2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

初笑い寛永御前試合

すごく楽しかった。花菱アチャコがなぜか腕の立つ(だけど人情味あふれすぎおっちょこちょいの)武芸者になっていて聞き覚えのある「めちゃくちゃでござりまする」風の言葉でずっと通す。古川緑波が少し前に観た「家光と彦左」の時と同じく大久保彦左衛門を…

次郎長三国志・次郎長売出す

ちょっと前に観た「続・清水港」がすごくよくて、さらに長いバージョンを・・と思い次郎長が親分になっていくところからのこちらも観たのだけど、感じが違う。前者は現代と森の石松の時代がまざった新味のあるコメディーで浪曲の占める部分も大きくそれにえ…

ある愛の詩

有名すぎるテーマ音楽、タイトルゆえに敬遠していたが、町山智浩の映画塾というものでwowowで特集されていたのでみてみた。勝手に想像していた周りの大人の無理解に突っ走る悲劇的な孤高のカップルの話でなく、父親へのコンプレックスをいつまでもひきずって…

祭りの準備

高知県中村の漁師町。起きることはどろどろしているのに全然陰惨な感じがしない。原田芳雄演じるところの利広の手くせは悪いし暴れるし・・だけど、すごく魅力的にみえる人物造形によるところも大きいのではないだろうか。西原理恵子の描く高知の感じとも重…

コーヒーアンドシガレット

写真と絵で構成されている本。(写真の中に漫画の人が混ざりこんでいる。)都会の一人暮らしの女のひとの生活の中で大切にしているものを綴った断片という感じ。絵や物事へのセンスもかいてあることも主婦としての自覚に欠けている自分にはなんだかすごくし…

うつにもいろいろあるんです

細川貂々さんの絵は人を安心させてくれるなあ・・この筆致でこそ!の本。 うつにもいろいろあるんです。 (オレンジページムック)作者: 細川貂々出版社/メーカー: オレンジページ発売日: 2011/02/24メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブ…

ツレと貂々、うつの先生に会いに行く

Q&A方式でたとえば「病気と単なる落ち込みはどう区別つけるの?」だとか「周りにはどう説明すればいいの?」「患者が家で休んでいる時、家族はどうすればいいの?」などの事柄に慶応大の精神科医で「うつ・不安ネット」の監修をされている大野裕氏が答えてい…

ミリキタニの猫

途中でミリキタニ氏が書をしたためる「信」の文字。国家的規模の出来事(ここでは戦争)に巻き込まれ、「信」を失ってしまった人への働きかけはゼロからよりずっと険しい。映す対象をここまで取り込んでしまっては大変だろうに・・とこちらが心配になる中、…

秀子の車掌さん

どんどん省略して描いていて簡潔。さすが成瀬監督。引き際のあざやかさが一期一会を思わす。それがほんとにさらっとしていてすばらしい。秀子の車掌さん 【東宝DVD名作セレクション】高峰秀子Amazon

牛の鈴音

おじいさんと老牛の物語だけど悲壮感がない、ときいていたが、確かに・・おばあさんの罵倒の言葉(農薬使えば楽なのに牛の食べる草に毒という理由でおじいさんが農薬使ってくれない・・おじいさんは牛のことしか考えてない等々)が小気味よく笑いながらみる…

家族がいてもいなくても

この連載中にお父様が亡くなられたのかな・・企業戦士ー家での矍鑠とした姿、奥様の介護、と他人事とは思えない。車いすのお父様との散歩中に通りがかりの人にいわれなく罵倒された話は我がことのように胸が痛んだ。 将来への備えをがっちりしているたくまし…

ゴランノスポン

そうそう町田さんは時代物を咀嚼して楽しませてくれるのが上手な人だった・・と、一番最初に収録されている「楠木正成」を読んで再確認。今まで、江戸時代から持ってきているような雰囲気がする作品が多かったので、「楠木正成」や、さらに遡っての「末摘花…

私は猫ストーカー

うーんどうだろうなあ・・これは原作の方がずっとよさそうな・・(読んでないけれど、あの絵とかから漂う雰囲気で。。読まねばね!)映画としてまとめるために人間の恋愛沙汰とか混ぜてあるような風にみえるけれど、なんだかそこが私には。。谷根千や古書猫額…

