「ラストナイト・イン・ソーホー」、「ベイビー・ブローカー」

近年の映画を二本。 「ラストナイト・イン・ソーホー」 ラストナイト・イン・ソーホー (字幕版) トーマシン・マッケンジー Amazon 60年代スウィンギング・ロンドンの頃のファッションが出てくるということで観てみたが、現代とあの時代を交錯させる感じは楽…

逢びき

逢びき [VHS] 東北新社 Amazon 勝手に想像していた悲恋物語に観客が付き合わされるという感じが全くなく、実に面白かった。 駅の列車や待合喫茶の軽いやりとりから始まる冒頭、何度も舞台になる待合喫茶のマダムの様子が丁寧なのも、何やら深い想いがありそ…

欲望

欲望(字幕版) バネッサ・レッドグレーブ Amazon 「さらば青春の光」*1に出てきた60年代ロンドンスタイル、もっと観たくなり検索したらこの映画がヒットした。いつか観ようと思っていたがアントニオーニ監督、難解なのかなと後回しになっていた。カメラマン…

さらば青春の光

マイケル・ケイン主演の「アルフィー」*1など60年代のイギリスファッションに惹かれるものがあり「60s UK STYLE」という本を購入。 60s UK STYLE 作者:竹内絢香 徳間書店 Amazon 「モッズ」スタイル映画の代表作として紹介されていた「さらば青春の光」をや…

フォロー・ミー

フォロー・ミー [Blu-ray] ミア・ファロー Amazon 以前から映画愛で一杯の知人にすすめられていて、いつか観るつもりではいたけれど、「伊集院光の今週末この映画を借りて観よう vol.2」に周防監督のおすすめとして紹介されていて時が満ちたのを感じ鑑賞。 7…

四重奏

「バルカン超特急」と「ミュンヘンへの夜行列車」を観た記事*1にも少し書いたけれど、この二作品に出てきて私の気持ちをさらったイギリス人紳士ペア 「バルカン超特急」より 「バルカン超特急」のwikipediaによると ノウントン・ウェイン(英語版)とベイジ…

「ミュンヘンへの夜行列車」と「バルカン超特急」

英国の監督で脚本家であるシドニー・ギリアットのことがtwiterで話題になり、監督作品の「絶壁の彼方に」*1は楽しんでいたので脚本担当の「ミュンヘンへの夜行列車」を鑑賞。 ミュンヘンへの夜行列車(字幕版) R.ハリスン Amazon この作品について同じくシ…

結婚 女たちの夜明け、恋の旅路

ローレンス・オリヴィエが関係している二本の映画を観た。(両方TVムービーと思われるけれど「恋の旅路」のみall cinemaにTVムービーと記載されている。) 結婚 女たちの夜明け [VHS] 発売日: 1989/08/04 メディア: VHS 「結婚〜女たちの夜明け」は ローレン…

ボクと空と麦畑

ボクと空と麦畑 [DVD] 出版社/メーカー: 東北新社 発売日: 2003/10/24 メディア: DVD みたのはVHS版 12歳の、人には説明できないような屈託、あこがれ、もやもやの秀逸な表現。舞台は70年代のスコットランドの工業都市グラスゴー。音楽や映像が時には皮肉な…

おかえりなさい、リリアン

movies.yahoo.co.jp 感受性が鋭く愛に対する欲求が強すぎたために60年も精神病院で暮らしてきたリリアン。病院の建て替えをきっかけに甥っ子の家庭にひきとることになるが、その妻、元女優のハリエットも思春期に差し掛かっている息子の子育てや次の子どもの…

バタフライ・キス

バタフライ・キス [DVD] 出版社/メーカー: キングレコード 発売日: 2001/03/21 メディア: DVD クリック: 15回 この商品を含むブログ (16件) を見る vhsにて鑑賞。 接客仕事&家で介護経験ありの自分にはぎょっとするような人物が話を引っ張っていき、なんとい…

としごろ

eiga.com 若きヘレン・ミレンが、ジェームズ・メイスン演じる画家が喧騒から逃れるために出かけた島の若い娘役をしている。海産物を売って都会に出ていくことを夢見ている女の子。がっちりしていて素朴な感じがおもしろいし、画家が描く彼女の絵、とてもセン…

オー!ラッキーマン

オー!ラッキーマン メディア: DVD この商品を含むブログを見る (みたのはvhs) マルコム・マクダウェルがH.G.ウェルズを演じた「タイム・アフター・タイム」*1がとてもすてきでこの作品をみた。役柄の種類としては「タイム・アフター~」と「時計仕掛け~」…

黄昏に咲いて

スティーブン・フリアーズ監督のTVムービー。 寝たきり生活をしている85歳の叔母のところに、未亡人になった姪が訪ねてきて一緒に暮らしはじめるという物語。 切り口はおもしろく、集中してみられたけれどもう少し深めてほしいかな。 叔母のQOLを高めたいと…

ホフマン物語

ホフマン物語 [DVD] 出版社/メーカー: ジュネス企画 発売日: 2010/03/25 メディア: DVD 購入: 1人 クリック: 2回 この商品を含むブログ (2件) を見る みたのはvhs版。 パレエとオペラを融合させた映画。舞台美術などとても凝っていて楽しめた。幼い頃きいた…

