歌舞伎のかわいい衣裳図鑑

文楽をよくみにいく友人は双眼鏡で衣裳のすみずみをみていたけれど、これは歌舞伎だけどなるほど衣裳や小道具というのはこんなに隅々まで工夫されているんだと読んでいて楽しくなる本。
今風に楽しくかわいらしく構成されており、楽しい。
コラムでのこぼれ話に「歌舞伎の女言葉」というのがあるのだけど、わたしも「お許しなされてくださりませ」とか大好き。普段使いたいくらい。
筋の方も一緒に紹介してあって入門者にはうれしい。(はずかしながら「元禄忠臣蔵」と「仮名手本忠臣蔵」の違いもこの本を読んではじめて知って、島田雅彦さんが作られた「オペラ忠臣蔵*1をみたとき文楽でみた「仮名手本忠臣蔵」と切り口が違うなと思っていたのは元が違うのだから当たり前、とやっと悟った。)
そして古い資料の紹介も。たとえばいつごろ発売されたものかわからないけれど、と書かれていた「歌舞伎いろはかるた」。ちょうど今読んでいる戸板康二さんともうひと方、吉田千秋さんという方の作とのことだけど、おもしろすぎる!たとえば「わ」だと「悪くねぇなァ」なんて言葉で、その台詞の場面の写真が取り札なっているとか。。
また歌舞伎座の座席のおすすめなど実用的な記事や、歌舞伎座に行く方へのアンケートでどんな着物で行くかという話なども掲載。それを読んでいると、お茶の世界で、お菓子とお茶碗と掛け軸と。。とその日の趣向にあわせるのと同じような「凝る」文化って日本にはあるんだなあ。。とつくづく思った。

歌舞伎のかわいい衣裳図鑑

歌舞伎のかわいい衣裳図鑑