ゾンビランド

wowow映画塾っていうので紹介されていたのをひょんなことでみて、勢いで本編も。ゾンビ映画って苦手の部類なんだけど、これは解説の三留まゆみさんがおっしゃってるように陰惨でなくて主人公の設定(ひきこもり系)やカメオ出演のスターの使い方などすごく現…

家光と彦左

movies.yahoo.co.jp徳川家光と大久保彦左衛門のおはなし。彦佐役の古川緑波、中野翠さんの本や、三谷幸喜氏のドラマ「わが家の歴史」で名前を意識していたけれど、姿をみたのははじめてかも。Cinema Scapeによるとこの時38歳とか?これはすごい。おはなし…

トモちゃんはすごいブス 1

森下裕美さんの発想のおもしろさ、人間観察の深さにいつも感激してしまう。天涯孤独になった引きこもりチコちゃんのところにいきなりやってきたお父さんと出会い系で出会ったという超ブサイクなトモちゃん。でも時代劇の機転のきく時には主をいさめたりもす…

チャンネルはそのまま!4

社会を構成しているのは多種多様な人々でそれぞれ持ち場があるんだよっていうことを中堅的な地方テレビ局に働く人たちを通して表現していて、佐々木倫子さんのものは取材もきちんとしているから気持ちよく読める。(今回もテレビ局に勤める友人から聞いた話…

明るい老後のための一人暮らしの練習帳

著者の久田恵さんは私より10歳ちょっと上。お母さんの介護をまじめなお父さんと二人で担当し、その中でいろいろ思ったり・・なんてところや、日常生活へのスタンス(地に足ついた生活上手、っていうタイプではない)など、勝手にすごく親近感を抱いて、そ…

續清水港(清水港代参夢道中)

昭和15年の作品で、戦後再公開されたときに「清水港代参夢道中」と改題されたという。「森の石松」の芝居をつけている演出家が江戸時代にタイムスリップして森の石松になり、周りの専務や事務員も全員江戸時代の人になっているというおもしろいつくりにな…

映画は映画だ

中野翠さんが2009年の私的ベスト10に挙げておられた作品。韓国版「ブロードウェイと銃弾」というか、やくざものが映画の世界に闖入、お互いに影響を与えてしまう・・という映画愛を感じる作品。生々しい表現、真剣さとおかしさのまざった感じなど韓国…

運命の鳥

読みづらかったり、おもしろくなかったりするわけじゃないけれど、このシリーズで以前読んだことのある「専務の犬」とかの方がうまく描いたなぁという気持ちで読めたなぁ・・町内の新聞とかお料理の投稿とか目の付け所はいいなと思うのだけど・・高橋留美子…

双調 平家物語 9

このあいだ読んだ松田奈緒子さんの「えへん、龍之介。」に、芥川の文章のことを「新しいのに優雅で古典的均衡があって―――美しい」と若き川端康成に語らせているのだけど、この言葉を見たとき、もちろん芥川の文章もそうなのだけど、自分にとっては最近ずっと…

大阪ストーリー

在日コリアンの父と日本人の母の間の長男として生まれた中田統一氏が、英国国立映画テレビ学校の卒業制作として作った実家の様子のドキュメンタリー。まるで「血と骨」を地で行くような強いお父さん・・一代で会社を築き上げ一族郎党を養っている様子は、国…

阿賀に生きる

阿賀野川川筋に暮らす老夫婦、舟大工、餅つき名人などごく普通の人の姿をそこで3年も一緒に時間を過ごし信頼関係を作りながら撮っていった作品。新潟水俣病の影響を受けている場所で、訴訟の話も出てくるのだけど、表面きっての訴訟映画とか公害を訴える映…

男はつらいよ

wowowで第一話をやっていてなんとなくみていたらそれぞれ(寅さん、タコ社長、おいちゃん等々)のセリフとかテンポよくて、罵倒の言葉とかおかしくて、完全に惹きこまれた。津坂匡章(現芸名秋野太作)が子分役をやっているんだな。もっと後の寅さんしかみた…

えへん、龍之介。

「歴女」という言葉が浸透する前に愛すべき歴女の物語「レタスバーガープリーズ.OK,OK!」を描いた松田奈緒子さんが芥川龍之介と田端文士村の人々を魅力的な作品に!ちゃんと調べて作られていて、絵の構図もすてきで、視点も良い。大切にしたい一冊。えへん、…