東京の大学に通う主人公有馬稲子の実家が岐阜の紙問屋で、東京の知り合いが行き来するときの鉄道「つばめ」などの風景が楽しい。
ストーリーは傾きかけた家のために経済力のある相手(上原謙・・戦後は良くてもこういうポジションか・・)と結婚するか、慣れ親しんできた仲間(石濱朗)と結婚するかというポイントが、少し吉村公三郎監督 新藤兼人脚本の「春雪」*1と似たところあり。
岐阜の鵜飼、大きな商家の佇まいなど楽しめる。
有馬稲子のヒロインは堅実にみえるけれど、自分の意見をはっきりいうタイプ(本人とぴったり)で、アプレとも称されたりしている。さらに、もっとすれっからしのモダンガールが出てきたりして、学校と衝突、旧い体制と戦後派の対立みたいなものも描かれている。
高峰三枝子のお店が当時のモダンという感じでかっこいい。
出てくる学生演劇が森本薫脚本 「華々しき一族」。
※wikipediaをみていると、原作には美濃紙問屋からのモデル問題訴訟があったらしい。