阿弖流為

大阪松竹座にて。
劇団☆新感線いのうえひでのり氏の演出。新感線の舞台はTVでちらっとみたくらいなもので、はじめものすごい動きとセリフ回しや場面展開の速さに驚いた。
そんな中で、勘九郎さんや片岡亀蔵さんの明瞭な芝居は手掛かりになって助かる。故・勘三郎さんも私にとっては敷居の高い芝居を見る時にひょいと身を降ろしてのせてくれるような人だったなあと思う。
今回一番印象に残ったのは、蝦夷の神の巫女を演じた坂東新悟さん。新悟さんは、昨年松本で見た「三人吉三*1でも拝見していたが、その時とはまるで違う、主役級三人より年かさにさえみえるような威厳に驚いた。
あと帝人側の巫女市村萬次郎さん。映画「ザ・マジックアワー*2で拝見していた人と気が付き、あまりの違いにびっくり。(「ザ・マジックアワー」では、気が弱い中年の会計係。)
七之助さんは二役だったが、(途中まで同一人物と思わせて・・というような設定)神がかった演技がとにかくいい。

白いリストバンドが入り口で配られ、お芝居のエンディングで自然に光るので、手を掲げて一緒に蝦夷の星空を作りましょうとのメモ。どういう感じなのかなと思いながらみていたが、この演出とてもよく、中央と東北に代表されるものという現代に通じるテーマに目頭が熱くなった。

歌舞伎公式総合サイト歌舞伎美人での紹介はこちら染五郎さんのインタビューの中で、いのうえ演出で見得の、女方の格好よさを認識させられたとあったけれど、確かに。

エキゾチックな衣裳も魅力的だった。