2017-01-01から1年間の記事一覧

人間座 60周年記念公演 水族館

原作アルド・ニコライ 脚色ジョルジュ・ソニエ 翻訳和田誠一 演出山口浩章チラシより イタリアのとある都市。 兵役を終えたセレスタン・ヴィオラは、母親、姉夫婦と質素な家で同居している。 仕事に就かず、小さな水槽を眺めてばかりのセレスタンだが、義兄…

枯野の宿

ずいぶん前に買っていてちゃんと読んではいなかったのだけど、ふと開いてみて「リアリズムの宿」が、今年立ち寄った青森県鰺ヶ沢近くであったことに驚く。気持ちよく写真を撮ったりしていた五能線の風景も厳しく描かれている。再読するまで映画になった「リ…

平成紅梅亭100回記念番組 

TV

11/21の放映を録画鑑賞。 桂米團治 「 稲荷俥 」 桂福團治 「 薮入り 」 笑福亭松喬 「 へっつい幽霊 」 桂文枝 「 惚けてたまるか! 」桂文枝の新作落語 「 惚けてたまるか! 」、普段シニア世代の方と接することが多いので、しゃべり方の特徴などリアルで…

魚影の群れ

公開当時は自分と無縁っぽい作品だと思っていたのだけど、東北に関心を持つようになった昨今、大間やむつが舞台という事で俄然興味を持った。 1983年相米監督作品。佐藤浩市演じるむつ市で喫茶店を営む若い男が、緒形拳演じるマグロ漁師の娘、夏目雅子を好き…

新・座頭市 第三シリーズ 16話 「迎え火・送り火・灯籠流し」

TV

倍賞美津子さんお若い!見かけによらず、実はお姉さんより尽くす女タイプとかきいたことがあったけれど、これはまさにそういう役。けなげでぴったりはまっている。森一生監督作品とのこと。(こちら参照)浦辺粂子さん、出てこられるとぬくもりや現実味があ…

秘密と嘘

マイク・リー監督作品の風合い(ビターだけど突き放しているわけではない感じ)が好きで代表作といわれるこの作品をみてみた。カンヌでパルム・ドール受賞。評判通りの作品!今まで見た中で一番見やすくまとまっているように思う。(「ハイ・ホープス キング…

ハッピーアワー

公式サイトより 演技経験のない4人の女性たちがロカルノ国際映画祭で最優秀女優賞を受賞し話題となった本作は、市民参加による「即興演技ワークショップ in Kobe」から誕生した。ほとんどの登場人物を演技未経験者がつとめ、総尺5時間17分の大作 みるまでは…

水の旅人

1993年大林宣彦監督作品。 すごい拾い物だった。山崎努さんが水の精霊、墨江少名彦という役で、一寸法師の晩年のような役なんだが、役の上では小さいにもかかわらず、さすが山崎さん、武士の風格がすばらしく、CGを使っての、子役との共演はちょっと「スター…

クヒオ大佐

クヒオ大佐は「カタクリ家の幸福」でキヨシローさんが演じていて、今更みなくても・・なんて思っていたけれど、wowowでしているとひきこまれて見てしまう。(いつも少し開始してから気が付く・・次回は最初からみたい。)芸達者揃いでテンポも良く退屈しない…

荒野のダッチワイフ

リリー・フランキー氏の日本映画コラム「日本のみなさんさようなら」によると監督の大和屋竺氏は「日活の鈴木清順一派の『具流八郎』の一員として『殺しの烙印』を書き、旧『ルパン三世』の最高傑作『魔術師と呼ばれた男』の脚本でも知られ、60年代末なら…

お父さんと伊藤さん

タナダユキ監督の生活の切り取り方が好きでwowowから録画。歳のいった親と自分とパートナーの関係。機微がリアルに描かれていてひきこまれる。30代女性の、親が気になってないわけではないけれど一番喜ぶ方法がわからない感じ、とても上手に表現されている…

実録 阿部定

田中登監督が画面にこだわる人であることはきいていて、ちょっと町にでるところや室内の雰囲気は素晴らしいと思ったが、話としては女中だった阿部定が主人筋である男と遁走して、部屋にこもって性愛三昧という部分が、いかにも先のないやけくそ感に満ちてい…

旅の重さ

昭和47年斎藤耕一監督作品。 若き高橋洋子と秋吉久美子。(秋吉久美子の出てくるところは少ないがとても印象的。)オーディションの1位と2位だったというようなことを読んだが、いずれも瑞々しい。(はじめ高橋洋子さんのことを関根恵子とごっちゃにしていた…

ポルノ時代劇 忘八武士道

忘八者とは、「八犬伝」のテーマでもあった「仁義礼智忠信孝悌」の八つの徳目をすべて捨てた連中という意味とのこと。 小島一夫の原作劇画を石井輝男が映画化。劇画を映画化したテンポ、ほんと裸だらけでナンセンスだけど70年代の空気が横溢しており、力が…

エノケンの孫悟空

昭和15年度作品。ディズニーのヒットメロディー(「ハイホー」や「狼なんかこわくない」等々)の旋律が大胆に使われているという話をきいていて気になってはいたのだけど、windshipさんの日記を拝見し、借りてみることに。日記で書いておられた高勢実乗さん…

