戦争から帰ってきて身よりもない兵隊さんについていく駅の子どもたち。この兵隊さんにもとてもリアリティを感じた。お国のためにしゃんとした姿勢で戦争に行って帰ってきて心が空白になったようなこういう青年は日本中にたくさんおられただろうなと。
地域の子どもたちと野球しようとして相手に逃げ出された孤児たちが「いくじがないなあ」なんていいながら帰ってきたら「いくじがないんじゃないよ。気持ち悪かったんだよ。気持ちが悪くない子どもにならなきゃな」なんてズバリいうお兄さん。戦争が終わって三年。随分子どもたちの服装にも格差があった。
清水宏の映画って表面取り繕わない方向で話が進むように感じていてそこが気持ち良い。
お兄さんとこどもたちが向かうのは映画「みかへりの塔」*1になった施設。「みかへりの塔」での笠智衆などの努力がお兄さんの心を育んだのかなと嬉しくなる。