東北

お母さん、いい加減あなたのことは忘れてしまいました

michiro-oiaw.jp 映画館でこの恐ろし気な、母親という立場の人間からしたら揺さぶられるようなポスターを目にして一旦全体・・などと思っていたのだけど、その後、これは私の好きな人たちもリスペクトしている遠藤ミチロウさんという人の映画で、彼はザ・ス…

忍ぶ川

忍ぶ川 発売日: 2004/10/29 メディア: DVD この商品を含むブログを見る 木場や洲崎パラダイス、浅草、青森のロケ、そしてカメラの叙情がとても素晴らしかった。撮影は黒田清巳という方だそうだ。「竹山ひとり旅」*1や「讃歌」*2「裸の十九才」*3など撮られて…

日本ボロ宿紀行

日本ボロ宿紀行 (鉄人文庫) 作者: 上明戸聡 出版社/メーカー: 鉄人社 発売日: 2017/07/13 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る ボロ宿というと、自分はつげ義春の「リアリズムの宿」を想像してしまうのだけどこの本ではネガティブな意味のボロ宿では…

月山

少し幻想文学めいた空気も漂う映画。 都会の生活に疲れた大学生が月山の麓の、かっては門前町としても栄えたことのある寒村の寺で一冬を過ごす。芳名録を張り合わせて作った蚊帳のような紙製の風よけの中でたたずんでいる姿や、凍り付いた外の景色、鳥追い、…

春の消息、魂の秘境から

春の消息作者: 柳美里,佐藤弘夫,宍戸清孝出版社/メーカー: 第三文明社発売日: 2017/11/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る柳美里氏と佐藤弘夫氏が死者と生者のまじわりの場所を訪ね歩いたもの。写真 宍戸清孝氏。 いわゆる「死んだ子の年…

息の跡

出町座にて。公式サイト ドキュメンタリーの主人公は陸前高田のたね屋さん佐藤さん。津波の体験を独学の英語で冊子にまとめ、さらに中国語やスペイン語などでもまとめようとしておられる。舞台は陸前高田で、佐藤さんは被災体験があったからこそそれを乗り越…

枯野の宿

ずいぶん前に買っていてちゃんと読んではいなかったのだけど、ふと開いてみて「リアリズムの宿」が、今年立ち寄った青森県鰺ヶ沢近くであったことに驚く。気持ちよく写真を撮ったりしていた五能線の風景も厳しく描かれている。再読するまで映画になった「リ…

魚影の群れ

公開当時は自分と無縁っぽい作品だと思っていたのだけど、東北に関心を持つようになった昨今、大間やむつが舞台という事で俄然興味を持った。 1983年相米監督作品。佐藤浩市演じるむつ市で喫茶店を営む若い男が、緒形拳演じるマグロ漁師の娘、夏目雅子を好き…

おんなの細道 濡れた海峡

twitterで、石橋蓮司さんのベスト5作品という感じでこの映画を挙げておられる方がいらっしゃって(こちら)、調べてみたら陸中海岸が舞台のようで、みてみた。すごい拾い物!みてよかった。 ストリップ劇場のある町は盛岡では?上之橋の風景におぼえあり。途…

海盗り 下北半島・浜関根

原子力船むつの母港となろうとしていた下北半島・浜関根を映したもの。 映画を作った青林舎から出ている「海盗り」という1984年当時の売価500円のブックレットも一緒に貸し出してもらう。 映画の方でアウトラインのみつかんだ漁業権の問題などがブックレット…

惜春鳥

会津若松や東山温泉を舞台にした、同級生たちの「リアリティ・バイツ」のような話。津川雅彦の洗練されたかっこよさに目を瞠った。ちょっとした着こなし、身のこなしなど。そんなに好きではなかったのに、役柄もよい役だったので素直に感心した。でもライバ…

三尺三吾平

all cinemaエノケンの伊達騒動ものだけど、エノケン映画によくあるような、軽快な和製ミュージカルみたいな感じではなく、ベースまじめな感じ。見た方々の感想や、ビデオにはさまれた解説書を読んでいると、封切りが1944年7月6日、サイパンで日本軍が全滅し…

にっぽん泥棒物語

素晴らしかった。骨太でおもしろい。人間が個人の都合を乗り越えて社会のための行動を起こすことができるか、それを高邁すぎる形でなく、三國さん演じる職人肌の泥棒が主人公という設定で描いていて、楽しい。(戦後すぐの設定でもあるし、結構泥棒に対して…

1970年代NIPPON

あとがきより 1970年代の日本は、工業化と高度経済成長の時代で、日本人の生活が豊かで便利になったとよく言われた時期だった。 (中略) この写真を撮影している間も、農村の人口は労働力として大都市に吸収されつづけ、農村の過疎化が進行していた。 70…

流れ雲旅

NHK「美の壺」の東北の温泉特集の時北井一夫さんの湯治場を撮った写真が紹介されていて、北井さんのことを調べてみたら70年代につげ義春さんと一緒に温泉を巡られたそうで、この写真集にたどり着いた。この本が発行されたのは2016年5月で70年代に撮られ…

