おしゃべりな映画館

黄昏に燃えて

黄昏に燃えて [DVD] ジャック・ニコルソン Amazon 淀川さんとおすぎさんの「おしゃべりな映画館」第1巻に紹介。 原題は「IRON WEED」 西部劇で干し草が転がるように、都会では鉄クズが転がっている、というような意味だろうねと淀川さん。邦題は甘すぎ、と。…

ピーター・グリーナウェイの枕草子

ピーター・グリーナウェイ監督 96年 ロケに使われた京都・山科の春秋山荘というところには幻想的な人形の展覧会に行ったことがある。*1山科の駅から川沿いに山に入っていく。夜来たらこわいだろうなと思うような自然に囲まれた場所。 自分が訪れた2016年当時…

スィート・スィート・ビレッジ

スイート・スイート・ビレッジ イジー・メンツェル 《スペシャルプライス》 Blu-ray ヤノーシュ・バーン Amazon 1986年 イジー・メンツェル監督 「おしゃべりな映画館」のおすすめで鑑賞 写真集のようにのどかで美しいチェコの景色の中村人の様子は全然退屈…

薔薇の名前

薔薇の名前(字幕版) ショーン・コネリー Amazon 「100分de名著」で原作を取り上げていた時、自分には結構難しく映画もそうかと緊張していたら、映画は楽ときいて鑑賞。 映画鑑賞後「100分〜」サイトを読んだら映画を観る前よりすっきり入ってきた。 www.nh…

トータル・リコール

トータル・リコール [Blu-ray] アーノルド・シュワルツェネッガー(屋良有作・玄田哲章) Amazon ポール・バーホーベン監督 1990年 バーホーベンらしい飽きさせぬ演出 シュワルツェネッガーならではの超人的な振る舞いに思わず笑いながら ふや町おすすめの…

スピード

スピード (字幕版) Keanu Reeves Amazon その昔米国の飛行機に乗って平常着陸時乗客たちから「Landed」という声援と陽気な拍手が起きアメリカを感じたあの日を思い出す 短い時間に盛り沢山の事件 犯人像も面白い ヤン・デ・ボン監督は 先日楽しんだポール・…

インテルビスタ

インテルビスタ [DVD] フェデリコ・フェリーニ Amazon 1987年 フェデリコ・フェリーニ 勝手にインタビューをまとめた映画か?と思い込んでいたらさにあらずフェリーニ がチネチッタ撮影所を、らしくもラフにみせてくれる。当時亡くなっていた ニーノ・ロータ…

田舎の日曜日

田舎の日曜日[デジタルリマスター版] [DVD] ルイ・デュクルー Amazon 1984年 ベルトラン・タヴェルニエ監督 すごく良かった。老いた画家とこどもたちの関係はそのまま自分と家族のこと。言葉には出さない心の奥底はさらっとしたナレーションで。独り言ぽくて…

アメリカの友人

アメリカの友人(字幕版) デニス・ホッパー Amazon 以前あらすじをチラ見して不穏な話?と後回しになっていたがそこからの味ある展開 デニス・ホッパーの表情! 色彩も良く小津監督風赤さし色だらけ 錚々たる監督たちの出演後から知る。(ニコラス・レイ、…

奇跡の海

行きつけのvhs専門レンタル店ふや町映画タウンが20周年ということで数少ない(というのも随分婉曲表現)常連さんとふや町映画タウンで出会った作品の数々をtwitterで挙げていってる。 ラース・フォン・トリアーの話題になって、ふや町映画タウンのおすすめリ…

マカロニ

マカロニ(字幕スーパー) [VHS] 日本コロムビア Amazon 公開以来の再見。今回は人生に疲れた風情のジャック・レモンにえらく入れ込む。彼の活躍してきた映画も走馬灯みたいに私の脳内に流れ。もちろんマストロヤンニの色気もいい。二人の背中に懐かしい友人と…

フィオナの海

フィオナの海【字幕版】 [VHS] アミューズ・ビデオ Amazon アイルランドの海辺の祖父の家に預けられた少女フィオナ。そこで彼女とこの作品を鑑賞しているものが出会うのは石牟礼道子さんの文章にも出てくるような人間が自然に対して優位であるなんてひどく驕…

グッドモーニング・バビロン!

グッドモーニング・バビロン! Blu-ray (2枚組) ヴィンセント・スパーノ Amazon 1987年 タヴィアーニ兄弟 「ベイビー・イッツ・ユー」*1(ジョン・セイルズ監督)に出て来たヴィンセント・スバーノを追い30年強ぶりに鑑賞。 壮大な音楽とイントロの映像か…

フィールド・オブ・ドリームス

フィールド・オブ・ドリームス (字幕版) 発売日: 2014/01/02 メディア: Prime Video 「木更津キャッツアイワールドシリーズ」はこの映画からの引用をメインに据えてある作品で、そちらでなじんでいたもので、この映画の最中も「木更津~」のテーマが何回も耳…

シンプルメン

シンプルメン [DVD] 出版社/メーカー: JVD 発売日: 2014/06/06 メディア: DVD この商品を含むブログ (8件) を見る ハル・ハートリー監督、「トラスト・ミー」*1で出会って、気になる監督となった。 こちらやこちらにハートリー監督のことが載っているが、201…

