ソクーロフ監督作品二本

アレクサンドル・ソクーロフ監督の映画を二本鑑賞。 一本目「穏やかな生活」。 穏やかな生活 [DVD] 古川利風 Amazon 明日香村の百年を超す家に住む老女の暮らしを静かにみつめるもの。amazonのリンクに名前が出てくる古川利風さんは、尺八担当。ほとんど言葉…

宮本武蔵どっぷり

先日来宮本武蔵やら佐々木小次郎やらの題材のものを何作か続けて鑑賞。 まずは「決定版」といわれているらしい錦之助ー内田吐夢監督バージョン。三作目まで感想を書いた*1が、四作目、五作目がまた楽しくパワフルで一気に観させる。 四作目「宮本武蔵 一条寺…

宮本武蔵(内田吐夢監督 錦之助版)前半

有名なのに今一つわかっていない宮本武蔵、この際ちゃんと知ろうとレンタル。メジャーな錦之助ー内田吐夢監督バージョンから鑑賞。この作品前五作なんだけど、一年に一回公開していたらしい。 一作目 宮本武蔵 宮本武蔵 [DVD] 中村錦之助 Amazon 錦之助演じ…

戦後時代劇二本

朝日新聞の金曜夕刊に載っている「私の描くグッとムービー」というコーナーが好きでよく読んでいる。各界の方が描く好きな映画のイラストとインタビューで構成されている記事。 少し前に京都の瑞泉寺というお寺の住職兼イラストレーターである中川学さんとい…

文豪ものふたつ

気が付けば文豪原作の映画を続けて観ていた。 豊田四郎監督の「暗夜行路」と森田芳光監督の「それから」。 「暗夜行路」はふや町映画タウン所蔵の日本映画傑作全集VHSで鑑賞。 movies.yahoo.co.jp タイトル通り池部良演じる主人公がふさいだり、自分の気持ち…

Wの悲劇

澤井信一郎監督が9/3に亡くなられ、映画好きの方々のtwitterでも追悼がたくさん書き込まれた。その中でも「Wの悲劇」の出来栄えをほめておられる方が多く、この機にやっと観る。薬師丸ひろ子が女性としての生き方を踏み出す姿にとてもリアリティがあり、確か…

おらおらでひとりいぐも

おらおらでひとりいぐも (河出文庫) 作者:若竹千佐子 河出書房新社 Amazon この作品が芥川賞を獲った時、家庭生活をまじめに営んできたものの一人暮らしになったら大きな声では言い難いが開放感も覚えてしまった老婦人の話という紹介をきいて妙に心惹かれる…

四つの恋の物語(1947)

eiga.com 四人の監督のオムニバス作品 第1話:初恋(豊田四郎)第2話:別れも愉し(成瀬巳喜男)第3話:恋はやさしく(山本嘉次郎)第4話:恋のサーカス(衣笠貞之助) 一番好きだったのは、山本嘉次郎監督の第三話。浅草オペラのような場所が舞台のこの…

悪童日記

悪童日記 作者:アゴタ クリストフ 早川書房 Amazon 映画*1がとても良かったこの作品、信頼できる方が原作も是非とおっしゃてたので読んでみた。海外文学から遠ざかって久しく東欧圏の話ともなれば読みにくいのではないかと手に取るのが遅れたが、まるっきり…

90年代後追い

90年代、個人的に子育て介護等がいっときに押し寄せ、観ていない映画も多い。現在活躍している監督の初期の作品*1も輩出していて90年代に積み残し感を持っているので、ちょこちょこと後追いで観るようにしている。 今週観たのはロシアのパーヴェル・ルン…

蔵の中

蔵の中 [DVD] 山中康仁 Amazon 横溝正史原作、高林陽一監督作品。高林監督、「西陣心中」*1や「魂あそび ほうこう」*2でも京都の湿度のある昏さの表現に長けておられるなと感じている。こちらもまさしくそういう映画。戦前が舞台で中尾彬演じる編集者が、三…

ジュリーの世界

ジュリーの世界 作者:増山 実 ポプラ社 Amazon 70年代後半から80年代前半にかけて京都で学生時代を過ごした著者が当時の京都を四条河原町付近の有名なホームレス「河原町のジュリー」をキーに描いたもの。著者のあとがきによると、はじめ、「河原町のジ…

松坂慶子氏つながりの「女ざかり」と「死の棘」

大林宣彦監督の「女ざかり」を鑑賞。 あの頃映画 「女ざかり」 [DVD] 吉永小百合 Amazon 原作丸谷才一氏。大林監督らしい古い家や町並みをノスタルジックに撮っているシーンが冒頭にあり、ひきつけられ軽い気持ちで観始めたら集中することに。新聞社で家庭欄…

「世にも奇妙な物語」風の・・

フジテレビで放映する「世にも奇妙な物語」風のドラマが割合好きで、 そういうテイストのものをすすんで借りてしまう。 本家本元のTVシリーズの「新トワイライト・ゾーン」も、ふや町映画タウンでは、 W・クレイヴンやW・フリードキンなどめぼしい監督のものが…

山崎ナオコーラさん

「人のセックスを笑うな」*1原作者の山崎ナオコーラさん、「人のセックス~」は映画だけ観たことがあったけれど、松山ケンイチが自由すぎる永作博美に振り回されるお話、という印象で終わっていた。 多分共同通信からの全国の地方紙への配信かなと思うのだけ…