求婚物語

50年代の若き二人の新婚コメディ。感じたのは60年代にやっていたテレビ「奥さまは魔女」風味。(音の感じなども。)ウィンクして微笑むってテイスト。登場人物に嫌な人がいなくていい感じ。個人的には長年の結婚生活で忘れがちの初心にかえるような気分になる…

愛と哀しみのエリザベス

マイケル・ケイン演じる作家にグレンダ・ジャクソン演じる妻 以前はどこへ行くのも一緒の二人で、妻は子どもや家族を大切に思っているが、息抜きの必要も感じ、温泉地バーデンバーデンへ。 そこにいたのがヘルムート・バーガー演じる自称詩人。 マイケル・ケ…

Sweet Sixteen

ケン・ローチ監督のドキュメンタリー*1で、登場人物の自然な表情、その人らしさをひきだすことを大切に思っておられる話がでてきたが、この映画もまさに、16歳になろうとしている主人公や友人の表情のリアルなこと! 知恵で自分の道を切り拓いていくところは…

遥か群衆を離れて

movie walker 1967年 ジョン・シュレシンジャー監督、トーマス・ハーディ原作。ジュリー・クリスティ演じる英国の農場経営者(なかなか魅力的)を巡る三人の男性の話。トーマス・ハーディ、「テス」をずいぶん前にみたが、同じ作家という感じがとてもする。 …

ヴァーサス/ケン・ローチ映画と人生

是枝監督のカンヌの受賞後の騒ぎなどを思わせるようなところもあり、大好きな映画「ケス」*1製作秘話も。 ケン・ローチと初期の仲間はミロス・フォアマンの映画の、人物の自然な表情を撮るところにとても惹かれたという。(「ブロンドの恋」の場面が出てきて…

日曜日は別れの時

twitterでdvd化を待っている方の書き込みを読んで借りてみた。ビデオジャケットより 40歳になるユダヤ人の開業医、ダニエルは若い芸術家ボブと同性愛の生活を送っている。が、ボブには年上の女性アレックスという恋人もいた。アレックスもダニエルもお…

わたしは、ダニエル・ブレイク

京都シネマにて 公式サイト ケン・ローチ監督の、伝えたいことがずばっと伝わる話法いい。「ケス」*1の少年の怒りの精神がここに、もっと広がりをみせて描かれていると感じる。人間を幸せにするためのシステムのはずが、人間を苦しめている。ユーモアや温か…

レインボウ

原作ではこの作品の続編にあたる「恋する女たち」の方は以前みたことがある。*1。その時は、個性の強い登場人物に少し腰が引けていたような気がするのだけど、今回、ヴィクトリア時代に自我を追い求めるヒロインの姿にとても打たれた。女性が自分の理想を追…

戦場の小さな天使たち

意表をつくおもしろさ。 邦題がありがたすぎて、この映画のたのしさを伝えていない。原題は「Hope and Glory」。 第二次世界大戦中のロンドンの少年の一家の物語だけど、こんな戦中もの初めてみた。リアリスティックで生きる力に満ちていて、少しの陰影もあ…

ハイ・ホープス キングス・クロスの人々

マイク・リー監督の出世作とのこと。イギリス映画らしい抑制がきいた感じがとてもいい。友人が同監督の「秘密と嘘」をみて、自分の人生の転機を得たといっていたが、わたしもこの作品をみて人生の対処に対するヒントをもらった。いつまでも子どもが欲しくな…

ライフ・イズ・スウィート

ふや町映画タウンのおすすめ(☆ 「・・・・・・ちょっとおすすめ」)。 マイク・リー監督作品をはじめてみた。。と、思ったが、「人生は、時々晴れ」*1をみていたことに気づく。 イギリスの中年夫婦とその双子の娘二人の家庭を中心に、地味だけど丁寧に人間…

召使

ジョゼフ・ロージ―監督、twitterで教えてもらった「恋」*1が面白かったので、もう一つ紹介してあったこちらも。ドス黒くて楽しめた。イギリスの、微妙にワキの弱いぼんぼんのところにやってくるソツのない召使。じわじわっとご主人を翻弄し始める。ご主人に…

モーガン

1965年英国作品。バネッサ・レッドグレーヴが第19回カンヌ国際映画祭主演女優賞受賞。 なんとも風変わりな作品だった。若きバネッサ・レッドグレーヴはかわいらしかったけれど、離婚訴訟を起こし、別の男性とつきあいはじめているのに追っかけ続ける夫のモ…

ケス

こちらの記事を拝見していて、「ザ・ロイヤル・テネンバウム」にも影響を与えている「ケス」とはどういう映画なのだろう?と思いみてみた。 イギリス映画らしい苦味。イラン映画の「友だちのうちはどこ?」級の先生の厳しさ。こちらの方はその振る舞いが尊敬…

フレンジー

ビデオジャケットより、 「もうヒッチコックも限界だ」と囁かれだしたヒッチが、久方ぶりに母国ロンドンに帰り、「ヒッチコック復活」を世界中にアピールした、晩年の傑作 文句なしにおもしろい。ぱっと音を消したり、見せるところを区切る効果、はさみこま…