黄昏に咲いて

ティーブン・フリアーズ監督のTVムービー。

寝たきり生活をしている85歳の叔母のところに、未亡人になった姪が訪ねてきて一緒に暮らしはじめるという物語。

切り口はおもしろく、集中してみられたけれどもう少し深めてほしいかな。

叔母のQOLを高めたいと姪がやっきになるところは、母の介護が長かった自分には思い付きでいろいろして疲れを出すのでなく長続きするプランが大切なんて思えてしまった。まぶしかったのかな。。

追い出された家政婦が事故が起きないため楽しいこと一切しないで判で押したような暮らしをしているのを、この姪は憤るのだけど、責任を考えるとそうなってしまうのは仕方ない。

もちろん、話さないお年寄りに対してどうせわかりませんから、みたいな態度をとるのは全く赦せないことなんだけど。これは介護されている母の側にいて何度も感じたことだ。そういう扱いを受けているお年寄りの表情、ジーン・シモンズがものすごくリアルに演じている。

息子夫妻の描きかた、特に嫁さんはただのイヤなやつになってしまっているが、憎まれ口を本人の前でいわす、単純な敵役的な感じでなく、もう少しデリケートに描けないものだろうか。影でちょっとあの人いきなりやってきて怪しくない?みたいな。。成瀬監督の作品のヒトコマみたいに。。

息子のことはきらいになれない。息子とはこういうもんだと思う。尊厳死の映画「92歳のパリジェンヌ」でも息子は枠から外れることに対しておろおろしてしまっていて社会の主要構成員なんだから仕方ないと思う。