ミシマ社の本 

前から ミシマ社という会社のことを仄聞し mishimasha.com 魂のこもったおもしろそうな出版社だなと好感を持っていた。 今年はミシマ社の本を二冊読む機会があった。 最近読んだのがいとうせいこう氏の「ど忘れ書道」 ど忘れ書道 作者:いとうせいこう ミシマ…

大阪

大阪 作者:岸 政彦,柴崎 友香 河出書房新社 Amazon 社会学者の岸政彦さんと作家の柴崎友香さんが交互に大阪テーマでエッセイを書かれているもの。刊行された時朝日新聞に対談が載っていてそこでも語られているのだが、大阪の通天閣だとかこてこてだとかのイ…

香華

木下惠介生誕100年「香華〈前篇/後篇〉」 [DVD] 岡田茉莉子 Amazon 80年代有吉佐和子さんの急死とその直前のTV番組「笑っていいとも!」出演について世間で珍奇のような視線で語られていることに対して橋本治さんが抗議を書いておられる*1のに触発されて何…

90年代の阪本順治監督作品

90年代の阪本監督の映画を続けて二本。 「王手」(1991) 王手 赤井英和 Amazon 「トカレフ」(1994) トカレフ ニューマスター・デラックス版 [DVD] 大和武士 Amazon 「王手」は将棋の真剣士という耳慣れない言葉が出てくる。つまり賭け将棋で生…

7月に読んだコミック

コミックの感想もたまりにたまっている・・忘れないうちにメモ。 大奥 19 大奥【通常版】 19 (ヤングアニマルコミックス) 作者:よしながふみ 白泉社 Amazon 大奥19巻で完結。良作大河ドラマをみていても思うのだけど、時代劇の神々しさっていいな。ファ…

きっかけを失いつつ

映画や本、鑑賞し終わってすぐ感想を書かないもので書くきっかけを失ってしまっている。。とりあえず本日読んだものから。 ぴんぽんぱん ふたり話 (集英社文庫) 作者:瀬戸内 寂聴,美輪 明宏 集英社 Amazon 2020年3月に集英社文庫になったようだけど、も…

継ぐもの

春に父が亡くなったことと絡んで、何をみても「継ぐもの」という観点が頭をちらつく昨今。 まずは競技 かるた長編コミック「ちはやふる」46巻。 ちはやふる(46) (BE・LOVEコミックス) 作者:末次由紀 講談社 Amazon 表紙は祖父が永久名人である新くん。…

カリフォルニア

カリフォルニア [DVD] ブラッド・ピット Amazon fiorentinaxさんのブログでのご紹介を読んでVHSにて鑑賞。 殺人事件の現場を取材旅行しつつカリフォルニアを目指す都会派の若いカップルが、交通費を浮かすために同乗者を募ったところ、ブラッド・ピット扮す…

イタリア映画祭 2021

www.asahi.com イタリア映画祭2021というのが開催されている。 こういう時いつも良さそうだけどそこまで手が回らないというような気持ちでいたのだけど、今年は「ル・バル」*1や「ラ・ファミリア」で大好きになったエットーレ・スコラ監督の未見の映画が…

ロマンポルノ三篇

根岸吉太郎祭りの続きで吉太郎監督のロマンポルノ二篇と武田一成監督の一篇を鑑賞。 1.「狂った果実」(1981) 狂った果実 [DVD] 本間優二 Amazon ↑不敵な表情でこちらを向いている女性は蜷川有紀氏。蜷川幸雄氏の姪っ子で、猪瀬直樹氏の妻らしい。 彼…

根岸吉太郎監督

根岸吉太郎監督作品を三本連続で観た。 1.「ウホッホ探検隊」(1986) ウホッホ探険隊 [DVD] 十朱幸代 Amazon 先日 田中邦衛さんご逝去のニュースの時、twitterでこの映画のことが話題になっていた。私はつい小悪人役の仕事をまず頭に浮かべてしまう邦…

I'm So-So...、偶然(1981) クシシュトフ・キェシロフスキ監督を巡って

先日「デカローグ」*1で関心を持ったキェシロフスキ監督を撮ったドキュメンタリー「I'm So-So...」(1995)と、キェシロフスキ監督作品「偶然」(1981)を鑑賞。 www.imdb.com 「I'm So-So...」とは、キェシロフスキ監督がインタビューの中で、「苦…

真昼の暗黒

真昼の暗黒 [DVD] 草薙幸二郎 Amazon 橋本忍脚本の話題でtwitterに出ていたのだったか、あまり予備知識のないままに借りて観てみたら、娯楽性も兼ね合わせたがっちりした社会派映画で、しかも、実際に起きた「八海事件」の裁判に大きく影響を与えたという驚…

諏訪敦彦監督

諏訪敦彦監督の作品を二本観た。 ひとつは「2/デュオ」 2/デュオ 柳愛里 Amazon ↑ビデオジャケットの写真があまりにも打ち沈んでいるもので怯みそうになるが、すごい吸引力のある作品。西島秀俊が壁にぶち当たっている役者役で、同居の彼女への八つ当たりっ…

天知茂さんを追って

60年代前半生まれの自分にとってはじめてみた天知茂さんは、2時間ドラマの明智探偵役という感じで、なんだか決まりすぎている・・という印象だった。 旧作邦画を観るにつけ、「東海道四谷怪談」*1の伊右衛門や「憲兵銃殺」*2でクールガイのイメージをまず…