わが愛

 

わが愛 [VHS]

わが愛 [VHS]

 

 先日有馬稲子さんが「徹子の部屋」に出ておられ、有馬さんが自選されたお気に入り映画出演作12作品を紹介されていた。

「東京暮色」「浪花の恋の物語」*1「白い魔魚」「抱かれた花嫁」「かあちゃんしぐのいやだ」「充たされた生活」「彼岸花」「夜の鼓」*2「赤い陣羽織」(同名のものがあるけれど昭和33年 山本薩夫監督の方)「愛人」「わが愛」「もず」*3去年聞き書きの本が出た時のインタビュー記事にも、「徹子の部屋」と重なるお話が載っていた。

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そのインタビュー記事の中でも出てくるこの「わが愛」。インタビューにも出てくる有馬さんの実人生と重ね合わせると腑に落ちる。

井上靖原作で有馬稲子のお相手 佐分利信の仕事は新聞記者。このあたり新聞記者だった井上さんの実人生周辺にありそうな話だったように思える。

有馬稲子は叔母の乙羽信子が身を寄せている柳橋の待合の手伝いに入っている娘という設定。乙羽信子がちらっと披露する小唄のような節や、有馬稲子が踊りの練習で口ずさむ唄がなかなか上手く、さすが二人とも宝塚出身だなと思わされる。

佐分利信が隠棲している山に身分的保証なしに移り住む有馬稲子、それにそそがれる冷たい村人の視線。その最たるものを送ってくる浦辺粂子・・そこからのというやりとりがなかなか楽しい。今、自分が町内で浦辺粂子的なスタンスになってるのでは?とニヤニヤしながら見てしまった。