エノケンの孫悟空

昭和15年度作品。ディズニーのヒットメロディー(「ハイホー」や「狼なんかこわくない」等々)の旋律が大胆に使われているという話をきいていて気になってはいたのだけど、windshipさんの日記を拝見し、借りてみることに。日記で書いておられた高勢実乗さんの決めぜりふ、どこかできいたような気がするのだけど*1・・1947年に亡くなっておられて、話としてきいていたのかな・・出演陣も豪華で、いろいろな要素がてんこ盛り、前後編で2時間を超える作品なので、windshipさんもおっしゃってるように高勢さんだけが目立っているというものではなかったけれど、高勢さんのシーンは愉快な魅力があった。
オズの魔法使い」との共通点を指摘されているブログを拝見したが(こちら)わたしもとてもそれを感じた。旅をしながら出会う奇妙な人々。途中登場する「志那人形」の動きも確か「オズ〜」でみたシーンと重なる。
旅の中で盛りだくさんなことに出会う感じ、ちょっと現代でいうと「勇者ヨシヒコ」シリーズのような風合いも。
子役で登場する中村メイコが達者でかわいらしい。エノケン李香蘭などが出てくるような、こんな時代から活躍していたんだ・・だからこそ、「徹子の部屋」での、昭和の名優回想録などにも出演されて、豊富なこぼれ話を提供できられるんだ・・
特撮のところに円谷英二(と奥野四郎)の名前が。悟空たちの乗る飛行機(ゼロ戦とか?)のおさるさんの模様がかわいらしい。
金鈴という役の渡辺はま子さんの歌声が美しい。高峰秀子が、魔法をかけられたお伽の姫の役。まだ可憐な感じ。映画「阿片戦争」とかと時代が近いのかな・・と思ったら「阿片戦争*2は昭和18年。あれより三年前の作品だったんだ。

日劇ダンシングチームが、東宝舞踊隊と名前を改めているところに時世を感じた。

all cinema 前編 後編

*1:あとで「ハクション大魔王」が高勢さんへのオマージュとのtweetを読みなるほど!となる

*2:http://d.hatena.ne.jp/ponyman/20121030/1351552293