祝祭

1996年 イム・グォンテク監督作品 すごいひろいもの。韓国版「お葬式」ともいえるような、ソウルで作家として成功している主人公が母の死に際して故郷に帰り・・という話だが、作家がいつも家族の物語を書いていた設定にしてあり、また亡くなった母を主人公…

秘密と嘘

マイク・リー監督作品の風合い(ビターだけど突き放しているわけではない感じ)が好きで代表作といわれるこの作品をみてみた。カンヌでパルム・ドール受賞。評判通りの作品!今まで見た中で一番見やすくまとまっているように思う。(「ハイ・ホープス キング…

ウルガ

ニキータ・ミハルコフ監督、その昔みた「黒い瞳」も、偶然みた「愛の奴隷」*1でも、ほんわりとした語り口の中でカチっと光るものがあって、いいなあと思っている監督。この映画も、モンゴルの大草原から話がスタートし、自分とかけ離れてすぎているか?とい…

青い凧

この映画のことを話題にしている、淀川さんとおすぎさんの「おしゃべりな映画館 3」を読んでみたら、淀川さんは一緒に話題にされている「さらばわが愛、覇王別姫」*1にくらべて、この映画の話法の地味さがちょっと・・という感じで、おすぎさんは、誠実に丁…

君さえいれば 金枝玉葉

遅ればせながら、先日観た「さらばわが愛、覇王別姫」*1以来レスリー・チャンが気になる昨今、こちらも。とってもかわいらしい作品。ただ同性愛の三角関係が自殺の原因と報じられたレスリー・チャン主演だけに、ゲイの話題が、ちょっと微妙な感じで出てくる…

さらば、わが愛 覇王別姫

前から見なければ、と思っていたが見て本当によかった。素晴らしい作品。 レスリー・チャンの訃報の時、この映画を観ていたら、どんなにか悲嘆しただろう・・ほんと今頃なんだけど、哀しい想いをかかえつつの芸一筋の、美しい京劇の女形、気品もありぴったり…

ペレ

映画をみる楽しみをとても味わえる作品だった。19世紀末スウェ―デンからデンマークの島に移住し、お屋敷の農奴として働く親子の物語だけど、大好きだったベルトルッチ監督の「1900年」の空気、それをペレという少年を中心にもっと点描風に描いた北欧らし…

IP5

よい話すぎないから信じられるすてきな映画。イヴ・モンタンの森の哲人のような風格が素晴らしい。なんとかっこよく魅力的な爺。ジャン・ジャック・ベネックス監督といえば、「ディーバ」でも、町っ子のクラシック趣味がキーになっているけれど、この映画に…

ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディー

小林信彦さんの「コラムの逆襲」を読み返していたら、少し前にみたビリー・ワイルダーの「ワン・ツー・スリー」*1で、しゃべりっぱなしの精力的な演技をみせていたジェームズ・ギャグニーのことが載っていて、この映画でアカデミー賞主演男優賞を受賞とあっ…

プロスぺローの本

プロスペローの本 ≪無修正HDリマスター版≫ [DVD]ジョン・ギールグッドAmazonこの映画の予告編をみて、壮大で歪んだ万華鏡のような映像に持っていかれた。ふや町映画タウンでも「★★★ むちゃくちゃ、おすすめ」との評。 博物誌的にこの世を構成しているさまざ…

ラルジャン

すごく衝撃を受けた。この人間界を支配しているものとは?というような気持ちになる物語。ポンと染みのように落ちた小さな事柄につき動かされさらに人を巻き込んでしまう人間の姿。静かに整った澄んだ空気の中淡々と進んでいく作品の中なので余計にこわい。…

コールド・フィーバー

コールド・フィーバー [DVD]Amazon1995年 永瀬正敏がアイスランドに両親の供養に出かける話。ちょっと前に読んだ「逃北」*1のグリーンランドの項に少し出てきたたアイスランド。そういえば淀川さんとおすぎさんの本にアイスランド映画の話が載っていたなあと…

悲情城市

1989年 侯孝賢監督 タイトルや、戦争中の日本のことが出て来るとの事で身構えていたけれど、大丈夫、私の大好きな侯孝賢らしい作品だった。 侯孝賢は「珈琲時光」を作られたり小津安二郎監督への敬愛を公にされているけれど、確かに小津安二郎の映画から…

ジンジャーとフレッド

遅ればせながらようやっとフェリーニの有名なこの作品を。父がBS放送から録画したものが家にあったがために、つい後回しに。 映画がはじまるなり、すーっと画面の向こう側に連れて行かれ、聖と俗、美と醜がとなりあわせで、物悲しさをたたえながらもそれに…

マックス、モン・アムール

マックス、モン・アムール [Blu-ray]シャーロット・ランプリングAmazon公開当時、「外交官夫人がチンパンジーと恋愛する映画 気持ち悪」みたいな空気もあったとおもうし、わたしも「なんでまたこんなお話?」って気分だったと思うのだけど、大島渚の映画をい…