3月のライオン 11

この作品、作者の羽海野チカさんが渾身の力で送り出しているような気配をいつも感じる。
集団から孤立すること、その中には家族という一昔前までなら愛することが当たり前とされているものからの血を吐くような分離や決別ということも含まれていて、そうせざるを得ない人たちへのメッセージが込められ、それを描き切ることはいい加減にできる仕事では決してないという決意みたいなものも伝わってくる。安直なものでないから読んでいて力づけられる。
そして、そのシビアでシリアスな物語を適度のユーモアでくるんでいるからこちらもしんどくなりすぎずに読み続けられる。

主人公の零くんの成長がうれしいな。