俺は田舎のプレスリー

訪れたことのある五所川原が舞台というのと、先日観た「オレンジロード急行」*1でみた往年のアラカンさんの姿がよかったので、アラカンさんつながりでこれも借りてみた。山田洋二原案で、あの流行った吉幾三の曲のタイトルで・・とまあ気楽な気持ちで借りた…

原子力戦争

昭和53年度 黒木和雄監督作品。舞台は福島の原発。無許可で撮影して制止されている映像まで入っている。田原総一朗原作だけど、wikipediaによると原作とストーリーは違っているらしい。事故隠しを巡るストーリーは、昨今耳にする話のようでとにかく驚く。 文…

大いなる旅路

三國連太郎が一鉄道員の19才から55歳までを演じ切るが、まずはじめのやる気のない時代の色気のあること。前をはだけたような制服の着こなしが魅力的。結婚して家族を持って。。という変遷もとても自然でまた主人公の年齢が近いものでもう他人事ではない感じ…

裸の太陽

ビデオジャケットはなんだか前時代的。これに出てくる江原眞二郎演じる主人公も作品がはじまるなりすごく熱くて、国鉄の寮で切磋琢磨してたりしていて、ついていけるか心配になるが、愛嬌もあるし、シニカルにやさぐれてしまった同郷人の仲代達矢をかばう優…

裸の十九才

永山則夫をモデルにした男を演じるのは原田大二郎氏。これがなかなかハマっていて、集団就職で東京に出てきた素朴そうな、でもどっちに向かうのかわからない青年という感じが出ていた。 なんといっても強い光を放つのが太地喜和子の出演シーン。すごい眼力と…

略称連続射殺魔

足立正生監督(1969)なんともシャープでがつんと来る。永山則夫が転々としてきた土地の風景。北海道、青森、東京、横須賀、京都、梅田等々・・最小限のナレーションで風景を追うだけでなく、その画の構成がぐんと胸に迫る。 映画の中でも出てくるけれど…

東北

古本屋さんでみかけて買いたかったのについ節約してしまった東北の写真集があって、そのタイトルがわからなくなって今もどかしい思いをしている。手当たり次第に京都市図書館にある東北の写真集を借りたりしているのだけど、いまだあの本に巡り合ってない・…

(ハル)

一回目にみたときは舞台になっている盛岡に行く前で、盛岡に行った目でもう一度みたいと思っていたらGyaoで2/24まで配信が。 パソコン通信の話なのだけど、ハンドルネーム(ハル)を演じていたのは内野聖陽さんだったんだ・・今、「真田丸」の徳川家康の演技…

青葉城の鬼

原作「樅の木は残った」。敵をあざむくにはまず味方から、理解されなくてもみんなのことを考えてるんだゾという構図、「忠臣蔵」や「総長賭博」*1などにも相通じるものを感じる。(調べたら「め組の喧嘩」*2の感想でも同じようなことを書いていて驚く・・)…

風の又三郎

中野翠さんのサンデー毎日のコラムにこの映画の主役片山明彦さんのことが載っていたので借りてみた。 一昨年高倉健追悼記事の下に小さく訃報が出ていたそう。 「顔立ちも都会的で、フィッと田舎にやって来たストレンジャーである三郎役にぴったりのように思…

希望の牧場

福島第一原子力発電所の警戒区域に取り残された「希望の牧場・ふくしま」のことをもとにつくられた絵本。 絵の吉田尚令さんは、宮沢章夫さんのNHKの朝のラジオ「すっぴん!」に出演されたときや、朝日新聞の「プロメテウスの罠」という連載記事の取材の中で…

阿弖流為

大阪松竹座にて。 劇団☆新感線のいのうえひでのり氏の演出。新感線の舞台はTVでちらっとみたくらいなもので、はじめものすごい動きとセリフ回しや場面展開の速さに驚いた。 そんな中で、勘九郎さんや片岡亀蔵さんの明瞭な芝居は手掛かりになって助かる。故・…

超高速!参勤交代

「七人の侍」や「十三人の刺客」*1などの日本映画の名作の良さを現代人に受け入れやすいポピュラーな形で表現した映画のように思った。 東北の小藩が舞台になっているこの映画、今起きている事への申し立てを時代を変えて描く手法は、昔の歌舞伎などにも相通…

回想の太宰治

津軽の斜陽館の近くの物産館マディニーの本のコーナーに太宰の妻だった津島美知子さんのこの本が「10年も一緒にいた美知子さんならではの、そしてほかの本にはない、クールな距離からの太宰」というようなポップがついて置かれていた。 読んでみて本当におも…

ピカレスク 太宰治伝

興味深く読めた。猪瀬直樹の本、「日本凡人伝 二度目の仕事」や「ミカドの肖像」もおもしろく読んでいたのだけど、この本も、太宰治伝といいながらその背後の井伏鱒二のことにかなり鋭く切り込んで読ませる。1999年9月号からの連載であったようで、ずい…