デルス・ウザーラ

デルス・ウザーラ モスフィルム・アルティメット・エディション [DVD] ユーリー・サローミン Amazon 黒澤不遇の時代あたりに作られ、製作に苦労したような話も仄聞しており鑑賞が後回しに。 漫画家ヤマザキマリさんが息子さんにこの作品の主人公の「デルス」…

PERFECT DAYS

www.perfectdays-movie.jp ヴィム・ヴェンダースが日本で撮った新作、褒め言葉、批判両方ないまぜの情報が先に入ってきて、それをつい意識しながらの鑑賞。 役所広司演じる平山は超ルーティン人間でまず親しみと尊敬の念。自分も日々の生活の反復を好んでい…

ジャン・ポール・ゴルチエのファッション狂騒曲

gaultier-movie.jp ゴルチエの人生がテーマの舞台レビューの製作過程を追いながらゴルチエを構成するアイテムを覗いていく趣向の作品 奇抜でケレン味あふれ、異形に惹かれる彼そのものを表すコスチューム。孤独な少年時代から女優へのあこがれ、同性パートナ…

洲崎パラダイス赤信号

洲崎パラダイス 赤信号 新珠三千代 Amazon 1958年 川島雄三監督 20年ぶり*1に再見 初見時よりずっと印象がいい。「風景や情緒は味わえたが結構男女関係等どうしようもなかったような。。」なんて勝手な後味を持っていたが今回は爽やかで前向きな作品に感じ…

movies.kadokawa.co.jp 面白かった。 普段観ている時代劇のような標準語で品良く話すのでなく方言まるだしでやることもいうこともエグいエグい。ほんと「アウトレイジ」戦国版。極端な人物造形だがなるほどと唸らされるようなところ大いにありでとても楽しめ…

枯れ葉

kareha-movie.com シャンソンの「枯葉」、子どもの頃よく聴く機会があったがしんみりしすぎていて苦手だった。 それが、それが。。アキ・カウリスマキの最新作「枯れ葉」の最後に流れるのを歌詞をみながら聴いていたらまさにまさに自分に向けられた歌としか…

ナチュラルボーンチキン

www.audible.co.jp 初金原ひとみ。 良いタイトル。とんでもない根性なし、冒険なんかしたくない自分に向けられているような。。 主人公の超ルーティン人間ぶりが自分の肌にあって心地良いスタート。自分は日常を丁寧に描写してある事物が大好きで、そういう…

柔らかい殻

柔らかい殻 [DVD] リンゼイ・ダンカン Amazon 1990年 監督のフィリップ・リドリーは絵画も描く人らしくパンフレットにはどこか禍々しさを感じる絵が紹介されている。 アメリカのアイダホ州の農村でカエルで悪戯をする三人の子どもたちの様子から物語は始…

都会のアリス

都会のアリス(字幕版) リュディガー・フォーグラー Amazon 前から観ようとは思っていた。低体温でもやもやしたようなムードのスタートだけ観て後回しになったりもしていた。 自分自身がやるせない気持ちの時にちゃんと観始めたら冒頭の主人公の行き暮れ感…

ほろよい読書

www.audible.co.jp <収録作品> ショコラと秘密は彼女に香る 織守きょうや 著 初恋ソーダ 坂井希久子 著 醸造学科の宇一くん 額賀澪 著 定食屋「雑」 原田ひ香 著 barきりんぐみ 柚木麻子 著 一番良かったのは柚木麻子の最終話「barきりんぐみ」 コロ…

成瀬は天下を取りに行く

www.audible.co.jp 本屋大賞受賞の連作。 冒頭、主人公が奇妙に元気すぎてついていけないのではないかと危惧したが、聴き進むにつれ、心配したようなから元気なものでなく主人公たちと過ごすのが微笑ましくも楽しい時間となった。 勉強もスポーツもできて風…

女帝 小池百合子

www.audible.co.jp 著者の石井妙子さんは「おそめ」*1や「原節子の真実」*2「満映と私」*3など今まで映画界に近い世界のあまり知られていない事柄を丹念に調べ上げる仕事をしてきた人。この本で現都知事などという生々しくもチャレンジングなテーマを素材に…

殺陣師段平

殺陣師段平 [DVD] 月形龍之介 Amazon 森繁が段平を演じる「人生とんぼ返り」(1955)は観たことがあった。 これはそのオリジナル。監督は同じくマキノ。脚本が黒澤明。1950年。 段平はこちらでは月形龍之介。ちょっとコミカルなシーンもありこういう…

吾輩は猫である(市川崑 75)

吾輩は猫である [東宝DVD名作セレクション] 仲代達矢 Amazon すごく市川崑風味が前面に出ている。原作はもっとのんびりしたイメージだったけど、画面にコントラストつけたり、得意の仄暗い日本家屋の廊下を映してみたり。現作を読んだとき何故か好きだった衒…

大いなる驀進

大いなる驀進 [DVD] 中村賀津雄 Amazon 東京から長崎までの長距離列車特急さくらに乗り合わせる人々の風景を「オリエント急行殺人事件」風に描写していくもの。 鉄道マン三國連太郎の生涯を大河的に描いた関川秀雄監督の前作「大いなる旅路」*1に比べるとグ…

