かづゑ的

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長島のハンセン病療養所で老境を迎えるかづゑさん夫妻

読書と書くことに支えられた知的でユーモアのあるかづゑさんの言葉で映画が支えられ、全く構えずに鑑賞できる。

なくなってしまった指先をことごとしく取り上げるのでなく、そこまでどんなにこの指が働いてくれたかを語るかづゑさん、そこからどう暮らしをしていくのか誠実に追っていくカメラ。

「小島の春」*1の物語のあと着いた先ではこんなことがあったのかと思うような話も出てくる。

障害や社会問題が背景にある作品、観ている人たちと対象がどう違ってどう偉いか、観客も敬してる風で遠ざける、そんな古くて重い悪いイメージで構えてしまうこともあるかもだが、そんな心配とは対極にある作品。自分や周りのものの老いてからの時間とすっかり重ね、笑いそしてぐっときながら鑑賞。良い時間を過ごせた。

構えなしで観られ自分に向けられた作品と感じた。