マックス、モン・アムール

公開当時、「外交官夫人がチンパンジーと恋愛する映画 気持ち悪」みたいな空気もあったとおもうし、わたしも「なんでまたこんなお話?」って気分だったと思うのだけど、大島渚の映画をいくつかみてからこれをみると、まじめに挑戦的で本質的な問いかけをみている人につきつけるような形で提示しているんだな、なるほど大島渚らしい映画だと思えた。
公開当時の抵抗感でみるのが後回しになったけれど、ふや町映画タウンではおすすめの印がついていて、「さわやかですよ、さわやかは言い過ぎかもしれませんが、いやらしい感じのものではありませんよ。」とのことで、確かにおっしゃる通り。ペットとしてのかわいがりとは違って恋人としてつきあっている、っていうことがしつこいほどでてくるけれど、そこは大島渚がはっきりさせておきたかったところなんだろうな。でもほんと決していやな感じがしない。チンパンジーとつきあうシャーロット・ランプリングもその夫も息子も毅然としていて気持ちがいい。(夫は最初迷いを持ちつつも、だが。。。だからこそリアリティもあっていい。)途中出て来る娼婦の扱いもよく妙にすがすがしい。
チンパンジーナチュラルさとシャーロットのプロ根性に脱帽。友人の俗物表現もリアルで楽しい。堪能した!
借りたのはポニー・キャニオンから出ていたVHSビデオだけど、小森和子の解説が懐かしい。(「おばちゃまはね、こう思うの…。」なんて書き出し。)

マックス、モン・アムール【字幕版】 [VHS]

マックス、モン・アムール【字幕版】 [VHS]

  • 発売日: 1998/07/24
  • メディア: VHS