志村喬さんが、「生きる」よりこちらでの役の方が好きだ、というような発言をされたときき、拝見。なんともさえない弁護士っぷりが炸裂。古い法服姿で法廷に現れて嘲笑されたり、とことんな「この人大丈夫?」感、20世紀の終わりにカルト集団の弁護人として現れたあの人の姿が脳裏でちらつく。
そして・・なストーリー、締めくくりの三船敏郎の台詞がいい!思わずもらい泣き。
酒場でのクリスマスシーンでは「どん底」*1に引き続き(って単なる自分の観た順番。「醜聞」は1950年、「どん底」は1957年の作品。)左卜全氏がまたまた汚れた天使のような雰囲気。
山口淑子さんを映画で観たのはじめてかも。ぱっと目をひく華やかな美しさ。
志村喬氏のエンジェルのような娘役 桂木洋子さん。ぴったり。彼女の夢をみてのうわごとを本人が演じるのでなく、志村喬氏にいわせる表現よいと思う。なにもかも映さないほうがいい、省けるところは省くのがベスト、と最近映画を観ていてよく思う。
注目したのは
千石規子さん
そして、
北林谷栄さん。
お二人とも昭和後期には老け役をよくされていた印象だけど、千石さんの若々しさに驚いた。(山口淑子の引き立て役みたいな部分もあったが・・)
北林さん 1911年生まれ 千石さん 1922年生まれで11歳違いか・・ そして、昭和の終わりごろにお二人と並んでおばあさん役をよくされていた浦辺粂子さんは1902年生まれ。千石さんとは20年も年の差があったんだ・・
最後心配になったのは、これはありもしない熱愛報道に三船敏郎と山口淑子が闘う話だが、共同戦線を組んでいるうちに二人にラブロマンス的な空気が漂っていそうだけど、それはいいのだろうかということ。
三井弘次のゴシップ新聞のカメラマンぶり リアルだった。