前から観ようとは思っていた。低体温でもやもやしたようなムードのスタートだけ観て後回しになったりもしていた。
自分自身がやるせない気持ちの時にちゃんと観始めたら冒頭の主人公の行き暮れ感からぴったり自分の気持ちにフィットし9歳の少女アリスが画面に出てきて華やぎが生まれたらもうずっと気持ちよく画面に身を任せ素晴らしい時間を共有
決して口に出さない情感がきっちり伝わりしばらく余韻に浸りたくなる。
古い家や昔からの関係が朽ちていくこと、血縁関係ではないつながりなどヴィム・ヴェンダースの小津安二郎やジョン・フォードへのリスペクトが詰まっていてそれがくっきりとでもさりげなく画面に表現される嬉しさ
9歳という少女の年齢の絶妙感。まだまだ中性的で、でも相棒的でもあり、イライラさせられたりムカついたりもしながらの実は心に残る時間。こんなひとときの感じは形を変えていろんなところにあると思わされ。ああ良い作品だった。
クラシック、ロック、エスノぽいものなどさり気なくなのにぴったりの気分ではさまれる音楽がまたとてもいい。
