少女情婦

高橋伴明監督 1980年作品

2022年の冬に鑑賞してタイトルだけ下書きにいれていたのだが、春にビリー・ワイルダーの「あなただけ今晩は」*1を観た時、冒頭シャーリー・マクレインが悲しい身の上話(作り話)を商売(売春業)につなげる話、どこかでこういうの観た、寸借詐欺めいた思い切り胡散臭いスタート、ヒロインの痩せた身体が痛々しいんだかなんだかで・・と必死で思いだしたどり着いたのがこの映画。

高橋伴明監督、「愛の新世界」*2でも、なにやらおっかなく油断ならない風俗の世界からのスタートで、冒頭観るものにびっくりパンチを先制攻撃しておきながら、その後、くさくない感じで出てくる人たちの心情、魅力を描いていて好感を持ったが、「少女情婦」もみているうちに少女の理屈がほほえましく感じられるような、なんか絵空事めいたところもありつつ登場人物を好ましく応援してしまうような妙なあたたかさのある作品であった。高橋伴名監督の芯にそういうものがあるのではないかと思っているのだけど、どうだろうか。

当時の東京の街角の風景(多分国会議事堂前近くとかも映っていた?)も嬉しい。