88年 チャック・ラッセル監督
ふや町映画タウンのおすすめということで、ぼんやり見始め。容赦ない展開にびっくり目が離せなくなり最後まで一気に観たが、鑑賞後、Xでマックイーン出演のオリジナルの話やこちらのバイク青年がマット・ディロンの弟ケヴィン・ディロンであることなどを知り最初の方を見返してみたら、伏線だらけで尚面白く。その辺がさらさらさらっと描かれていて、ここ伏線ですよなんてことがなく粋なつくり。確かにケヴィン・ディロンはマット・ディロンの系列の寂しそうな眼が魅力的な人物で、話に聞くオリジナルが「理由なき反抗」風であることをちゃんと踏まえているなあと。
この話の骨格部分、よくわからないものにまきこまれるな、自分の頭で考えろは、胸に響く。と、同時にこの話が面白い、ということは、と陰謀論に流れ込むヒトの心性にも思いを馳せる。(そんな野暮なこと考える必要のない面白い作品なんだけど)
目の前で起きてることにできるだけ誤りの少ない方向にきちんと考え進んでいくとは?という問題。実は接客業ゆえカスタマーの信念に慄然とさせられ今ここにある陰謀論に対峙したりもしているので。
戦争を体験し、次世代のこどもたちは正しい知識をきちんと身につけ自分の頭で正しい判断をしてほしいと科学的なことは(その時点で、にはなるが)誤りのないように調べ抜いて絵本を制作したかこさとしさんのエピソードも噛みしめたりしている。
しかしこの映画のシチュエーションでは瞬時の判断の必要な部分が多くゆっくり考えていてはそこで終了してしまう。その日のために日々正確なことをとり入れること、アカデミックなことを軽んじるな、ニュースソースを吟味しろ、なんて基礎の養成は必要だよな。あっあと筋力も。