愛さずにいられない

yahoo movie 勉強家で同時通訳の仕事をし、海外での留学も決まる女性と、ポーカーで生計を立てているような男性の物語。つまらない常識人の自分からみると、仕事から帰ったら連絡するという女性の帰ってくる日を待って、連絡が遅れると仕事場に押しかけたり…

牝猫たち

ロマンポルノ・リブートということで、現代の気鋭の監督たちにロマンポルノのオマージュを撮ってもらう企画で生まれた作品。このシリーズ上映時とても評判がよく、みるのを楽しみにしていた。 これはまさに、「牝猫たちの夜」*1の現代版のような作品。舞台を…

団地妻 昼下がりの情事

日活ロマンポルノ第一作。白川さんのほんわかした雰囲気が好きで、「ロマンポルノの女王」という異名と、近年のおばさんに徹しきったような演技、その落差がまたいいなと思ったりしていたのだけど、71年の白川和子さん、こんなに初々しく、今良いなと思って…

牝猫たちの夜

田中登監督の、エロスとタナトスの隣り合わせ感、この映画でも濃厚。「屋根裏の散歩者」*1ではタナトスがあるからこそのエロスを感じたけれど、この映画では、エロスに内在するタナトスを感じる。グレゴリオ聖歌のくだりのいたいたしさの良さ。 72年頃の新宿…

ヤクザと憲法

公式サイト よいタイトルだ。身に沁みる公権力のこわさ。 公式サイトのトップを飾るなかなか味のある顔の人たち。なんかヤバそうな商売をしてごまかしごまかし語る男性の味。部屋住みの若いものをかわいがる、帽子をかぶった苦労人風の男性、選挙権がないこ…

怪談かさねが渕

1957年中川信夫監督作品。累が淵題材の文楽「薫樹累物語」*1をみたことがあるが、伊達騒動とからませてあって、この物語とはまた違う感じ。共通するのは、血の因縁がからむ恋愛やのりうつりの要素かな・・新吉を演じる和田孝という俳優さんの優男っぷりが歌…

屋根裏の散歩者

これまたtwitterでの石橋蓮司さんのベスト5に挙げてられた(こちら)意見から、さらにまた最近追っかけている田中登監督でもあるので鑑賞。 石橋さん、対象への特殊なアプローチぶりが和製テレンス・スタンプ(「コレクター」*1時)みたいな雰囲気。 田中登…

女組長

映画comの紹介 江波杏子扮する女組長とは鳶、ゐ組の組長の跡取りという事。時代は明治末期。新橋駅近くの運輸に関する利権を巡ってのきなくさい騒動。(←火消しだけでなく、運輸業に手をのばしたりしていたらしい。) 江波杏子は、火消しの跡取り娘ではある…

人妻集団暴行致死事件

大傑作。 昭和53年度作品。キネマ旬報ベストテン第8位。ロマンポルノのベストに挙げる方もいらっしゃるとのことだったが、よくわかる。 地元で再会した不良仲間三人。根はそんなに悪い奴らではなく、ごくごくどこにでもいそうな若者たちが、ただもう愚かし…

憲兵銃殺(憲兵と幽霊)

天知茂のベスト5にtwitterであげておられる方がいらしてみてみた。(こちら参照) 確かに。若くてクールな色悪の魅力。不幸な境遇から這い上がり人を蹴落としてなんとか生き延びようとする、「白い巨塔」の財前五郎をもっと悪くしたタイプ。明快に悪いので…

持永只仁展〜人形アニメを通した日中友好の足跡を追う

おもちゃ映画ミュージアムにて(こちら参照) 今年東京のフィルムセンターで持永只仁展が催され、とても興味を持っていたのだけど、行けなかった自分にとって京都で持永さんの「少年と子だぬき」、そして、岡本忠成の「おこんじょうるり」や、川本喜八郎の作…

この世界の片隅に 前編・後編

映画*1の方がわかりやすく作ってあるような気もした。 原作の方が色々な方向からその時代を描いているのだけど・・特におもしろかったのは前編の悩み相談の形式を使って描いているところ。後編の愛国かるた、衣料切符を女の子の入学にいる一式として描いてい…

キャリア・ガールズ

この頃えらく好きになっているマイク・リー監督作品。 「ライフ・イズ・スゥイート」*1の、自閉気味の女の子のような、自分をうまく愛せない女性を変形させたのがこの映画の主人公たちの大学時代の姿のようにも見える。一人は、「ライフ・イズ〜」のように、…

闇金ウシジマくん part3、final

闇金ウシジマくん Part 3発売日: 2017/02/25メディア: Amazonビデオこの商品を含むブログ (5件) を見るpart3では、今気になってしょうがない浜野謙太氏が、どうやらモデルがいるらしい虚業ビジネスの帝王みたいな役をしていて、嬉しかった。もう徹底した演…

戦ふ兵隊、ルーペ

「戦ふ兵隊」の方はビデオパッケージによると、中国大陸での兵士たちを撮って、1939年に完成したが、軍の検閲で反戦的な哀感が強すぎるという理由で公開中止となったという。また、演出を手掛けた亀井文夫も41年治安維持法により逮捕・投獄され、その理…