「迷子」が出張ということでのぞいてみた。 昭和の猫に惹かれて購入 奥さまの的場晴美さんという方の版画も随所に出てくるがこれがまたいい。 こんな感じねこ横丁の仲間たち―覗いてごらんよ、路地裏を…作…

風の女王

お話の筋は大昔の少女漫画?と思いきや90年代のトレンディードラマみたいになったり。。いい風に転がるかと思いきやそうでもなく。。という変わった展開。高杉早苗が魅力的なんだけど、なんか外側からの道徳のしばりで限界があるような・・最後にちらっと…

団地ともお 8

この作品の魅力って出てくる人がそれぞれ自分のスタイルがあるところだな。雑誌連載ものだからとびとびでも読めるけれど、久しぶりにずっと前のおはなしに出てきた人が出てきたり、でその人の成長をみたり、っていうのも楽しい。今回は双子の“兄貴”が頑張り…

ジャンヌ・ダルク裁判

ストイックで神々しい。教会は人間の作っているものという印象を持つ。わたしはラスト近くの鳩のシーンにそれを感じた。ジャンヌ・ダルク裁判【字幕版】 [VHS]出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー発売日: 1998/02/21メディア: VHSこの商品を含むブログ (2件) …

新・東京23区物語

東京の土地鑑のない息子に東京のことをきかれ、自分は泉麻人さんの本を普段から好きなもので、この本は読んでないにも関わらずすすめてしまい、やはり自分で中身を確かめた方がいいなと読んでみた。 久しぶりに泉さんの本を読んでみて表現のうまさ、そして、…

そして父になる

是枝監督の描く家族のストーリーは描写が細かくて痛みも描いていてリアルでありながら、透明感がある。 看護士の女性の言葉をきいて福山君演じる主人公の中で何かが変わっていく瞬間見事だった。 みたあとしばらくこれからどうしていったらいいのかなと登場…

酒と女とジキルとハイド

wowowにて。優香さんの解放っぷりがかわいらしかったしとてもよかった。コメディエンヌとしてやっていくときイタい感じがあったら致命傷だけど、それが決してないのがとってもいい。間もいいと思う。 ストーリーとしては別の展開もありそう・・と思ったけれ…

女は二度生まれる

靖国神社あたりの風景が出てくるとのことでそれ目的で、川島雄三監督は振幅があるときいているので、あまり期待せずにみたのだけどとてもおもしろかった。映し方もモダンでおもしろく、作品全体もドライなんだけどかわいらしい、そして味わいもあるという得…

八二一のにゃんぽの達人

八二一さんの本をはじめてみたのは枡野浩一さんとのコラボ本。そこで出会って、そのあと「はっちゃん」という猫を保護されての記録写真がとても美しく追っかけてきたけれどこんなのも出ているんだ・・関西のいろんなお店の看板猫を追った猫びよりの連載が本…

猫寺 

福井の猫寺(御誕生寺)に出かける。 いろんな猫が過ごしている。50匹くらいとか?車に乗る時一生懸命車の外から鳴いていた子。このあと開けた窓から車に飛び乗ってきてびっくり。供養塔にあった「楽しい時間をありがとう」という言葉に胸が詰まる・・ほん…

通し狂言 寿三升景清

南座にて。もうなんていうかレビューの世界というか、終始その造形をわくわくして楽しめた。海老蔵さんがイアホンガイドのインタビューで、歌舞伎というのははじめははじめで見た目の美しさで入っていけるし、年数を経ればまたさらに深い楽しみができる、な…