ゆとりですがなにか インタナショナル

宮藤官九郎のテレビドラマのスピンオフ作品。 いかにもテレビのスピンオフって感じの軽いタッチ。だけど変わってきている日本の状況が背景に描かれポイントに。宮藤官九郎ってその時代を描く脚本家だなと実感。 前作でも女性と関係を持ちたいのにからまわり…

私がやりました

フランソワ・オゾンの作品を観るのは久しぶり。しょうもないとか、オゾンも落ちたみたいな声もみかけたが私はオゾンの円熟がすごく嬉しく愉しめる作品だった。円熟と書いたけど初期のエッジが効きすぎて後味の悪い作品を思い起こしての話であり、「8人の女た…

コンビニ人間

www.audible.co.jp オーディブルで。 この作品が芥川賞を獲った時、想像してしまうようなコミカルなものではなくビターで驚いたというような感想をきいていたものでそのつもりで聴き始めた。確かにしょっぱな主人公の奇行ともいえる幼き日のエピソードが紹介…

祭りばやしが聞こえる

youtu.be 力の抜けすぎた寅次郎のシリーズをみてしまった直後九州のテキ屋さんたちに密着したこの番組を観て、なんたる差となってしまった。終始退屈させないし、その上詩情。木村栄文さんの名前は聞いたことがあったが、はじめての体験。 もちろん口調は渥…

寅次郎と殿様

男はつらいよ 寅次郎と殿様 HDリマスター版(第19作) 渥美清 Amazon 大好きなアラカンが殿様役で出演、その執事に三木のり平。ここまでは嬉しかった。ちょっと出て来る青戸の商店街もいい。しかし脚本が荒っぽい。いくらなんでもあんなんだとお話にのれ…

無法松の一生(1958)

無法松の一生 三船敏郎 Amazon バンツマ版(1943)*1ははるか昔にみたことがあったが三船版ははじめて。 バンツマ版の時の宮川一夫カメラマンの仕事が素晴らしかったもので、ちょっとそれが頭の中でがっちり伝説状態にもなって、少し懐かしんでしまうよ…

かづゑ的

www.beingkazue.com 長島のハンセン病療養所で老境を迎えるかづゑさん夫妻 読書と書くことに支えられた知的でユーモアのあるかづゑさんの言葉で映画が支えられ、全く構えずに鑑賞できる。 なくなってしまった指先をことごとしく取り上げるのでなく、そこまで…

夜明けのすべて

www.audible.co.jp これもオーディブルで。 三宅唱監督による映画化がとても評判のいいこの作品、映画は未見だが、パニック障害になる登場人物が出てくるとのこと。自分も近しい大切な人が複数かかったものでどんなものか聴いてみたくなる。 もう一人出てく…

青べか物語

青べか物語 [DVD] 森繁久彌 Amazon 山本周五郎原作 新藤兼人脚色 川島雄三監督 1962年 山本周五郎、「樅の木は残った」*1や「いのちぼうにふろう」などの時代読み物のイメージをベースに持っていたのだけど、一方ではこの作品や「季節のない街」などの庶…

はめる

クロード・ソーテ監督 1971 成果主義もここに到れりの警察稼業。旧友もその女も利用し「はめ」るミシェル・ピコリ。。 やはりクロード・ソーテ監督、ロミー・シュナイダー、ピコリの「すぎ去りし日の…」*1も静かなる描写の中に心を強く動かすものがあったが…

「喜びも悲しみも幾歳月」「名もなく貧しく美しく」

高峰秀子✕苦労する夫婦もの、ということでタイトルの二つの映画を混同していた自分。はっきりさせるために両方を鑑賞。 まず「喜びも悲しみも幾歳月」 喜びも悲しみも幾歳月 高峰秀子 Amazon テーマソングが有名な作品 佐田啓二演じる灯台守のところに見合い…

八月の御所グラウンド

またまたオーディブルで www.audible.co.jp 「十二月の都大路上下ル」」 「八月の御所グラウンド」の二篇が収録されている。 注意散漫なものだから、二篇になっていることに気づかず、最初に出て来た「十二月〜」の駅伝ランナーは野球の話と最後どう繋がるの…

裸足の伯爵夫人

裸足の伯爵夫人 Humphrey Bogart Amazon ズボラ心から父の帰宅時上り框を履物も履かずに裸足で飛び降り応対したら「おっと〚裸足の伯爵夫人〛か。。」なんて呟かれたことがあった。 その呟きの元ネタを知りたい、ただその気持ちでこの映画を鑑賞。 俗物の金…

スープとイデオロギー

soupandideology.jp ヤン・ヨンヒ監督 2021年の作品 「ディア・ピョンヤン」*1「愛しきソナ」*2では北朝鮮に渡った兄の家族とそれを日本から支えるヤン監督のご両親のことが中心だったが、一作目「ディア・ピョンヤン」が問題になりヤン監督自身北朝鮮渡…

愛しきソナ

starsands.com 先日観た「ディア・ピョンヤン」*1(2005)から6年後、2011年のヤン・ヨンヒ監督作品 「ディア・ピョンヤン」、北朝鮮の暮らしが映し出され、北朝鮮の体制についていけない気持ちはにじんでいたものの、とりたて扇動的とはみえなかったのだが…