悪い奴ほどよく眠る

 

悪い奴ほどよく眠る

悪い奴ほどよく眠る

  • 発売日: 2015/04/22
  • メディア: Prime Video
 

まず驚いたのは上の写真右側の森雅之の老け姿。森雅之が出ているはずだがどこだろうとずっと探してしまった。いつもの感じとはまるで違っていて、でも優し気でいて油断できない感じはいつも通りぴったりだった。

 そして左側の三船敏郎。心に決意を秘めた秘書役。テーマを口笛で吹きながら着々とことを進めているところかっこいい。そして相棒の加藤武が、金田一シリーズみたいな抜けた役でなく、正統派な友人ポジションでこれも渋い。

冒頭の結婚式のシーンで、新聞記者たちがわんさと押しかけているのに違和感を感じたが、よく考えたら、昭和の披露宴ってテレビで放映されたり派手なことあったなあ。記者の中で特に目立っているのが、三井弘次。この方は、小津安二郎の「浮草物語」で前途のある青年、同監督の戦後のリメイク「浮草」で、どうしようもない旅芸人を演じていたもので印象深く、もうすっかり覚えた。この映画でも皮肉屋の新聞記者がぴったりだった。

志村喬がずるい上司役で出ているが、いやな役はいやな役でうまい。最近注目の西村晃はその下のかなりかっこ悪い役。(熱演)。さらにその部下の和田というのがとても味があると思ったら藤原釜足氏であった。藤原氏は庶民感覚溢れるおびえたような眼とかうまいなあ。そして、なかなか見せどころのある役であった。検事が宮口精二笠智衆、弁護士に中村伸郎と超豪華。それだけでもわくわくする。

テーマは今日的でもある不正ととかげのしっぽ切り。「巌窟王」が下敷きになっているようだが、私は「ロミオとジュリエット」も思い浮かべてしまったが、甘い感想なのかも・・