薔薇の名前

 

「100分de名著」で原作を取り上げていた時、自分には結構難しく映画もそうかと緊張していたら、映画は楽ときいて鑑賞。

映画鑑賞後「100分〜」サイトを読んだら映画を観る前よりすっきり入ってきた。

www.nhk.or.jp

 

今になってこの映画を観たのは少し前に「ロビンとマリアン」を観て、老いを含んだショーン・コネリーに魅力を感じ、もっと観たくなったから。彼に付き従う弟子のピュアな感じがまたいい。この弟子との関係が寛容であり、かといってタガが外れているとかいうのでなく、秩序と威厳はあり気持ちよい。

「寛容」や「笑い」はこの作品のテーマの根幹にもなっており、起源をアッシジのフランチェスコとするフランシスコ会の修道士と沈黙を旨とするベネディクト派の修道士との違いとしても描かれておりその辺もカトリック校に縁のあった自分には腑に落ちる。

ポール・ヴァーホーベンの女子修道会の物語「ベネデッタ」もえらく気持ちを惹きつけられたが、この作品の中の修道院もあそこまでわかりやすい表現ではないけれど、外からの調査から身を守ろうとする動きなど「人間の集団」という感じで面白い。

後悔も含む人間らしい、けれども尊敬に値する先導者としてのショーン・コネリーの姿は「小説家を見つけたら」にも通じるような。

ジャン=ピエール・ジュネ監督の「ロスト・チルドレン*1で異彩を放っていたロン・パールマンもぴったりの役で好演。