鏡山競艶録

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1938年寿々喜多呂九平監督


しょっぱな日の丸と「国民精神総動員」の文字にものすごく時代を感じる。「この世界の片隅に*1の時代だなあ。

「鏡山旧錦絵」という歌舞伎作品(通称「鏡山」)を映画化したものということ。
そして「鏡山旧錦絵」は、人形浄瑠璃の「加々見山旧錦絵」がもとになっているとのこと。(現行の文楽は「加賀見山旧錦絵」の外題で上演され、歌舞伎もその名前で上演されることがあると、wikipedeiaに記載されている。歌舞伎についてはこちら。←この話はいろいろにかえられて演じられているとのことだけど、2020年文楽の「加々見山旧錦絵」*2をみて、映画でみたのとは色々違っていることに気がつく。)

昔の文楽舞台を録画したものでこの演目のハイライトシーンをみたことがあったので、だいたいの筋は知っていたが、今、「加々見山旧錦絵」の筋を読むと(こちら)ずいぶん長くて、映画はうまくまとめてあったなあと思う。

森光子さんが次女のお姫様だったらしいが、それと気が付かなかった。あとからみたら、なるほど・・可憐なお姫様だった。

敵役岩藤を演じた鈴木澄子さんという女優さんの憎々しいこと。話がとってもわかりやすい。
1960年にも同じタイトルで作られているようだけど、こちらをみると筋がだいぶ違っているなあ。。「先代萩」的になっているような・・